【連載童話】ヘンリーと赤いふうせん１３

「そうなんだけど　ぼくは行くんだ。
ほうっておいてよ」

「あぁ　そうかい。
だけど　こうしたら　どうなるだろうねぇ」

カラスは　いじわるに　ニヤリとわらって…

ヘンリーのふうせんを　くちばしで　つつきはじめました！

「あっ！なにをするの！やめてよ」

たまらず　ヘンリーがさけびます。
すると　べつのこえが　こう言いました。

「ついでに言うと　オイラたち　なかまじゃないヤツは
しんようしない　たちでね」

「おまえさん　にんげんだって？
あっちへ行ってな！」

きがつくと　あたりはまっくろ！

ヘンリーのまわりを　たくさんのカラスが
とりかこんでいたのです。

「それ！」「えい！」「やあ！」「でていけ！」

カラスたちが　いっせいに　ヘンリーのふうせんめがけて
するどいくちばしを　つきたてはじめました。

「わぁ！やめて　やめてよ！」

カラスたちの　いじわるなたいどと　こころないことばに
ヘンリーのふうせんは　すっかりしぼんでしまっています。
そのうえ　カラスたちのくちばしによって
いくつかのふうせんは　われてしまいました。

〈つづく〉