ものづくりの自由と楽しさ | ユカイ工学メカエンジニア 高岡 亜輝 インタビュー
みなさんこんにちは。デザイナーの はらだ です。
どうやって連休を楽しもうか思案していたら、あっという間に4月の最終週に入ってしまいました。みなさんの予定は決まりましたか?
さて、今回はBOCCO emoインタビューにも登場してくれた、エンジニアの高岡さんに話を聞きました。
-----
ものづくりは、いつだって身近な存在
----- ものづくりに興味を持ったのはいつ頃でしたか?
高岡
もう覚えていないくらい…幼い頃から興味を持っていたと思います。
ずっと身近な存在でした。
ロボットアニメも観ていたし、図書館にあったカラクリ人形の解説本とかも夢中で読んでいましたね。自分も作ってみたいなって。
そういえば、小学校入る直前に、祖父が模型屋さんに連れて行ってくれたことがあって。頼んだわけではなかったけれど、船の模型を買ってくれたんです。
そこで初めてプラモデルの存在を知って。
でも、欲しい!ってお願いして買ってもらったわけじゃないから、僕は全然組み立てないんですよね。
見かねた祖父が勝手に組み立てて、出来上がった船の模型を持って「風呂に浮かべてみるぞ!」って手を引かれて…。
う〜ん、話せば話すほど少し強引に聞こえちゃうなぁ。
でも、あの体験があったから、造形とかものづくりに興味を持ったんだろうなって思いますね。
その船の模型は、有名なメーカーのものではなかったので、大人になってから探しても見つからなくて…でも強く印象に残っているんです。
プラモデルが僕のものづくりを加速させた
高岡
小学生になってからも、何度かプラモデルに触れるきっかけがあって。
父が突然サンダーバード4号のプラモデルを買ってきたり、ガンダムのプラモデルを買ってきたり。
お願いしてるわけじゃないんだけどな〜って思いながらも、いろんな種類のプラモデルがあるんだって知ったんです。
形も、素材も、作り方も。新しいものを触るたびに、「プラモデルってこんなものもアリなんだ!」って発見がありました。
それに加えて、たまたまプラモデルが好きな同級生や先生がいたので、一緒に作ったり、本格的な作り方を教えてもらったりして…気づいたらどっぷりハマっていたんですよね。
最初のきっかけは「与えられたから触ってみた」って感じだったけど、作り始めると「こんな構造なんだ」とか「こう動くのか」とか。
仕組みがわかって本当に楽しかった。
それからかな、興味の範囲が広がったんです。
ものを組み立てる前の作図にも興味を持って、デザイン関係の仕事をしている父の書斎にあった作図の本を借りて、真似して線を引いてみたりしてましたね。
運良く中学の技術科の先生が、作図に詳しい人で。
作図の話をしたら、こうやるんだよって色々教えてくれました。
----- 小学校や中学校の先生はキーパーソンだったんですね。
高岡
そうですね。
振り返ると結構ものづくりの楽しさを教えてくれた大人が近くにいたのかも。
だから進路選択の時も、ものづくりができる環境に行きたいと自然と考えていましたね。結果的に、工業高校・高専・短期大学といくつか環境を変えながら、ものづくりの専門知識をつけていきました。
ただ、工業高校に通っていた時は、少しモヤモヤすることもあって。
クラスメイトを見ていると、工業高校に通っているけどものづくりが好きな人って少ないかも、って。
ものを作るのが好きになるキッカケは色んなところにあるのに、それを見つけられていない人多いんじゃないかな〜。「プラモデルの組み立てが好きだ!」とかでもいいはずなんだけどな〜って。
だから僕は卒業後に、興味のあった模型金型メーカーに就職したんです。
ピンチとタイミング
----- ユカイ工学に入社するきっかけは何でしたか?
高岡
正直に話すと…偶然だったんです。
本当は違う会社に転職するはずでした。
会社を辞める準備をしていたら、直前に「ごめん!」って言われてしまって。
まだ契約を結んでいない状態だったので、僕からは手出しができなかったんです。だから、慌ててWebで仕事を探しました。
そこで、ユカイ工学のスタッフ募集ページを見つけたんです。
ユカイ工学のことは、BOCCOってロボット作ってたよなとか、実家の仕事でkonashiを使ったことあったなとか、社名を聞いて製品が連想できるくらい認識はしていて。
ROBO-ONEっていうロボットの大会を観戦しに、日本科学未来館に行った時もハブラシロボットキットを見つけて、こんな製品も作ってるんだ!って驚いた記憶もありますね。
だから、記念受験じゃないけど、ダメもとで応募してみたんです。
そこでCTOの鷺坂さんと面談をして、募集内容と条件が合致していたこともあって、ユカイ工学に入社しました。
ユカイ工学での初仕事はクラウドファンディング限定Qooboのタグ制作でした。
リターンの中に、特別仕様の真っ白なQooboがいたんです。
その子には、ロゴとシリアルナンバーが記載されたタグをつけていて。
マシンと格闘しながら作った記憶があります。学ぶことがたくさんありましたね。
----- ユカイ工学に入社してから印象は変わりましたか?
高岡
そこまで変わりませんでした。
入社前にBOCCOやQooboの開発秘話は調べていたので、想像はしていて。
ノリが良くて、面白いものを作り上げられる人たちの集まりなんだろうなって思っていたら、想像通りでしたね。
本当に「妄想して、作りたいから作った」をする人たちだ!って。
二足歩行ロボットへの憧れ
----- ユカイ工学で印象に残っていることはありますか?
高岡
最近一番印象に残っているのは、メイカソンですね。
ユカイ工学では年に一度、社員全員が参加するものづくりイベントがあるんです。4~5人くらいの班に分かれて、それぞれがアイデアを出し合いながらロボットを作るんですけど、毎年面白くて。
これが僕たちのチームがメイカソンで発表した「メカひよこ」です。
----- この子可愛いですよね!メイカソンの発表時も盛り上がったのを覚えています!
高岡
そう言ってもらえると嬉しいです。
中のメカ部分を僕が担当して、外装のひよこ部分をデザイナーの坂本さんが担当しました。
「メカひよこ」は二足歩行ロボットなんですよ。
僕ずっと二足歩行ロボットを作りたかったので、念願叶ったなって。
と言っても、最初からメイカソンで二足歩行ロボット作ろう!って進めていたわけではなくて、同じチームのCEO青木さんが「二足歩行ロボット作ろうよ!」って話したのがきっかけだったんです。
二足歩行ロボットを作るって、僕にとっては気軽にできることじゃなかったんですよ。例えば、メカ部分の回路だったり、制御だったり、完成までの工程が多いから、片手間でできるものじゃない。
だから、メイカソンでトライできて良かったなって思いました。
納め先の反応が見える喜び
----- どんな人と一緒に働きたいと感じますか?
高岡
リアクションをしてくれる人かなって思います。
会社や業務によっては、自分が作って納品したものに対する反応が見れないことがあると思うんです。
僕は必ず振り返りをするんですが、それってあくまで自己評価で。
受け取った側は、良いと思ったのか、そうでなかったのか、どう思ったのかってやっぱり気になるんです。
良かったらもちろん嬉しいけれど、足りない部分を知ることができれば、次に反映できるから、リアクションがあるかどうかって大きいんですよね。
だからこそ、ユカイ工学で一緒に働いていて嬉しいと思うのは、リアクションをたくさんくれるメンバーが多いこと。
エンジニアの和田さんが顕著で、良いところも悪いところもしっかり伝えてくれるのが嬉しいですね。一緒にものづくりをしているなって思います。
僕も出来るだけ一緒に仕事をしているメンバーにリアクションを届けたいと思っています。
----- ありがとうございました!今後の活躍も楽しみにしています!
編集後記:ものづくりって
「プラモデルって自由に作って良いんですよ」
楽しそうに話してくれる高岡さんの何気ない一言に、内心ドキッとする自分がいました。
仕組みに乗っかって組み立てを楽しむも良し、
自分の思考を加えてアレンジを楽しむも良し、
はたまた自分で0から設計して楽しむも良し。
そうだった。ものづくりってそうだった。
忙しなく過ごしていると、ついどこかに置いてきてしまう本質。
自由だから楽しくて。
自由だから楽しいだけじゃなくて。
でもやっぱり楽しくて。
彼と話している中で、大切なことを思い出しました。
その他のインタビューnoteはこちら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?