台風6号の影響で大雨・堤防決壊 観測史上最も大きな被害 ロシア・ウスリースク
ロシア沿海地方ウスリースク市では7月の降雨、そして、台風6号が発生して以降、約2週間ほど毎日連続して雨が降り、川の水位が上昇。更に台風が日本海を抜けて朝鮮半島に上陸した頃から更に雨量が増し、ついに川の水位は堤防の高さ(10m)を2m超えた。
ウスリースクでは2015年の台風接近時にも同様の大規模な水害が発生している。昔から夏に川の水位が上昇して水害が発生することがあった。だが、ここ近年、その頻度と規模が大きくなってきている。原因は・・・
ウスリースクに洪水被害をもたらしている川の上流は、『赤に黄色いポツポツがついている旗』の国である。台風の影響で雨量が増加し、川やダムの水位が著しく上昇するそのタイミングで、まさにピーク時に一気に放水するものだから(放水は安全のために当然なのだが)、その水がウスリースクへと一気に押し寄せて来る。これではいくら堤防を高くしても耐えきれない。(加えてコンクリートで補強するのが間に合わず、土で作った堤防だから、崩れるのは至極当然)
その結果、2023年8月11日の夜から12日にかけてウスリースクを襲った堤防決壊による水害は、1931年に観測を開始して以来、最大規模の被害をもたらした。
注:在ウラジオストク日本国総領事館からウスリースクに住む在留邦人への安否確認の電話もメールも一切無い。今回の災害で2人死亡、約1,500人が避難し、家財の多くを失うほど深刻であるにもかかわらず。
(2018年ごろまではウスリースクで大きな水害が発生するたびに領事館からの安否確認の電話やメールがあった。)