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「釧路 水揚量2位」の違和感

1面が「新年交流会」で本当に良いの?

全国主要漁港の2022年水揚高の速報値が出たようです。
3位 焼津(静岡)、2位 釧路(北海道)、1位 銚子(千葉)。
前年と同位です。
2023年1月6日 釧路新聞より。

私はどの新聞も1面から読むのですが、この日の1面は新年交流会について。
釧路をどういう市にしていくのか。
市長によると、日本製紙の撤退による経済の回復、人口減少対策、
雇用確保、釧路の自然を世界に広めていく、など語られています。
どれも大事なことだと思いました。
同時に、ほんのり違和感を感じましたが、そのまま他のページを
読み進めます。

テレビ番組ページの裏の最後の記事ページまで来て、
「水揚高釧路2位」の記事が。

「これが1面じゃないんだ…」

北海道新聞ならまだしも、釧路新聞で11ページ目の掲載に
軽いショックを覚えます。

全国で2位を、道ではなく市レベルで獲得できているのに
なぜ1面でピックアップし市民でそれを認識していく事にならないのか。
犯罪件数全国2位、とかそういった悪い話の2位ではないのです。
頑張って魚を獲ってきた量が全国で2位なのです。釧路。
全国から、世界から、人を誘致するときに
「水揚高2位」は大きな武器になるような話ではないでしょうか。
まず市民レベルでしっかり認知したい、
釧路の強みなんじゃないかなと思いました。

釧路は湿原もあり、自然豊かな地域を謳うにはもってこいの地域では
ありますが、それだけでは街としてはもったいないなと思っています。
市民は住んでいれば環境に慣れてしまうので、自然のありがたみを
日々認識する習慣は薄れていきます。

一方で市外から釧路に来た大体の人は、自然を感じ喜んでくれます。
お招きする側の自分としても「喜んでくれて良かったな」と思いながらも
「あれ…この後どうしようかな…」となった時に、
「釧路は漁業の街だからここに行きましょう!」といえる場所が
私はパッとでてきません。
市として力を入れているような、水産と絡めた飲食街、施設が
もっとあればなあ。
1面でほんのり感じた違和感は、
「もっと市は水産に情報も経済も投資してほしい」
ということだったと気づきました。

第2の違和感「漁師さん、大変じゃない?」

記事には水揚高ともう一つ「金額」ランキングがありました。
3位 長崎(長崎) 2位 福岡(福岡) 1位 焼津(焼津)

ちなみに、水揚高で1位だった銚子(千葉)は4位。
北海道で金額ランキングにランクインしてるのは
稚内(7位)と根室(10位)。

ん?!釧路どこいった?!?!

一般企業で置き換えて考えてみると、
いっぱい働いてるのに他の社員の方が給与が高い、みたいなことですか?

獲れる魚の種類や、付加価値・ブランディングによる単価アップなど
色々要因はあるのだと思います。

金額1位の焼津。
主力がマグロやカツオで単価が高いというのはありますが、
焼津を訪れた時に「いいなあ」と感じた街の文化があります。
「魚河岸シャツ」という、手ぬぐい生地の半袖シャツが焼津では
名物となっていました。
普通に可愛くて、夏はサラッと着心地も良いので私も1枚買いました。

「魚河岸シャツ」。釣りで肌が黒いな。

ほかにも、有名な鮮魚店やおさかなセンター、釣具店発信の釣り文化
などなど、町全体が魚関係に力を入れているように見えました。
焼津市のInstagramにも、水産がらみの投稿がたびたび出てきます。

隣の芝生が青く見えているだけなのかもしれませんが、
「なんかいいな」と思う街でした。

さてさて2023年1月6日現在、釧路は最も冷え込む朝晩。
マイナス2桁の気温です。

クルマも鼻水も凍る寒さ

そんな中漁に出てたくさん海産物を獲ってくれている漁師さんを
釧路市民としては応援したいと思っています。

釧路も、水揚高・金額共に高い街であってほしい


ここ数日、水産新聞を読み漁っています。
赤潮の影響、天候不良など、自力ではどうしようもできない理由で
出漁できない日が続くなど、漁獲量が前年比で減少している
記事を沢山見ました。

ですが漁師さんもたくさん工夫されていて、ブランディングや直売によって
販路拡大や各地の消費者に対して鮮魚を頂ける機会を作ってくれています。

生計を立てるために漁師さんたちも必死かと思いますが、
市や街全体でももっと漁業、魚の街化に投資してほしい、と切に願います。

「この市は何を推しにしている街なのか」
それがわかりやすい自治体が私は好きです。

釧路について、できることなら
 水産を推している
 加工工場が増える
 獲れたての魚介を味わえる店が増える
 水産業界に従事する人が増える
 街が潤う・活気づく
そんな事を夢見ながら、来週は令和3年度の水産新聞を
読み漁りたいと思います。

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