青のフラッグという漫画を読んでみた話。
フォロワーさんに勧められて読んでみた青のフラッグ。
最初はただの恋愛漫画に少し色がついただけだろうと安易な気持ちで読んでいた。
けれど、内容が深いとか、
キャラの気持ちに共感出来るとかではなく、
まるで横から鈍器で殴られたみたいに
痛さと心地良さを感じる漫画だった。
これは、全国の若い子に
是非オススメしたい漫画である。
いや、おすすめすべき漫画だ。
今まで男女の恋愛漫画とも違う、
恋愛対象者が自分と同じ性別の人だって出てくる、
新しい時代の、
新しい価値観をアップデートされたような漫画であり、
そして、恋愛漫画という立場を利用した
人間物語である。
読見始めの頃は、主人公を中心に広がる、
いわゆる思春期の子達が自分という個に悩み、
恋愛や友情関係に悩むその共感性こそが
この漫画の深さかと思っていた。
でも違う。
その悩み1つ1つに論理的正論を
投げつけてくるのがこの漫画だった。
自分という個のエゴを。
知恵という武器で
自分を護り、人を傷つけている事を。
親切心という名の武器を。
要はこの漫画に安易な
正解や正義なる思考などは
存在はしていなく、ただ、ただ、
キャラの主義主張全てが
何処かで皆間違えていたりしている。
何故なら基本人間は
自分と相手でしかないから。
そんな事を淡々と訴えてくる。
こんな漫画、痛くないわけが無い。
思えば、恋愛も人間関係も、
この漫画は感情の先にある
根本的で理屈的な問題を
視覚化して描いているだけであって
私たちはいくつもの情報を遮断し、
見なかったふりしてきただけではないのだろうか。
お互いが男女であること、性別がある事
性的対象者がいる事
友達の在り方
そんなものの正解なんて誰も知ろうともせず
固定概念や自分の知っている「知恵」を頼りに判断し、他の情報は遮断して関わっているのだ。
逆をいえば、この青のフラッグという作品は
感情論で物語を片付けない。
ほんの少しのロジカルさと論理的な思考で
物語を展開していく。
根性論なんてものは振りかざそうとはしないし
思春期の子達の悩みに形を付けてくれる。
まるで教科書の回答みたいな、
本当は誰か大人が教えてくれれば
こんなに窮屈に生きなくても済んだのではないかと思えるような、
痛いけど、この悩みに、感情に、自分の意思に
言葉という作者の知恵で形を付けられる気持ちよさと、優しさと痛さに
安心するのだ。
生きることは
そんな簡単な話じゃない
人間を語るのにも、人の価値観にも
だから、多分この漫画に正義はない。
だが、少なくとも私はこの漫画を読んで
自分が自分でいること
性別なんてものが嫌いなことを
肯定された気がした。
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