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【俳句エッセイ】白南風(しろはえ)と黒南風(くろはえ)~風の心地よさがちがう~

 朝は、雨が残りましたが、お昼には良いお天気となりました。夏日となったので、いっきに熱中症対策が必要になってきましたね。晴れた日の風は、湿っぽさが軽やかに感じたでしょうか。

 夏の季語に、白南風(しろはえ)と黒南風(くろはえ)があります。

 白南風(しろはえ)は、梅雨明けや梅雨の晴れ間に吹く南風です。初夏に吹くような軽やかさ、秋に吹く落ち着いた涼しさではありませんが、湿気を含んだ空気が、やや軽やかに感じるかもしれません。

 夏を満喫したくなるような、夏のドライブを思い出すような、心も身体も動きたくなるような心地になるかもしれませんね。

 特に、梅雨の長雨を経験した後では、すっきりとした夏の爽快感を味わうこともあるでしょう。暑くはあるものの、真っ青な空や白い入道雲を見ているとうれしくなります。身体にのしかかるような、湿度から解放される喜びも沸き起こってくるかもしれません。

 それに対して、黒南風(くろはえ)は、梅雨時に吹く湿った南風です。暗く陰鬱さが漂うとまで書かれているので、うっとうしさが伝わってくる季語です。夏とくらべて、暗い気持ちになる方もいるかもしれませんね。

 重たい分厚い雲を運んでくる風は、どんよりと重く、私たちの身体にものしかかってきます。

 うれしいわけではありません。心地よさを感じられず、もういい加減にしてくれと思うときもあります。

 じめじめ、しとしと。カビが心配になる時期ですが、こく暗く重たい空気も日本にとっては大切な気候です。

 黒南風(くろはえ)が、白南風(しろはえ)に変わるとき、健やかな気分になれますね。

 今は、まだ梅雨のさなかです。梅雨の長雨というよりは、大荒れの天気を繰り返していますが、黒南風(くろはえ)の力はまだまだ強いんでしょうね。

 湿っぽい風が吹くときは、気分が明るくなるような、ほっと落ち着くような習慣を取り入れたいですね。

 どうぞ、良い休日をお過ごしください。


 

 

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