癖
誰でも癖くらいひとつはあるだろう。
私は北斗の拳を真似て関節を鳴らしていたら癖になってしまった。
それ以外に自覚する癖はないが、困ったときに髪を触っていると言われたことがある。
怒るとすぐ『もー』と言うらしい。
夫は爪を噛む。
ストローを噛む。
アイスの棒を噛む。
カレーだってスプーンをカツンといわせながら食べる。
とにかく噛む男だ。
長男は足の親指をポキポキ鳴らす。
次男は小さい時はタオルの角をツンツン触り噛んだ。
毛布の角を噛んだ、爪を噛んだ、首を鳴らした。
大きくなってからは貧乏ゆすりをよくしている。
噛む行為は淋しさとか愛情不足とかストレスの現れといわれている。
そういうことを私はあまり知らなかった。
次男の爪噛みをあえて止めたこともなかったし、タオルだって毛布だって触ることを制限しなかった。
子どもの思いに気づいていなかったと後悔する気持ちは私の中にいつも消えずにある。
それでも、懐かく愛しい記憶としてタオルを噛んでいた小さな次男を思い出す。
角がボロボロになった毛布を思い出す。
次男をあらわす象徴のような感じがする。
夫が野菜ジュースのストローを噛むことも、
あずきバーの棒を噛むことも、そのまましたいように好きにしていいよと思う。
誰かを思うとき、その人の口癖や、よくしていた事が思い出される。
切ないものもあるがそれも含めてその人だと思う。
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