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兎がほざく

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ショート•エッセイ、140字以内。毎日投稿、どこまで続く?
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#写真

兎がほざく944

兎がほざく944

写真という芸術は奥の深いものがあります。

現実のどこをいつどのように画面として切り取るか、その勝負です。

心の動く一瞬をとらえるのです。

まるで生き餌を捕獲する猛禽のようです。

写真と俳句とは似ていると思います。
写真と絵画よりもずっと近い気がします。

兎がほざく895

兎がほざく895

子どもの頃、人のいない写真をよく撮っていました。

おもちゃの自動車をデコラの机に置いて接写したり、行楽でも家族が写らないようにして景色を撮ったり。

今なら肖像権があるので人を撮らなくても不思議に思われないでしょう。

人物の写真を眺めるとなぜかさびしかったのです。

兎がほざく781

兎がほざく781

眼の前のこの瞬間に対して額縁を与えれば芸術になるだろうか?

写真を芸術にした人はそう思ってやってみたのでしょう。

詩や絵画の作品は現実や夢に額縁を与える試みでもあります。

そして作者は額縁を与えることで自分を現実や夢の渦潮から救い出しているのです。