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ドラクエⅤ映画を見てきたよ

皆様ごきげんよう、あみぃちゃんです。
今回はゲーマー&マーケターとして記事を書く機会に恵まれました、なんという趣味と実益。ドラゴンクエストⅤ~ユア・ストーリー~の感想を書きたいと思います。ちなみに辛口注意です。

まずはビジュアル面から

ドラゴンクエストシリーズは、ずっとキャラクターデザインをドラゴンボールやドクタースランプアラレちゃんでもお馴染みの鳥山明先生がしてきたことで有名です。鳥山先生がゲームのキャラクターデザインをするのはそうメジャーなことではなく、他だとクロノトリガーやトバルやら。でも長く続いているシリーズでキャラクターを書きおろしているのはドラクエだけです。
だからこそドラクエシリーズファンは鳥山先生がデザインしてくれたキャラクターに愛着を持ってプレイしているのです。たとえドット絵でゲームが構成されていても、プレイヤーの脳内では鳥山先生の漫画のようにキャラクターが動き、話している。
そんな中で今回の映画「ユア・ストーリー」では3Dにするためなのかビジュアルを一新。ダブルヒロインのビアンカとフローラも鳥山先生のイラストイメージからは結構離れた感じになりました。っていうかビアンカ、結構前髪変わったね?起き抜けのアナ雪エルサみたいになってるぞ。フローラもなんというか高飛車お嬢様という感じではなくなったなぁ。カワイイけど、こういう普遍的なカワイイを求めていたわけではないのよねぇ……。
ゲーマーと映画の溝は、ここからなんとなく生まれたのでした。

すべてのはじまり

とはいえ、やっぱりドラクエはストーリーが良いから映画を見たい……とあみぃちゃんは久しぶりに映画館へ行きました。ポケモン映画ですらDVDでいいや~みたいなタイプのあみぃちゃんが!映画館に!!
新宿のゴジラを見据えながら、未だに建物の名前を「ミレニアムタワー(from龍が如く)」と呼んでしまい正式名称が分からない映画館へ行きましたとも!
やっぱりドラクエⅤですから、私と同じくらいや上の世代のお客様が多いですねぇ。中には子ども連れでドラクエ布教するお父さんもちらほら……。あみぃちゃんはおひとり様女子ですけども(旦那を誘ったけど「俺はドラクエⅦ派だから」と断られた、なんでよ)。
ドキドキしながらチケットを発券し、ワクワクしながら座席に座り、ポップコーンもドリンクも完璧!さぁ来いや!と気合を入れてスクリーンへ戦闘態勢。そこから私の2時間ほどの冒険が始まりました。
やはりすぎやまこういちさんの音楽や、主人公を演じた佐藤健さんの演技は心に沁みるものがありますね。佐藤健さんはるろうに剣心で二次元キャラを演じただけあって、オタクへの配慮がちゃんとしている(笑)。まぁ声優さんの方が良いというのはもちろんですけども。波瑠さんのフローラや有村架純さんのビアンカも結構聞けました。フィールドが立体になって冒険しているのも臨場感があります。
なのですが……。

ストーリーに滲み出る監督の味

全体的なストーリーはドラクエⅤをやっていれば知っていると思うので割愛します。やっていない人はやってください、めっちゃ面白い。
基本的に原作ありきの映画というのは、原作をどれだけ用いるか、どのあたりに監督や脚本家の味を出すかによって評価が割れる諸刃の剣です。そしてその諸刃の剣を装備した監督は、最後30分くらいでやってくれました。
映画の最後30分というのは非常に印象に残りやすい部分でして、「終わりよければすべてよし」みたいな慣用句が出来てしまうくらい最後って大事なんです。終わりよければいいですけど、逆もありうる。
で、今回の監督は最後の部分で自分の味つけを存分に振る舞いました。ドラクエを見に来た人たちに対して、ドラクエをやっていない監督が自分の味を振る舞ったらどうなるか、想像に難くありません。みんなアストロン(石化)です。
ちょっと前にドラゴンクエストヒーローズのCMでヨシヒコ(山田孝之さん)がドラクエの呪文をふんだんに使った社内会議を行うというシュールなものがありました。

これはドラクエ大好きなヨシヒコ(山田孝之さ略)がそもそもの台本にアドリブで呪文を追加しまくったらしいのですが、ドラクエファンは歓喜!
そうだよ、ファンが求めているのってこういうの!ドラクエ愛があふれる作品は、見ていて分かるものです。ドラクエ映画もストーリーに愛があふれていれば巷のような感想はあふれなかったと思います。
そもそもドラクエⅤはスーファミのゲームなのにファミリーコンピュータの画像を使ってしまうお粗末さ。ここに愛はない。

この話、ドラクエでやる必要あった?

愛がないけどドラクエじゃないと成立しない話なら百歩譲っていいですけど、この話ドラクエでやる必要あった?別にこの話はこのドラクエⅤ~ユア・ストーリー~でやる必要性を特に感じません。
物語の核となる部分は、かなり現代性に満ちたストーリーとなっていて、ドラクエⅤをリアルタイムでやっていた(1992年発売なので、その時点で小学一年生だったとしても25年以上たっているため30代半ばの)世代や、ドラクエの世界観に魅了され、その前のシリーズからずっとやり続けている40~50代以上の人間にはあまり刺さらないような気がします。それこそ今のネットが溢れた10代へのメッセージが強いのかな、と感じました。
だから、何度も言うけど、この話はドラクエでやる必要はない。
むしろオリジナルアニメとかでやる方が絶対にハマったと思うし、ドラクエでやったらお互いに全くwin-winの関係になってない。監督はドラクエのブランドをなんだと思ってるんだという話。

企画の段階でマーケティングした担当者出てこい

あみぃちゃんはnoteで何度も「ブランディングは大事だ」と叫んでおりますが、今回もド下手クソなマーケティング(ターゲティング)のせいで色々と波紋を呼んでしまった感があります。
ドラクエのファンが求めているものと、監督が描きたいものに齟齬があったらもうそれは成立しないのです。監督が描きたいものを求めている層に訴求しないとダメなのです。ドラクエⅤと謳っている以上、そのキャラクター達を使っている以上、すでにゲームとして完成している原作に不必要な横槍は入れてはなりません
ゲームの原作を映画にしただけでは新鮮味がないとか、意外性がないとか、よく聞く話ではありますが、そんなものをファンが求めているかどうかを制作陣は考えてください。先ほどの子ども連れのお父さんは、自分が大好きなドラクエを子どもにも見せてあげたくて映画に連れてきたんですよ。「ドラクエっぽいもの」を見せに来たわけではないんですよ。もうそのお父さんの心中察するに余りある。
企画段階でどのようなストーリーにするかを決定したのであれば、マーケティング担当は警鐘を鳴らし、できれば方向転換や白紙にするべきでした。もちろんそうするように努力したかもしれません。でも結局映画は公開され、見た人の阿鼻叫喚地獄絵図が出来上がっただけ。面白いと言っている人もストーリー全体を褒めている人は皆無に近いです。
いやホントに、これだけの大人が集まって、これだけの予算をかけて、こんなものが出来上がるとは誰が予想したでしょうか。ブランディングを軽視するからこうなるんだよ、担当者出てこい。

Twitterで流れ来た感想で最も共感したものをここで申し上げて終わりにしようと思います。

同じ予算でヨシヒコの映画作れ!!マジで!!

おわり

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