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地方でも鉄緑会の授業が受けられるって知ってた?〜Benesse鉄緑会個別指導センター体験記〜


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初めまして、UTFR1年のやっしです。

私は2020年度入試にて、東京大学理科一類に現役で合格することができました。私の高校から東大合格者が出るのは約10年ぶりです(明確にわかっている先生がいなかったので少し曖昧)。

コロナの影響でキャンパスで授業を受けることができないため、いまだに東大生になった感覚が薄いですが、楽しいオンラインキャンパスライフ(?)を送らさせていただいています。

いきなりですが、鉄緑会を知っていますか。

鉄緑会とは、東京と大阪に校舎を構える、超進学校の人が難関大を目指すめに通う塾のことです。決して危ない組織ではありません。ホームページをみていただければ分かりますが、進学実績は半端じゃないです。特に理三に関しては、毎年合格者の約半数を鉄緑会出身者が占めています。

このように、都会の進学校の生徒を対象に授業を行っているイメージが強い鉄緑会ですが、実は、地方の高校生を対象にしたオンライン授業も行っています。このことを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。このサービスを提供しているのが、記事のタイトルにもあるBenesse鉄緑会個別指導センター(以下では鉄個別と略記)です。鉄個別は、鉄緑会とBenesseによって2010年にスタートした、比較的若い事業です。鉄個別には、校舎に通っている生徒向けの対面個別指導と、校舎に通うのが難しい地方の生徒向けのオンライン個別指導があり、私はオンライン個別指導の方を受けていました。

ネットで鉄緑会個別指導センターと検索してもあまり情報が出てこないので、どのような授業が行われているかはほとんど知られていないと思います。

そこで、この記事では鉄個別を受講して東大に合格した私が、鉄個別について詳しく紹介していきたいと思います。もし受講を検討している人がいれば、参考にしてください。

鉄個別の概要

鉄個別の授業は、完全に一対一のリアルタイムで行います。東進のような録画された授業動画を見るタイプではありません。ビデオ通話によって、講師と生徒が双方向的なコミュニケーションをとりながら授業を行います。
各生徒には受講する科目ごとに担当の講師が決まっていて、毎回同じ講師の授業を受けることになります。講師は東大、医科歯科、千葉医、慶應医、慈恵医の学生に限られているので、講師の学力に関してはまったく心配する必要はないです。また、最初に講師を決める際には、男性・女性や医学部生など、ある程度条件を指定することできるので、自分に合った講師を選ぶことができます。


 授業の頻度はある程度決めることができますが、基本的には各科目週に一回です。それ以上やると、復習や予習が追いつかなくなると思います。

私の受講歴紹介

はじめに、私の鉄個別受講歴を紹介したいと思います(鉄個別の人が読んでたら特定されそう)。

私は高2の8月に鉄個別の存在を知り、9月から数学を週一コマで受講し始めました。そして、ちょうど1年かけてⅠAⅡBの全範囲とⅢの微積と極限を終わらせました。講師からのアドバイス(後述の「鉄個別の最大のメリット」で詳しく紹介)を受けて、3年の9月からは科目を物理に切り替え、1月までに物理の全範囲を終わらせました。最後の1ヶ月間は、物理の過去問を授業内で扱いました。
以上が私の鉄個別の受講歴です。約1年半の間、鉄個別にお世話になりました。

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一回の授業の流れについて

一コマの授業時間は80分です。最初の10分くらいは、世間話や勉強の話などをします。生徒と講師間の信頼関係を構築するためにこの時間は意外と大切です。今後の勉強の方針を決めるときや重要な模試の前後では、この時間は20分くらいまで伸びることもありました。この辺の時間の使い方は講師に任されていると思います。


話が終わったら、授業に入ります。授業で扱う問題は課題として出されているので、授業前日までに解いて、答案を送っておきます。授業の内容は解いた問題の解説が中心になります。ただ単に正解・不正解だけではなく、その問題の中で何が重要なのかをしっかりと解説してくれます。一対一なので、わからないことがあったらすぐに質問することができます。これは個別指導の大きなメリットです。


授業終了時刻になったら、次回の授業までの課題を確認して終わりとなります。基本的には80分ぴったりで終わりますが、最初の話が長引いたときや質問対応などで時間を使ったときは、10分くらい延長してくれることもありました。


課題は、次回の授業で扱う問題の予習と授業の復習です(復習用の問題があります)。はっきり言って、鉄個別で出される課題は相当多いです(特に数学)。私が数学を受講していたときは、毎日2時間くらい課題に取り組んでいました(私は受講を開始するのが遅くて授業のペースが早かった影響もある)。おそらく受講した科目の勉強は、ほとんど鉄個別の内容になると思います。なので、他の塾と掛け持ちをしたり、他の参考書や問題集を同時に進めたりするのは少し難しいと思います。

授業のレベルについて

鉄個別では、東大や京大、医学部などの難関大学を目指している人を対象にしているため、授業のレベルは高いです。鉄個別側では、進研模試で偏差値70以上というのを一つの基準にしていますが、正直、偏差値70は余裕で超えていないと授業についていくのが難しいと思います。私自身、高2の7月の進研模試で総合偏差値80.2を取り、そのころから鉄個別を受講し始めましたが、普通に授業が難しくて心が折れそうでした。

使用教材について

授業で使用する教材は、東京や大阪の校舎で使われているものと同じです。なので、教材の面では対面で授業を受けている人たちとの間に差はありません。

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この教材は、もちろん鉄緑会が作成したものです。鉄緑会が作成した教材は本当に良質です。本当に素晴らしいです。高校3年間で様々な教材を使ってきましたが、鉄緑会の教材に勝るものはありませんでした。当然、人によって好みは別れるので、鉄緑会の教材が合わない人もいるかもしれませんが、私には最適でした。


また、プラスアルファとして鉄個別の講師たちが作成した、鉄個別受講生用の教材もあります。この教材にもかなりお世話になりました。鉄緑会が鉄個別の人もしっかり気にかけてくれている感じがして嬉しかったですね。
それなりに長く受講していると、教材の量がかなり多くなってきます。本棚のスペースは十分に確保しておきましょう。

通常授業以外の授業について

鉄個別では、通常の授業とは別に夏季講座や直前期の添削指導なども用意されています。この類の講座は通常授業とは違い、録画されたものを見るタイプになります。
私は、英語の夏季講座と直前の添削指導を受けました。夏季講座では、鉄緑会が作成した東大英語の戦略についてまとまった教材を使って、各設問ごとの解き方について勉強します。私はそれまで、東大型の英語の問題をほとんど解いたことがなかったので、非常に役に立ちました。また例の如く、教材の質が本当に高いです。直前の添削指導は、東大の過去問を使用します。鉄緑会の添削は厳しいので、厳しい採点基準でも通用する記述力を身に付けられます。この二つは、非常に良かったので鉄個別を受講している人は取ることをおすすめします。

講師の質について

私は長期的に授業を受けた講師が2人、単発で授業を受けた講師が3人います。5人の講師の授業を受けてのみの感想ではありますが、鉄個別の講師は学生バイトとは思えないほど質が高いです。

ここで言う質の高さとは、主に責任感や熱意の高さのことです(学力の高さについては言うまでもないでしょう)。ここでは、私が責任感と熱意の高さを感じた点を3つ紹介したいと思います。


一つ目は、講師が遅刻したことが一度もなかったということです。バイトに遅刻しないのは当たり前のことかもしれませんが、何十回も授業を受けて一回も遅れないというのは、地味にすごいことだと思いました。


二つ目は、授業の準備がきちんとしてあったということです。講師は授業前に私の答案を全てチェックして、どのような解説をするかを考えてくれていたと思います(そうじゃなかったら、あんなにスムーズに進められないはず)。時には送る答案の枚数が10枚を超えることもありましたが、そのときも何の問題もなく授業をしてくれました。おそらく、かなり時間をかけて準備をしてくれていたと思います。


三つ目は、担当科目以外にも様々なアドバイスをしてくれたということです。高3のときの担当講師には、担当科目以外の科目に勉強法ついてはもちろん、試験内での時間の使い方や私立併願校の選び方まで様々なアドバイスをしてもらいました。ただのバイトだと思ってやっているのならば、ここまで熱心に指導してくれることはないでしょう。
 


鉄個別の最大のメリット

私が考える鉄個別を受講することの最大のメリットは、現役の東大生に専属トレーナーのように受験勉強の指導をしてもらえることだと思います。


他の受講者はどうだったかはわかりませんが、私は、模試の結果や学校の授業進度、その週の勉強内容などを全て講師に報告していました。言い換えれば、自分の勉強に関する情報は全て共有していました。普通、他人にここまで情報を伝えることはないと思います。しかし、完全に自分の状態を知ってもらうことで、自分に適した最高のアドバイスをしてもらうことができます。まさに、アスリートの専属トレーナーといった感じです。


せっかくなので、今まで受けたアドバイスの中で最も効果があったものを紹介したいと思います。私は3年の夏まで、物理を得意科目だと思い込んでいました。しかし、夏模試の直前に東大型の問題を解いてみると、まったくできないということに気づきました。確か、夏模試の物理は15点くらいでした。このことに危機感を持った講師は、受講していた科目を数学から物理に変更することを勧めてきました。私もこのままではいけないと思ったので、物理の受講を始めました。いざ物理の受講を始めると、物凄い勢いで物理の成績が上がっていきました。冬頃には、物理が真の得意科目になっていて、本番の試験での得点率も圧倒的に物理が一番でした。あの時に、物理に変更するように勧めてくれなかったらここまで成績は上がらなかったと思います。


このように、東大生に専属で指導してもらえることが鉄個別の最大のメリットだと思います。

総評

私にとって鉄個別は受験になくてはならない存在でした。もし、鉄個別を受講してなかったら、現役で合格できるほどの学力を身に付けることはできなかったと思います。課題の多さには苦しめられてばかりでしたが、鉄個別を受講して心の底から良かったと思います。

最後に


 最後までご覧いただきありがとうございました。鉄個別の情報をまとめた記事はこれが初めてなのではないでしょうか。受講を考えている人の参考になれば幸いです。

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