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屋久島からの手紙

親愛なる 未来の私へ。

今、私は屋久島にいます。11日間の滞在です。文章が(いつも以上に)うまく綴れないほどに頭が働かない。言葉になるまえに次から次へと五感が動きます。言葉が五感に追いつかない。

屋久島に着いた翌日は縄文杉に行きました。ガイドなしで行きました。初めてのトレッキング。不安もありました。でも、喜びとワクワクの、勝ち。

往復11時間程の道のりです。予習はしていたけれどやはり行きは遊び倒し完全に時間配分を間違えてしまいました。往路7時間復路4時間弱で歩きました。最終バスに間に合わないと焦り 復路は自分でも驚くほどの猛スピード!普段スーパーのんびり歩きなので旦那さん驚愕。そして、私も。

「この力はどこから?」

開けようとしないから
知らなかっただけ
初めから ずっと 自由

勢いをつけるために下山のときのみ流していた音楽。片耳だけ着けていたイヤフォンから流れてきた歌詞におもわず視界がぼやけそうになった。

心臓弁の手術から10年。
身体障がい者として
難病患者として生きること、10年。

これが、長いのか、短いのか、正直わからない。誤解を恐れずに言えば苦しみは病いの前から存在していたから。目に見えるような痛みとなったのが10年という月日だったと、そんな気もする。

這ってでも生きる

そう決めた 24歳。

生きていなければ
みれないものがある

歯を食いしばりながら
リハビリも兼ねて
体調不良以外は
一日も欠かさずに
歩き続けた

そのときから

「いつか屋久島へ
いつか縄文杉へ
自分の 足で」

そうおもっていて

生きている間に
やりたいことリストに
力強く書き留めた

病室の、ベッドで。

いま 目の前にある 景色は
いま 感じる すべてのことは

私が、守ったのだ

わたしが生きることを諦めなかったから
わたしが生きることを選択し続けてきたから

そしてもちろん
沢山の優しい手に守られて...

わたしは いま ここにいる


霧の向こうの縄文杉を眺めながら不思議な気持ちになりました。まだまだ言葉の追いつかない場所にいます。感情を熟成させた先に見つかる言葉を楽しみに過ごします。

さて、未来の私はこれを読んで何を想いますか?過去の私は、あなたの明日で待っています。


2022.05.15


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