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所詮デニム、されどデニム

まずは、お久しぶりです。

かれこれ2ヶ月、最悪な更新度。
ほんとすみません、この2ヶ月間の自分に喝を入れてください。

中々noteの更新が出来ず、申し訳ないです。


僭越ながら言い訳をさせていただくと
PETROSOLAUMの製作動画を編集したり、別注案件。
プライベートでもバタバタと。

全てのことが重なってしまい、身動きが取れない。
それを言う自分が一番ダサいですが、、、。



まあ、個人的な内情のお話をしたところでnoteを更新していなかったことは
何一つ変わらないということで本題に差し掛かります。



6月を迎え、梅雨入りをした今。


洋服屋としては、正直なところ
春夏の終盤戦で今回ご提案する全てのアイテムを曝け出した状態。

個人的に仲が良いお客様に至っては、
一見したことがあるものが多い店内なのも事実。

しかし、マイナスな雰囲気が漂いますが絶対的な良いことがある。


それは、
今季、私たちがやりたいスタイルを全面的に押し出せる環境が揃っている。


私としては常にこの状態で新規の方も既存の方もご案内できたらなと
ふと思うんですが

それが難しいのがファッション業界。


その理想の店内をお見せできるのが


そう。


6月以降の梅雨時期。



その店内の軸を通して
お店の方向性とは、別の個人的に提案したかったスタイル。



しかし、今回ご提案するのは今までの店内では存在していなかった
いい意味でウチっぽくないピース。




それが



「インディゴデニム」


しかも


「細身ストレートシルエット」





それではまずこちらを。















< SSSTEIN >

" VINTAGE REPRODUCTION DENIM JEANS "
color : INDIGO , BLACK
size : S , M
price : ¥41,800 taxin-




Unlimited-lounge-とは長い付き合いのあるブランド。


だが、中々当店では見たことがない

「細身ストレート」

というシルエット。




では今なぜここに辿り着いたのか


それは今まさに、自分が追い求める像が

「緊張感と緩和」



クラシックの中にリラックスが共存するスタイル

デニムというカジュアルな雰囲気に対して

細身ストレートという普遍的かつ、固さもあるようなシルエット。


だがしかし、定番の形だからこそ普遍的すぎる。
悪く言えば普通。


デニムという履き慣れた見慣れたもの。


だからこそ欲しい。
これだという魅力的な部分が。

ここに上手くアプローチを詰め込んだ。
それがこの逸品。


展示会で実物を拝見したとき、
いい意味で。

「ぽくない、、、」

そんな言葉が漏れてしまった。


steinの展示会自体、初めてのことで
洋服の見方が、ウール生地の固さのあるものに
目がいっていた。


だが、その中で急にまた別のオーラを発するものが



それが今回のデニム。




今回ご紹介する
VINTAGE REPRODUCTION DENIMは以前からあるシリーズ。
1960s Levi's 501XX の糸使いや生地の空気感をベースに作成されたもの。


このシリーズ自体は、目にしたことがあるのでは。


しかし、今回の完成度の高さは、


ヤバい。


目にした瞬間、履いた瞬間、感動が止まらない。







まずは、生地。

デニムは、元は炭鉱や金鉱での作業に対して使用されていた洋服。

だからこそ第一に求められたものは

「耐久性」


だからこそ、固い生地。
そんなイメージがある。


しかし、真実は

「思った以上に柔らかい。」


なぜなら

「旧式シャトル織機で製作されていたから」


急に登場した織機。
あまり認知も少ないかと思うのでそちらの話を。


現在の織機は”革新織機”が主流です。
なぜそうなっているのかというと
大きな違いには生産効率が。

革新織機では、高速回転で生地を織っていく。
シャトルと比べると、なんと3倍以上の早さ。

だがそれゆえに、糸を強く張る必要があり
自ずと生地が固くハリのある雰囲気に。

この背景から、旧式シャトル織機は数がかなり限られている。


しかし、今回のデニム生地は旧式シャトル織機での生地。
Levi's のヴィンテージ等がお好きな方であればご存知かと思いますが



80s以前までは全ての生地が大抵シャトル織機。


そしてそれが目に見えて明確になるディテールが






「セルヴィッチ」


旧式シャトル織機で織り上げられ
生地に端にほつれ止めが施されているデニム生地のこと。


デニムの購買するときにかなり目にするのが
通称赤耳と呼ばれるディテール。

このディテールが入ることでシャトル織機で
織られたデニムという確定演出となる。


口酸っぱく赤耳赤耳というデニム好きの方々が言う理由も
これで認識できたのでは?


赤耳=レア
旧式シャトルの現存の少なさから生まれるその価値観も一つだが

私はあくまでも生地感と言うことに拘る。


生地の柔らかさは、履き心地はもちろんのこと
シルエット、表情、色落ち、ドレープ感

デニムの中で第一に考えやすい項目の全てに
密接に関係してくる。

ここは絶対に外せない。





セルヴィッチということは大前提として
今回のVINTAGE REPRODUCTION DENIM JEANS
絶対的な過去シーズンにない点は


「ヒゲ」


しっかりと履き込まれたデニムに現れる通称ヒゲと呼ばれるアタリ。

アタリとは、簡単に言えば擦れた後のことを指し
デニムに立体感を持たせてくれる。


この"ヒゲ"によりデニム自体に表情感
私がよく表現で使う「ムード」を出してくれる。


これがあるかないかでは、見え感が大きく変わる。


それをここまでの再現率。

あたかも長年履いていたかのようなアタリは
時間から生まれる美しさの概念を崩す。


この話を出すと、一から育てる方が良いのでは?
そう思う方もいるはず。



その良さを重々承知の上で回答をさせていただくと



「他の洋服を愛することができる」



ここまでの色落ちを理想としてスタイリングに溶け込ませると
年中履いて生活し、育てあげないとそのゴールテープは
通常の濃紺デニムからだと果てしなく遠い。


そして、もしここまで色落ちが成功したとしても
人生の中でこの色落ち後のデニムを堪能できる時間も
かなり少なくなる。

さらに、毎日履きこむことによって生まれるアタリだからこそ
他の洋服でファッションを楽しむことが困難になる。



そしてその上でもう一つの解を提示するのであれば


ブランド側が提案する色落ちインディゴデニム。
それは果たして真っ白?


いやまだ色残りがある。


そのブランドの提案する世界に
自分自身ならではの時間から生まれる美しさ

”アタリ”を上から刻み込むことによって
また新しい、美しさが表現できる。


加工でのアタリ表現だからこそ
自分が着ることによって生まれる擦れは、存在していない。


自分一人で生む美しさだけでなく
他者を介して、生まれる美しさがこれにはある。



それらを感じるからこそ
私自身も色落ち後のデニムは嫌いじゃない。




いや、逆に好みだ。





そして最後に

「隠しリベット」


1800年代、ジーンズは炭鉱夫や農夫など重労働者に好まれ履かれていましたが
その際、破れなどを防ぐために開発された工夫が「リベット(rivet)」

所謂、「鋲」です。



そこで、「隠しリベット」とはなんぞや


となると思いますが、こちらをご覧ください。






初期から存在する「リベット」は
”打ち抜きタイプ”と呼ばれる突起物がついたリベット。


当時のリベットは飛び出た部分をペンチで切って処理していたため
先が尖っており、上着や椅子の座面を痛めてしまったり
カウボーイが馬の鞍を傷つけてしまったりとデメリットがありました。


そこで開発されたのが「隠しリベット」




ポケットの角の部分に施されるリベットですが
この写真のように表面からは見えないディテール。


デザイナーズブランドでここまでの造り込みは正直なかなかない。


かつ、ポケットの角はリベットのせいもあってアタリが強く出るが
そこまでの拘り。






これらの拘りを全て詰め込んだものがこちら。


そりゃあ、確実に良いに決まっている。


さらにこれでもか!というくらい良いのが、、、


「シルエット」



そして



「合わせやすさ




モードな静けさのある物作りが光るブランド。
そこが作るからこそのファッションスタイルの振り幅の広さは計り知れない。



デニム=アメカジ

と呼ばれるほど、カジュアルな印象の強いデニムですが
今回のはただのデニムではない。


シャトル生地が生む柔らかさ、
そこにsssteinが繰り出すドレスライクなパターン設計。


これらが織りなす、デニムのトータルバランスは
デニムを愛する人でも、今まで苦手意識がある方でも




確実に唸るはず。




ざっと、アイテムの説明をしたところで

「私がスタイルを組むならこうする24spring summer style」

をご覧ください。










60番手の高密度ブルブルリネン。
リネンならではの光沢のあるブラックにインディゴのフェード感。

差し色にアイウェアのゴールドを添えて、野暮な雰囲気にならないように。









天日干しコットンリネンストライプ半袖シャツジャケット。
濃紺にインディゴデニムを組み合わせた
フレンチアンティークオマージュスタイル。

センタージップブーツを合わせ、シルエットを最大限に活かし
ジップによりメリハリのある雰囲気に。









ざっくりとしたハンドクラフト感のあるニットにデニム。
今の盛夏というよりこれからの季節に魅せたいスタイル。

ニットに限らず、織目が分かる素材感にデニムの素材の併せが
個人的にツボなのですが

繊維自体が上質でなければ、必然とカジュアルなムードになる。

そこでホワイトカシミヤ混を。




ざっとこんなイメージ。


合わせの広さがあるからテーラードジャケットやコート、
ドレスな雰囲気に合わせるのも良い。







そして、インディゴのフェード感はさらに夏の陽気にも最高だ。


フランス綾のグランパシャツにこのくらいの色落ちデニムは
夏の休日によくやる。






いい意味でウチっぽくないこの一本。

新鮮な刺激的なアイテムと解釈するのもよし
スタンダードだからこそ良い一本を探している方にも
楽なパンツをお探しの人にも勧めれる


至高のデニム。








そしてインディゴだけではなく
近年評価の高い、フェードブラック。


茄子紺なんかと合わせたい。






私は181cm 70kgでサイズM。




是非。




UNLIMITED 牛丸


















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