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【起業家のオフショット】HarvestX株式会社(ハーベストエックス)CEO・市川友貴さん
こちらの東大IPCのnoteでは、現代の若きベンチャー経営者のさまざまな側面と人間的魅力を知っていただくために、「起業家のオフショット」と題して、リラックスした会話の一コマを切り取ってお届けしていくことにしました。
第1回はHarvestX株式会社(ハーベストエックス)CEOの市川友貴さん。
日本の農業を支援するために、イチゴの室内工場や自動収穫ロボットシステム開発を手がける市川さんの横顔を、ある日のポートレート撮影の現場から届けします。
まだ誰も手がけない「イチゴの植物工場」をつくる
―― 今日はイチゴの被り物を持ってきて下さったんですね。
「そうなんです。こういうとき(撮影)のためにいつも研究室に置いてあるんですよ」
―― いい感じです。
「そうそう、なかなかイチゴの粒感というか、丸みをうまく再現してる被り物ってなくって……」
―― どこで買ったんですか。
「Amazonです。やっと見つけたやつなので、予備にいくつか同じものを買ってあります。使ってるとヘタっちゃうので」
―― 市川さんは、どうしてイチゴなんですか。
「もともとロボット工学から農業支援のほうに進んだんです。高校生の頃から農業関連のお仕事を支援させて頂くことが多くて。でも、一番には僕自身がイチゴを好きだからっていうのがあるのかもしれない。
静岡出身なんですけど、静岡ってイチゴの生産がとても盛んなんですよ。石垣イチゴっていう独特の栽培方法(傾斜畑を活かして栽培する農法)があって。それでとてもおいしいイチゴがとれるんです。だから子どものときからイチゴは大好きでした」
―― 静岡の品種だと、章姫や紅ほっぺが有名ですよね。
「そう、そうなんです! あと、やっぱり単価っていう問題がありますね。ロボット工学を活かして農業をやろうって考えたときに、それに見合う単価が得られる作物ってなんだろう、と考えたら、やはりイチゴはいろんな条件を満たしているんですよ。
いま、葉物野菜なんかは例えばセブンイレブンさんがチェーンとして取り組んでいて、野菜工場で栽培してサンドイッチなどに使っています。でもそれは自前で使うところまでやっているからこそ成り立つことなんですよ。販売するとなると、葉物野菜でこれから参入しても収益化できない。
それで日本の食糧生産に役に立って、収益性が向上して、っていうジャンルは何かと考えると、まだ他の人があまり取り組んでいない果菜類の機械化はどうだろうか、と。
イチゴはそのまま食べるだけじゃなくてケーキなどの菓子製造に使われますから、一年中需要があるんです。冬場は1キロあたり1,500円程度の出荷単価が、夏場だと2倍から3倍くらいになる。これなら機械化して工場にしても将来的にはペイするんじゃないかと考えました。」
ミツバチの減少という課題に、ロボット工学で応えたい
―― もともと農業経験があるんですか?
「いえ、直接農業をやっていたっていうわけじゃないんです。もともと高校時代からロボットをやっていて、IoTを使って土の水分量を自動で測ったりする機材の開発していたんですね。そんなふうにして農家さんの支援をやっているうちに、近年ミツバチがうまく育てられないっていう悩みが農業全体にあるということを知って。農薬の問題などがあって世界中でミツバチが減ってしまっています。
ミツバチがいないと受粉がうまくできなくて、作物が育ちませんよね。かといってミツバチを育てるのも大変だし、植物工場の中でミツバチを放すと、せっかく無菌でやっているとことにいろんなものを持ち込んでしまうことになる。じゃあ受粉そのものをロボットを活用してできないか、というのが出発点です。その後、東大IPCの起業支援プログラムである『1stRound(ファーストラウンド)』にも採択されていまに至ります」
写真が趣味。カメラのメカニズム自体が好き
―― ふだんお忙しいと思いますが、何か趣味はありますか?
「えーっと……、カメラが好きです。自分のカメラも持っています。結構、仕事でブツ撮りする必要があるんですよね。なかなかプロの方にお願いする機会もなくて、簡単なものなら自分たちで撮ることが多いので。
エンジニアはみんな好きですよね、カメラっていうモノ自体が。レンズの構造とか見るのが好きです。機械が好きな人はやっぱりカメラ好きなんじゃないかな。旅行にも持っていくし、撮ること自体も好きだけど、でもやっぱり機械としての構造がいいですね」
―― 撮られることも多いんですか?
「ありがたいことに時々取材して頂くことはありますけど。写るのはどうかなぁ、得意ではないです」
―― いやいや、美男子に写っていますよ。
「ありがとうございます(笑)。親にいわれるんですよね。『あのウェブサイトの写真、頭ボサボサだったわよ、これどうなってるのよ』『もっとちゃんとした格好しなよ』って(苦笑)。こっちも特に、いま何やってるよとか報告してないから、向こうは意地になって検索してきて」
―― それは愛情ですよ。
「そうですね(笑)。こうやって好きなことに打ち込めて、ありがたい限りです」
▼ロボット×AIによる農業支援を目指す市川さんの会社・ハーベストエックスはこちらです。
会社名
HarvestX株式会社
設立
2020年8月
代表取締役
市川友貴
本社
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ 355
事業内容
農業機器の開発・販売
▼起業家を支援する東大IPCのプログラム「ファーストラウンド」の詳細はこちらから!
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応募締め切り: 2021年5月31日(月)
年に2回の公募を行なっております。
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