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マネジメント層に知ってほしいうつっぽい社員への対処法

はじめに

ツレとツレがうつになった夫婦の夫、うつ兄さんです。
かれこれ2年ほど、うつと付き合っています。
うつになるまでは、ベンチャーで2年間エンジニアとして普通に働いていました。

現在日本では精神疾患を持つ患者数は増加傾向にあり、2017年の患者調査で約420万人いるとされています。この患者数は、4大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)よりも多い状況です。しかし、何らかの精神疾患ないしメンタルヘルス不調を抱えている潜在的な人数を有病率から試算すると、日本国内だけでも1,386万人にも登ると言われております。
我々は自分たちの経験した辛い「うつ病」に罹る人を一人でも減らしたいと思い、またうつの人の手助けになるように、うつに関する情報発信を行っています。

今回は皆さんに、うつっぽい人が部下にいるマネジメント層の方に知ってもらいたいことをお伝えしようと思います。

出勤しているから大丈夫なわけではない

出勤してても大丈夫じゃない

うつっぽい状態の人は、朝ベッドから出て通勤するのでかなり体力を持っていかれます。
一口に出勤していると言っても、100%元気な状態で出勤しているのか、休むか休まないか迷って出勤しているのか、身体に鞭を打って無理して出勤しているのか、様々です。
出勤している人であっても、いつも比べて様子がおかしい人がいたらフォローに入ってあげましょう。
在宅勤務では本人の顔がわからないので、余計分かりづらいと思います。とくに「最近様子がおかしいな」と思われる人がいたら振り返り面談の頻度をあげるのも大事です。

中々休めない

休んでOK

どれだけしんどくても、納期やタスクの関係で休めないことが多々あります。
短期的に見れば出勤してもらったほうが業務に支障がなくて良いかも知れませんが、その後潰れてしまって半年休職を取ることになるかもしれません。
もし事前にそのことを察知して相手に休むことを提案し、休んでもらっていたら、1週間の療養で回復したかもしれません。
マネジメントをしている側からすると、中々休みを提案するのは難しい部分もあるかも知れませんが、うつっぽい人はとにかく休むことが重要です。
本人と話をし、納得してもらった上で休んでもらうようにしましょう。

ここで重要なのは「納得してもらった上で」というところです。
うつになりやすい人は真面目で責任感が強く、勤勉な人が多いです。
その責任感から「休むと迷惑をかけてしまう」と思って中々休めないのです。
そんな人が納得しないまま休んでしまっても「あぁ今日も休んで迷惑をかけてるな〜」と思い、休みの日にしっかり休むことができません。
「休むことは決して悪いことではない」、「休むことで周りに迷惑をかけることはない」と相手にきちんと伝えて、具体的に仕事の巻取り先もすべて会社側が行い、感情面でも、仕事のタスク面でも納得してもらいましょう。

「大丈夫です」は大丈夫じゃない

大丈夫は大丈夫じゃない

「最近しんどそうにしてるけど大丈夫?」「はい、大丈夫です」
その大丈夫は大丈夫じゃない可能性があります。

①当の本人が自分の状態の悪さを客観的に認識できていない
②状態の悪さを客観的に認識できているが、相手に心配をかけたくない

上記のいずれかに当てはまる場合、大丈夫じゃない状態でも「大丈夫です」と答えてしまいます。

今までできていたことができなくなっている、あからさまにミスが増えた、遅刻や欠勤が目立ってきたなど、今までと様子が違う場合は、うつ予備軍の可能性があります。
本人は辛い日々を送っているので、どうか手を差し伸べてあげてください。

こちらの記事にうつのサインを載せていますので、よければ参考にしてみてください。

休みやすい環境を作る

休憩中

先述した通り、うつになりやすい人は真面目で責任感が強く、勤勉な人が多いです。
その責任感が強すぎるが故に、中々休むことができません。
そして、身体が動かなくなり、取り返しがつかない状態になって初めて休みます。
そうなってしまっては遅いのです。
「この人うつっぽいな」という人がいたら、その人が休みやすい環境を作ってあげてください。
例えば割り振るタスクを軽いものにして、その人が抜けても他の人がフォローできるような体制を作ったり、締切がないタスクをアサインするなどです。
そうして、休みやすい環境を作ってあげた上で、休みを取るようにアドバイスしてあげてください。
恐らくうつっぽい人は、自分ひとりでは休めない状態にあると思います。
そして、その人を療養の道に導けるのはマネジメントをしているあなただけなのです。

環境とは物理的な環境面もそうですし、オフィスや在宅勤務の労働環境の面も含みます。
例えばオフィスに少し休憩できるリクライニングチェアがある、ひと目を気にせず寝れる場所がある、それだけで救われます。
また在宅勤務中も、休みますを言いやすいよう、Slackでちょっと病気かもマークつけるとかでOKとか、カレンダーに「休憩中」といれるだけでOKとするとかそういった工夫もできます。

医療機関に受診することを勧める

もしうつっぽい人の不調が続くようであれば、心療内科や精神科、メンタルクリニックに受診するようアドバイスをしてあげてください。
精神科や心療内科に行くのは、人によっては勇気がいることです。
「病んだ人の仲間入りをしてしまう」と考える人もいるそうです。
「病院に行くことは悪いことじゃない」、「病院に行かないと悪化してしまう可能性がある」この2点を相手に理解してもらいましょう。

そして、具体的なアクションとして、「病院にいきやすくするために、時短勤務もしくは有給消化を積極的にすすめる」、「仕事が忙しくて…といったらタスクを巻き取って病院にいける日を作る」などを行うと良いかもしれません。

最後に

うつ予備軍は世の中に沢山いると言われています。
部下にうつっぽい人がいた場合、最初はどう接したら良いか戸惑うと思いますが、過度に反応せず、暖かく見守ってあげてください。
そして、もし必要そうであれば、そっと背中を押してあげてください。

職場にうつっぽい人がいたときの対処法も書いていますので、併せてご覧いただければと思います。
この記事が誰かの役に立つことを願っています。


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