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猫と暮らすことになった言い訳

前の記事で実家猫の他に「今の家で猫を飼うのは責任がもてない」とつらつら書いていたのに、2022年の年明けから猫2匹が家族に加わりました。

正直、前の記事を書いている時、すでにかなり気持ちがぐらついていて、踏みとどまるために書いたようなところがあります。

一緒に暮らすことになった2匹は、保護猫ボランティアで預かった初めての2匹で、きょうだい猫です。今の名前はトラとリリー。キジトラのトラとさび猫のリリー。名前は寅年に来たからそのままトラにしたのとリリーは谷崎潤一郎の『猫と庄造と二人のおんな』に出てくるリリーと似ていたのでリリーとしました。

イギリス人はこういう毛並みの猫のことを鼈甲猫と言うそうであるが、茶色の全身に鮮明な黒の斑点が行きわたって、つやつやと光っているところは、成るほど研いだ鼈甲の表面に似ている。 <略> リリーの顔は丈が短かく詰まっていて、ちょうど蛤を逆さまにした形の、カッキリとした輪郭の中に、すぐれて大きな美しい金眼と、神経質にヒクヒク蠢く鼻がついていた。

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前の日記は預かり期間が終わって、保護猫カフェに移った後に書いているので、今読むとかなり未練がましい内容だな、と恥ずかしくなります。

実家猫への後ろめたさは前に書きましたが、2匹を迎えるのを踏みとどまったのにはもう一つ理由があって、それが

「こんなに人懐っこくてカワイイ2匹だから保護猫カフェに行けばすぐに貰い手が見つかるにきまってる! なんなら富豪にもらわれて、うちに来るよりもっと幸せになれるに違いない、きっと石油王級のお金持ちに見初められるはず!」

というものでした。

でも、保護猫カフェでの様子を見ていると一向に石油王が来る気配がない。

まったく人見知りをしない2匹だから、お客さんに遊んではもらってるけど、引き取りたいという人がいない・・・。なんならたまに猫カフェに行くと他の猫より愛想がいい分、疲れてる?(ように見えただけでたぶんそうでもない)と思うようなこともありました。

なぜ石油王が来ないのか?

私がボランティア登録しているお店では、正式譲渡前に里親との相性を確かめる「トライアル期間」というのがあります。2週間、譲渡予定の猫と暮らしてみてから、譲渡に至るという流れ。

譲渡してしまってから「こんなに夜鳴きすると思ってなかった」「猫の世話がここまでたいへんと思わなかった」なんていうミスマッチが起こらないようにするための期間で、トライアルだけで終わることも少なくありません。

でも、そのトライアルさえ申込みのなかった2匹。最初はこんなにカワイイのになぜ?! と思っていたのですが、やはり「成猫だから」というのが大きかったのと、トラは動きにまったく問題がないものの、片目が癒着しているのが原因だったようです。

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私も連れ合いも2匹の気性の良さにかなり惚れこんでいて、トラの片目しても医療費が今後かかることがあるかもしれないと覚悟して迎えたい、となりました。何より、成猫で行動や気質が定着していてもこんなに私たちと気の合う猫は他にいないだろう、というのが大きかった。

夫婦の意見がそろってからは早かったです。家の中を猫仕様にしたり、実家&実家猫にお許しをもらったり、保護猫カフェの人にペット保険や最初に用意するものの割引を教えてもらって初期費用を抑える工夫もしました。

2匹の猫様の一生に責任をもつ覚悟を決めて、始まった2022年。今のところ猫たちは元気に過ごしてくれています。猫がいない寂しさが埋まったおかげで、いいこともたくさんあり、猫様のお世話をさせていただける幸せを噛みしめています。

言い訳と言うほどのことは書けませんでしたが「猫たちの一生を見届け、幸せに過ごせるよう努めます」の宣誓ということで書き残しておきます。

■余談
保護猫を迎えるにあたって一番嬉しかった支援は、滝川クリステル財団からトイレセットをもらえたことです。保護猫団体で活動している人に限られるようですが、なんと無料!で猫トイレと猫砂がもらえるありがたさ!

今はもうやってないかもしれませんが、保護猫を迎える、保護猫を支援する活動の経済的負担が少なくすむよう活発に活動をされています。
https://christelfoundation.org/


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