見出し画像

【健康知識】成長スピードは人の倍以上…?!犬の年齢と老化について

◎獣医師執筆◎

あなたは、わんちゃんの成長スピードを詳しく知っていますか?実は、わんちゃんは私たちよりも早いスピードで成長し、年をとっていきます。 近年はフードの改良や医療の発達によって長生きするわんちゃんも多いです。しかしその成長はあっという間。

今回はわんちゃんと人の成長スピードと年齢を比べて、わんちゃんとより良い生活ができるよう解説したいと思います!

わんちゃんの年のとりかた

大まかに考えると、小型犬の1年は人の約4年、大型犬の1年は人の約7~8年と言われています。

◎年齢換算の参照:https://gstore.jp/hpgen/HPB/entries/35.html

  • 小型犬の場合、1歳は人の約17歳!


小型犬・中型犬のわんちゃんの場合、1歳の時点で人間に換算すると約17歳と言われています。1歳でおおよそ大人!という認識です。若齢期は成長が早いですが、3歳以上から少しゆっくりのスピードになると言われています。2歳で人の約24歳、それ以降は約4歳ずつ年をとります。

5歳で人にすると約36歳、10歳では約56歳…そう考えるとわんちゃんの成長はあっという間ですね。

  • 大型犬の場合、1歳は人の約13歳!


大型犬は、小型犬に比べると平均寿命は短いとされています。若齢期は成長が遅いのですが、3歳を過ぎると一気に成長スピードが早くなります。5歳で人にすると約40歳、10歳で約76歳です。

わんちゃんの平均寿命は伸びている!

近年、良いフードの開発や医療技術の進歩によって、わんちゃんたちの寿命は伸びています。小型犬では以前は11,12歳程だった寿命も、今では15歳~20歳近くまで長生きする子もいます。大型犬でも今までは10歳程度と考えられていましたが、最近では14歳や15歳のわんちゃんもいらっしゃいます。

ただ、あくまでも参考数値にすぎません。人も個々によって元気の良さや健康状態が変わってくるのと同じで、わんちゃん達も犬種差・個体差がかなりあります。

年齢を人に換算して無理をさせないよう気を付けつつ、日々の生活での異変の有無や定期検診をきちんと受けるなどして、健康管理を怠らないようにしましょう。

老化を察知しよう

ここまでの説明で、わんちゃんは人よりも早いスピードで年を重ねていくことがおわかりになったと思います。「いつまでもうちの子は赤ちゃん!」と思いたいですが、年を重ねるうちに身体が衰えていくのは不可避なのです。

そこで、いち早く老化を察知し、健康状態を守る方法をお伝えいたします!

  • 食欲と体重・体格の変化


おうちで気付きやすいのは、食欲の変化体重の変化体格の変化です。

まず、食欲の変化について。筆者の病院にやってくる飼い主様の中には、「食欲はあります!」とおっしゃる方が多いですが、よく聞いてみると食べムラや好き嫌いが増えた、少し残すようになった…などと些細な変化が起きていることもあります。老化に伴って1度にたくさん食べられなくなったり、食の好き嫌いをはっきり示すようになったりしますので、ご飯の時間はよくチェックしましょう。

体重・体格の変化はなかなか気付きにくいポイントです。老化とともに筋肉が付かなくなったり、脂肪が付きやすくなります。体重は変わっていないと思っていても、お腹が出てきたり足の筋肉が減っている子は多いです。定期的に同じ条件で写真を撮り、チェックするといいでしょう。

  • 外貌の変化


年をとるにつれ、毛質や毛量の変化、白髪の増加、毛艶がなくなる…など、被毛にはさまざまな老化が現れます。特に毛艶は健康状態を反映していることも多く、大切なチェック項目です。健康状態に合ったご飯やサプリメントを与えて上げると、良いケアになるでしょう◎

●あわせて読みたい記事
ツヤツヤ毛並みを目指そう!わんちゃんの毛艶改善に役立つ食材をご紹介

  • 行動の変化


お散歩の距離が短くなる、お散歩の途中で抱っこをせがむ、走らなくなる…などと運動能力の低下が見られます。体力が落ちちゃうから…とお散歩時間を長くする方もいらっしゃいますが、無理に運動させるのではなく、わんちゃん本人が無理しない程度の運動を継続的に行うことが大切です。

定期検診は大切

わんちゃんの場合、若い頃から、できれば年に1回は検診を受けることをオススメします。 検診を受けておくことで病気の早期発見に繋がりますし、その子の平常時を知ることができるため、万が一具合が悪くなった際に比較することができます。

  • 血液検査


血液検査では、貧血がないか、きちんと血が作られているのか、炎症や感染症はないか、内臓系の以上などがわかります。

血液検査は検査結果に個体差が出ることもある検査です。その子その子の正常値を普段からしっかりと把握しておきましょう。

  • エコー検査


エコー検査では、胸部や腹部の臓器に異常が見られないか超音波でチェックする検査です。年をとると臓器に腫瘍などができることがあります。血液検査は正常値でも腫瘍がある場合がありますので、定期的なチェックをおすすめします。

  • レントゲン検査


レントゲン検査では、骨格系の異常がわかります。年をとると背骨に異常がでたり関節に異常がでたりすることがあります。痛みが出る前に確認して予防することはとても大切ですので、レントゲン検査も定期的に行うといいでしょう。

わんちゃんの成長スピードは人間の何倍にもなります。可愛い我が子もあっという間にシニアの年齢になるんです。

人間でいえば今何歳なのか、年相応の健康状態なのかをしっかり確認してあげることはとても大切です!ぜひ今回の記事を参考にして、わんちゃんの健康チェックをしてみてくださいね。

●ライター:Sea3
獣医師の資格を保有
●編集:うしすけチーム

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?