見出し画像

「知らない」を楽しむ | ユカイ工学ソフトウェアエンジニア Miller Sebastian インタビュー

みなさんこんにちは。デザイナーの はらだ です。

先日BOCCO emoがフェーズフリーアワード2022 SILVERを受賞しました!

今回はそんなBOCCO emoのソフトウェア開発を担当している、エンジニアのMillerさんに話を聞きました。

【 Profile 】
ミラー セバスチャン( Miller Sebastian )

- ユカイ工学 / ソフトウェアエンジニア
2015年フランス、クレルモン=フェランの工学学校在学中に初来日し、東京農工大学にてインターンシップに参加。その後、熊本大学に留学、東京ボッシュジャパンでインターンシップに参加。2016年にユカイ工学に入社。



気づいたらプログラミングの世界にハマっていた

—— プログラミングに興味を持ったのはいつ頃でしたか?

Miller
僕は元々、数学や工学的なものづくりに興味を持っていたんです。だから学生時代の進路は自然と決まっていましたね。
周囲のみんながそうであったように、僕も工学系が学べる高校に進んでエンジニアリングやプログラミングを学びました。

ただ、小さい頃からものづくりにハマっていたわけではなくて、高校生くらいでやりたくなったんです。
その時に一番始めやすかったのがソフトウェア開発でした。PCさえ持っていれば、他に特殊な道具を集めたりしなくても良いでしょ。

プログラミングに触れるきっかけは、化学の授業で使っていたエクセルでした。
当時、やりたいことを実現するにはエクセルでは限界があったので、先生に相談したら「プログラミングをやってみれば?」って教えてくれて。
最終的にできたものはプログラミングとは関係なかったけど、そこで初めてプログラミングを意識しました。

実は、一番最初にプログラミングで作ったのがWebサイトでした。
専門ではなかったけど、PHP言語は初心者にもハードルが低そうだったので、挑戦してみました。はじめは手探りでしたが、カタチになった時は嬉しかったですね。
そこから他の言語もいろいろ試してみて…今一番使っているC言語も触りながら学習していきました。


新しいものへの好奇心を止めない

—— プログラミング学習は授業でも行なっていたんですか?

Miller
いえ、独学でした。興味ある分野をどんどん掘り進めていったら、気づいたら身についていた感覚です。

これは最近よく感じることなのですが、ものづくりを仕事とする中で、新しいことにもどんどん興味を持って身につけるとより楽しめますよね。

僕がフランスから日本に来た時も、ユカイ工学で仕事を始めた時も「知らない」の連続でした。
でも「知らない」って大変だけど、新鮮じゃないですか。新しいことへの出会いだから、触れて、調べて、気づいたら新しい技術が身についている。
一つのプロジェクトが終わった時に振り返ってみると、確実に成長できているからモチベーションも上がりますよね。

—— あまりにも自然なのですっかり忘れていましたが、日本語が本当にお上手ですよね。

Miller
それは良かった。ベーシックな日本語は大学の授業や留学で勉強したのですが、本格的に勉強を始めたのはユカイ工学に入社してからなんですよ。

日常で使う日本語って授業ではなかなか登場しないので、ユカイ工学のSlackでよく出てくる単語を調べたり、チームメンバーと話したりしながら覚えていきました。

学生の時は、日本で仕事をするとは全く思っていなかったんです。
でも、日本でインターンをしている時に「このまま帰ったら、せっかく学んだ日本語を忘れちゃうかも。それってもったいない!」と思って日本で働くことを決めました。
気づいたら初来日から6年以上経ちましたが、あっという間だったな。


集中して成し遂げる満足度の高い開発

—— ユカイ工学に入社してから印象深いお仕事は何でしたか?

Miller
ユカイ工学のプロダクトだと印象深いのは「Qoobo」「BOCCO emo」かな。

Qooboは2ヶ月完全集中で作業をしていて、満足度が高いお仕事でしたね。ファームウェア開発をCTOの鷺坂さんと分担して、気持ちよく作業できたのを覚えています。

心を癒やす、しっぽクッション。 | Qoobo(クーボ)

もう一つのBOCCO emoは、2年前くらいにソフトウェアチームで座談会もやりましたね。

僕が担当している部分は独立していたので、集中して開発できました。細かく話すと、エモちゃんの中に入っているUIボードや、メインのソフトウェアの連携、Bluetoothの部分を担当しています。

Bluetoothと言うと、一般的に馴染深いのはイヤホンかな。BOCCO emoでは、最初のセットアップでBluetoothが登場するんですよ。

スマホのアプリからエモちゃんを探すときや、つみきセンサを追加するときにもBluetoothが使われています。

—— モーションエディタも開発していましたよね。

Miller
そうですね。
モーションエディタでは、オリジナルのモーションを直感的に作成・送信することができます。BOCCO emoを持っていれば誰でも使えるので、ぜひ試してほしいです。

モーションエディタでBOCCO emoのほっぺの色を設定している様子

BOCCO emoのモーションは基本的にデザイナーが作っているのですが、ウェイクアップモーションは僕が提案したものが採用されているんです。

電源を入れた直後のウェイクアップモーション

エモちゃんは下の方からエネルギーがチャージされるから、光も下から上に向けて花火が打ち上がるようなイメージでデザインしました。

現在も新しい機能を開発しているので、ぜひみなさんも一緒にエモちゃんをの成長を体験してもらえると良いなと思います。


誰かのアイデアを育てる、叶える存在でありたい

—— BOCCO emo以外でもBluetoothといえば!と社内で声がかかる印象でしたが、入社当初からそうだったのでしょうか?

Miller
いえ。実は、ユカイ工学に入った時は全く知識がない状態でした。それでもとりあえずトライしてみて、それを続けていたらユカイ工学内でBluetoothの専門家的なポジションになっていましたね。

Bluetoothに限らずですが、昔から興味のある分野が多すぎるので、何かに挑戦するきっかけがあるのは逆にありがたいんです。

ユカイ工学には色んなことに挑戦しているメンバーが集まっているから、自然と「これやってみない?」って誘ってくれる人も多くて。僕も「じゃあやってみようかな!」と誘いに乗りやすいんです。

そうそう、最近行ったメイカソン* も、もっとやりたかったな。

*メイカソン
毎年ユカイ工学が社内で開催しているものづくりイベント。社員全員が参加し、5~6名ずつのチームに分かれて約2~3ヶ月程度ものづくりに取り組む。アイディア出しから、デモンストレーションができる試作、プレゼンまでを行う。Qoobo甘噛みハムハムもメイカソンで生まれたプロダクト。

甘噛みハムハムを生み出したユカイな文化メイカソンとは | ユカイな座談会

僕は面白いアイデアをどんどん生み出すよりも、誰かの面白いアイデアに乗っかる方が得意なので、メイカソンは僕にピッタリなイベントだと感じます。

今年のチームは「こんなものがあったらいいのに」ってベースの妄想に対して各々試作を披露していく感じだったので、メンバーが集まるたびに「何だそれ!」って驚いてたかも。特にCDOの巽さんは試作のスピードが早くて。無限に3Dプリンタからモノを出してた気がしますね。

とはいえ僕も、ソフトウェアで「これやってみたんだけど」って披露するとみんな「いつの間に!」ってなってたかも。苦戦したところもあったけど、色々トライできて楽しかったです。


新しいことへも果敢に楽しめるマインドを

—— どんな人と一緒に働きたいと感じますか?

Miller
コーディングするエンジニアに限るけど、キレイなコードを意識できる人かな。僕自身、キレイなコードを書くことはこだわりがあるので、そこが共有できると嬉しいな。

もちろん、最初から一発でキレイなコードを書くのは難しい。でも、これは良くないなってところを直していく姿勢は重要だと思いますね。

あとは、ものに興味あったり、触ったことのないものに対して「やってみようぜ」ってノリがある人。「やったことないからやめようかな」ではなく「やったことないから逆にやってみたい」ってなるマインドは重要だと思います。

—— 今後の活躍も楽しみにしています!ありがとうございました!


編集後記:「やったことない」を楽しむ強さ

「知らない」を楽しむ力ってすごいですよね。
失敗を越えた先を見据えて進む力というか。
トライすること自体を楽しむ力というか。

自己を省みると「やったことがないので…」と二の足を踏むことばかりだった…アワワ…と思いながらこれを書いています。

同じ場所にいる時間が長くなればなるほど「慣れ」が幅を利かせて思考が鈍ってくるもので、彼の話を聞いているうちに「この環境もメンバーも全然当たり前じゃないんだった!」と初心を思い出したり。

せっかくユカイ工学にいるのなら、彼らと自分の掛け算の力をもっと体験しないともったい気がしてならないので、この気持ちを忘れないようにものづくりに励みたいと思います。


ユカイ工学お問い合わせはこちら


その他のインタビューnoteや関連noteはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?