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短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体」 - 7 鳥人間への進化に許された時間

6 遂に登場した鳥人間トト の続き。

「中には。この鳥の頭は宇宙服のヘルメットであるという説があることは私も存じています。その方が、アヌンナキは宇宙人だからと言う説の裏付けになる訳なので。
ところが壁画の中には、同じような羽根を持つが、鳥ではなく、人の頭をした人物も描かれていることは知っているかな?」

ハンコックはすかさずキーボードを走らせた。
「仮に、この鳥人間が本当に宇宙人だったとしよう。当時の地球が適切な酸素濃度ではなかったといったような理由でヘルメットを付けていなければならないならば。
同じ背格好で、人間の顔をした人物が、ヘルメットをつけていないことは矛盾することになってしまう。
人の頭をした羽根付きの人物は、トトとは別の星からきた宇宙人だから大丈夫だったとか?(笑)
私個人としては、ヘルメット説は少々強引な気もしなくはない。

アヌンナキの神話にはキメラを醸成し、クローンしたという伝説も残っていて。
その元となったDNAは鳥のものだったのかもしれません。キメラとして生み出された鳥人間と、同じ4枚で構成された羽根を持った人の顔を持つ人物。
これはこれでロマンがある。

アヌンナキの伝説にあえて乗っかるならば。我々人類がロボットに工場での作業をさせるように。彼らが金を掘るために、恐竜のDNAからレプティリアンを作り。
伝説では、今の人類の原型となる人間も作ったとされている。
もしかしたら考古学というより都市伝説としての方が有名な話かもしれないが(笑)

仮にそれも肯定したとした場合。鳥のDNAをもとに作った鳥人間がいてもおかしくはない。
その他の伝説には頭に角の生えた牛の頭をした人物も登場してくるぐらいですから。鳥人間もバリエーションとしては、なしではないはず。

もしくはアヌンナキか、相対していた別の宇宙人がトトそのものだったか。」

シュンは段々と頭がポワ〜っとしながらも思った。
本当に、恐竜から鳥への進化(または退化?)の道筋は、今の自分たちの認識のままで合っていると言えるのだろうか。

もしかしたら、恐竜以降、ハンコックの言うとおり、現在の鳥への分岐と、
鳥人間とに進化したということはありえないのだろうか。
サルからサルのままきている種と、類人猿→人類に進化した分岐があったように。

シュンは、ハンコックが書いているホワイトボードを見てハッとした。
恐竜から鳥、鳥から人間への分岐の可能性に許された時間は、人間がサルから進化したとされる時間と比べると、
圧倒的に膨大な時間を与えられていることに気がついた。

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過去     分岐点   現在 

■サル目の祖 ー→ サル ーー→ サル
            ーー→ 人間
(約300万年前〜現代)

■恐竜 ーー→ 鳥 ーー→ 鳥
        ーー→ 鳥人間(トト)

(約2億年前〜約1万5000年頃の時代(実は現代も?))
ーーーーーーーーーーーーーーー

(続く)

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