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彼女の奇妙な愛情

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誰からも愛され、誰をも愛する少女と、プラスにもマイナスにも振り切れない『普通』の少年が出会うお話。(2012年くらいに書いた小説の投稿)
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#オリジナル短編小説

彼女の奇妙な愛情 #3

彼女の奇妙な愛情 #3

まとめ読みマガジン:

3.姉上の尖った牙城

 帰宅して。

 姉の部屋を訪ねた。

 僕には二つほど歳の離れた姉上がいる。仲は悪くない。かといって特別に良いわけでもなし。

 つまりは、普通ってこと。

 姉上は僕とは違い、聡明で、けれど変な拘りを持つひとだった。小難しいことを考えていると言うか、変なことばかり言うというか。

 たとえば、と例を挙げようとすれば難しい。具体的なエピソードを挙げ

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彼女の奇妙な愛情 #4

彼女の奇妙な愛情 #4

まとめ読みマガジン:

4.彼女の症状

 翌日、学校には暗い気持ちのまま登校した。

 暗いというよりも、もやもやしている。頭の中を靄が覆っているような、そんな感覚。

 結局、昨夜は眠りがとても浅かった。特に何か夢を見たという記憶はないが、何度も何度も途中で覚醒しては、無理やり眠ろうとしたことで、変に体力を消費してしまった。

 欠伸が何度も出る。目尻に塩水が溜まる。

 相変わらずもやりとし

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彼女の奇妙な愛情 #6(終)

彼女の奇妙な愛情 #6(終)

まとめ読みマガジン:

6.彼女の奇妙な愛情

 僕は自分のことが嫌いだ。

 気付けば自分のことを嫌っていた。

 自分のことが嫌いだからこそ、誰にも好かれるはずがないと信じている。

 普通であることが大嫌いだ。

 でも脱却する為の努力をしていない。

 ずっと座り込んで、他人を羨んでるだけだ。

 他人のことを、下から見上げて、見下している。それだけの醜い人間だ。

 僕は普通だけど、その

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