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徒然なる文章

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日々考えている事や気付きを言語化したものたち。エッセイ集みたいなものです。毎日更新出来るように頑張ります。駄文もあれば気合い入れて書いてる文もあります。
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#ショートストーリー

【SS】アステリズムの旅人

「ついに君も旅立ちか」 何気ない口調を装い、カストルは呟いた。 「そうだね」 微笑を浮かべ…

うぬ山
2年前
2

【SS】クラゲ・フォーリンラヴ

ー海月のように揺蕩うように。人は気付いたら恋に落ちている。 「佐久間くん明日暇?すみだ水…

うぬ山
2年前
8

【ショートストーリー】黄金色ティアドロップ

午前四時。 てっちは灰色の繁華街をぶらぶら歩いていた。 夜という饗宴はもう過ぎ去った。 数…

うぬ山
3年前
4

【SS】チンアナゴ栽培キット

東急ハンズなどのおもちゃコーナーには、よく変な栽培キットが置いてある。 枝豆やサボテン栽…

うぬ山
3年前
2

中秋の名月

秋の季節にススキが風に躍る、とある村。 満月の夜、この村ではちょっとした慣わしがある。 …

うぬ山
3年前
10

バナナ

派手にすっころんだ。 世界が勢いよく回っている。違う。僕がもの凄い勢いで転げ落ちているん…

うぬ山
3年前
3

ノイズキャンセリング

階段を上るとハチ公前広場。 渋谷の夜は、今日もたくさんの人と安っぽい光で彩られている。 少女は首にかけていたヘッドホンを耳に装着した。 音の世界に逃げ込むために。 少女の居場所はヘッドホンの向こう側にしかなかった。 スクランブル交差点。 様々な人々が行き交っている。 少女にとって無数の人々は、意志を持たない傀儡か、電灯に群がる蛾のようなものでしかなかった。 ヘッドホンをしているのにザワザワとしたノイズが混ざってきた。 音量を上げる。これでもかというほどの爆音。 鼓膜

楽園

鬱蒼な森を抜けた瞬間、視界が開けた。 目に飛び込んできた色彩。人工的な着色なしに、自然の…

うぬ山
4年前
6

血痕

心の古傷が開く瞬間。 じわじわと血が溢れ出す。 ぽたぽた、ぽたぽた。 血溜まりを作り出す。 …

うぬ山
4年前
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