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M-1グランプリ2023 を振り返る (いまさら)

2023年のM-1グランプリは自分史上最大の情熱を注いで臨みました。3回戦から全ネタを確認し、ワイルドカードにも全部見た上で投票し、当日は敗者復活戦から優勝決定までぶっ通しで、M-1好きの友人と一緒に視聴しました。競馬とジョッキーが大好きな友人の意向により、チャンネルを変えて有馬記念を見たため一部敗者復活戦を見逃しましたが、YouTubeに上がっているネタを見たのでよしとしてください。

すでにM-1グランプリの感想をnoteに書いてらっしゃる方も多いみたいです。少し拝見しましたが、皆さん思い思いのことを書いていてそれはけっこうなことです。漫才含めお笑いには見た人の数だけその解釈や考察、感想があっていいと思うので反論するつもりもありません。趣味や嗜好の問題もあります。みんなが同じ意見を持つことができないのは仕方のないことです。

僕はしばらく経って興奮冷めやった後に記事を書いているので、かなりの出遅れ状態です。その点であえて思うことを語るとすれば、

「なんか、あんまウケなかったな…」


というのが、僕の率直な感想です。


笑う側の人間はときに不安を抱えています。自分が面白いと思っているものは、本当に面白いのかどうか。ここは笑うところなのか、まだフリなのか、はたまたスカシなのか。
周りの笑いを耳にすると、他の人はそれに呼応するようにして「笑うべきシーンだ」と認識することができ、気兼ねなく笑うことができるようになります。いわば周りの笑いが当人の笑いへの道標になっているといっても過言ではありません。そして特にテレビ番組で「周り」を務めることになるのは、大抵の場合現場に居合わせた観客やガヤ芸人、スタッフなどです。音声として笑いが足される番組があったりするのも、単純に笑いが少ないからというだけではなく、視聴者が笑いやすくなるからです。

この観点から昨年のM-1グランプリを見ると、全体的に思ったより観客ウケが良くなかったような気がしています。特に敗者復活戦は組織票や人気投票を防ぐため、会場内の一般観客が二者択一の投票をしていくスタイル。審査しやすいよう勝者と挑戦者という形式にしてはいますが、やはり責任のかかるポジションである審査員は緊張が拭えないようで、全体的に笑いが起こりにくい、重い会場であるように感じました。審査員の抽選で漏れた人の中で単純に観戦するだけの席を設けても良かったのかもしれませんね (いたのかもしれませんが)。

決勝戦第一ラウンドはなんといっても王者になる令和ロマンが1発目からぶちかましたことで、その後の芸人が「超えてこない」状態になっていたのが印象的でした。ダウンタウン松本さんの審査はネットでも評価を集めていましたが、個人的にもあの審査はかなり民意を反映している公平なものだと感じます。今年からのM-1はいよいよ「トップバッターだから点数が低い」というレッテルが少しは剥がされてくるのではないかと思っています。
その点、最終ラウンドはしっかり笑いが乗っていたように感じます。さや香の「見せ算」ではちょっと笑いが抜けましたが、お笑い好きとしては2021年敗者復活の時の「からあげ」に似ていて、やりたいことやったんだろうなぁという感じでよかったです。


続いてネタのことに軽く触れてみます。

全体としてはみなさん思い思いに自分の好きな漫才をやってらしたなという印象です。もう放送からかなりの時間が経ったので一人一人詳しく語るのはやめておきますが、全体的にひと昔の和牛に代表されるような伏線回収のあるオシャレな漫才は少なく、ストレートに進んでいくという印象でした。唯一オシャレ枠があったとしたらカベポスターくらいでしょうか。

それから各漫才師の好みが垣間見えた大会だったとも感じています。令和ロマンの1ネタ目の「寿司ざんまい」を擦るシーンなんて、公式のYouTubeチャンネルで上がっているネタ内のやり口そのものでしたし、さや香は1ネタ目の「大胆な動き」、2ネタ目の「数字を使ったネタ」と、好みを全開に出しているように見えました。

ハゲネタで真っ直ぐ突き進んだ敗者復活戦からのシシガシラは、ダンビラムーチョとモグライダーの2組が歌ネタで挑むことからあえてネタを変えて臨みましたが、個人的には大ウケだった歌ネタをやってほしかったかな。マユリカも相変わらずキモネタで盛り上げてくれましたが、中盤に登場したキャラクターが後半にも登場したらもう一つ湧いたのかな、と思います。真空ジェシカは気を衒わなさすぎた (?) のが今ひとつハマらず伸び悩みましたが、その中でも大喜利強い芸人ならではの「ワードで決める笑いの取り方」が光っていましたね。(川北さんフットンダ優勝おめでとうございます)

くらげのネタはミルクボーイというより2022年のキュウを彷彿とさせた印象。展開と抑揚を重視するM-1グランプリにおいてはあまり伸びにくいのも頷けます。
フルスロットルでボケまくったのが功を奏し最終2位にまで漕ぎ着けたヤーレンズは、なんと最終ラウンドで披露したネタが2022年の敗者復活戦のネタ。審査員票を3つも集めてしまうくらいですから、敗者復活戦のネタもバカにできません。今年エバースやママタルトあたりが決勝に進んだとしたら、去年の敗者復活戦のネタをやっても大ウケ狙える気がします。


という感じで思い返してみるといい大会だったと思います。詳しく説明できなかったファイナリストの方もいますが、一応名前は出したので許してください。
今年もM-1グランプリが無事に開催されることを願っています。(ほんまに)

おわり。


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