投資の基礎体力!社債編②
みなさん、こんにちは!
アメリカ株式義塾です。「米国株式投資で必須の武器!SEC開示分析講座」-社債編- の第2回です。
増資やオファリングなど株式発行による資金調達が難しい場合に、社債の発行が行われることがあります。その社債にもいくつかの種類があるため、前回は一般社債に該当する、
無保証社債
保証社債
担保付社債
について学びました。今回は一般社債よりも株価に直接的な影響を与える可能性が高いその他の特殊社債、つまり以下の社債について詳しく見ていきましょう。
一般社債よりは内容が少し難しいかもしれませんが、それを分かりやすく説明するのが私たちアメリカ株式義塾の使命です!
どうぞ信じてついてきてくださいね^^
転換社債(Convertible bond, CB)
Convertibleは「転換可能な」という意味です。
転換社債は略してCBと言います。Convertibleは「転換可能な」という意味で、Bondは債券または社債という意味ですから、転換社債は(当然ですが)転換可能な社債と直訳できます。そこで当然このようなことを疑問に思われるでしょう。
その疑問に答える前に、一度コウモリの話を挟みます。
コウモリについてどれくらい知っていますか?
コウモリは鳥のような姿をしていますが、鳥類ではなく哺乳類です。子を産む哺乳類の特徴と飛び回る鳥類の特徴の両方を持っています。
転換社債(CB)はまさにこれと同じです。もともとは社債(債券)ですが、いつでも株式に転換することができる社債です。
ちょっと難しいでしょうか?
例を挙げてみましょう。
(株)アメリカ株式義塾が今晩の食事代がなくて困ってしまったため( ;∀;)、満期5年の社債を発行するとします。条件は総額1万円で年利5%です。計算を簡単にするために単利と仮定すると、一般社債の場合はどうなるでしょうか?
一般社債ならこのような感じになります。計算も簡単ですね。
前回の復習ですが、一般社債にもいくつか種類があり、担保付社債の場合は、(株)アメリカ株式義塾が持っている1万円相当の価値がある物を担保として社債を購入し、無担保社債は何の保証もなしに購入し、保証社債は(株)アメリカ株式義塾の特別関係者を保証人として立てて購入するものです。
ところで、(株)アメリカ株式義塾は少し面白い方法で社債を発行することにしたようです。それは転換社債です。条件は同じく総額1万円で年利5%、満期5年です。しかし、もう一つ条件が追加されます。
つまり、1万円の転換社債を債権者がいつでも希望する時に1万円÷500円=20株に交換できるということです。
しかし、(株)アメリカ株式義塾の現在の株価は200円です。今交換してしまうと、債権者は1万円の元本の代わりに4,000円しか受け取れないことになります。お金が消滅…!?
頭のいい債権者なら当然、こうするのが正解ですよね。
こうして(株)アメリカ株式義塾は転換社債を発行して、晩ご飯代の1万円を借りられました。そして、7,000円で焼肉を食べて、残りの3,000円で宝くじを10枚買ったところ、なんと!1等に当たりました。(株)アメリカ株式義塾の当期純利益は約10万倍に増え、株価も急騰して3,000円になりました!
なんだか私の夢物語を書いているようですが、お気になさらず。
とにかく、債権者は朝起きて(株)アメリカ株式義塾の株価が3,000円になっているのを見て驚きました。債権者は誰よりも早く駆けつけて転換社債を(株)アメリカ株式義塾に返却し、株式への転換を要求します。
これでもう転換社債の仕組みはお分かりでしょうか?
もし(株)アメリカ株式義塾の株価がずっと低迷しており、株価が500円以下なのであれば、つまり株式に転換しても利益が得られなければ、債権者はそのまま社債の形で満期まで持っていればいいのです。途中で株価が500円を超えたら、様子を見ながら転換すればさらに利益を得ることができます。
好きなときに株式に転換して利益を得られるなんて、とても有利な条件ですが、会社はなぜこのような転換社債を発行するのでしょうか?
まず、よく売れるからです。この理由がほとんどを占めています。前回、あまり信用がない企業の一般社債は利率が高くてもあまり売れないことをお話しました。いつ倒産するか分からないのに、何を信じて買うのでしょうか?社債を発行しても、それを誰かが買ってくれなければお金を調達できません。つまり、売れなければ全く意味がないのです。そこで、信用格付けや業績、市場での認知度が中途半端な企業は、こうした転換社債を発行して投資家を惹きつけます。
そして、転換社債の発行は、企業にとっても、社債発行に伴い設定しなければならない利率を下げて、負担を減らすことができるメリットがあります。
なぜ利率を低く設定できるのでしょうか?
通常、転換社債は、このように定められた価格で途中で株式に転換できるというメリットがあるため、基本利率が低く設定されるのです。
このようにすると、社債の基本利率自体が低くなるので、会社は、定められた期間ごとに債権者に支払う利子を節約できるのです。お互いにウィンウィンの関係です。もちろん、後で会社が大成功してもっと高い価値の株式を渡さなければならなくなったらちょっと悔しいかもしれませんが。
つまり、会社が転換社債を発行する理由は、投資家をもっと簡単に引きつけ、より低い利率でお金を借りるためです。
ここまで理解できれば、転換社債についてはすべて理解したことになります。
次にワラント債(新株引受権付社債)に移りましょう。
実は、転換社債とワラント債は原理自体はかなり似ています。ただし、細かい違いがあります。
どんなどんな違いがあるのでしょうか?
ワラント債、新株引受権付社債 (Bond with warrant, BW)
ワラント債、新株予約権付社債(BW)とは、社債を売却しなくても、追加の資金を支払うことで株式を取得できる権利が付随している社債のことです。
また夕食を食べられずに飢えている可哀そうな(株)アメリカ株式義塾に戻ってみましょう。夕食を食べ、残った現金および現金等価物で宝くじを買って1等になったものの全部使ってしまったようです。(株)アメリカ株式義塾は、翌日の夕食代を解決するためにワラント債を発行することにしました。やはり満期は5年、総額1万円、年利5%です。
しかし!!!何かが違います。
他社株転換可能債(Exchangeable bond, EB)
他社株転換可能債は基本的には通常の転換社債と同じです。ただし、大きな違いが一つあります…。
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