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〔旅エッセイ #5〕ありがとうベトナム航空 〜インド・トランジットビザ〜

2023年8月。ベトナムのハノイから、インドのムンバイへ向かう便での出来事だ。その日はハノイで一日遊んだ後だった。ベトナム航空でムンバイをを経由して、ナイロビへ入国する予定だった。つまり次に向かう場所は経由地のインドである。

実はこの時、一つだけ不安なことがあった。インドのトランジットビザだ。
Googleで【 インド トランジット ビザ 】と調べると、【インドの国際線の乗り継ぎを行う際、第三国からインドに入国し、24時間以内にインドを出国する国際乗継便の航空券を保有し、空港外に出ない場合にはビザを申請する必要はない】と出てくる。

今回はインドはトランジットのみで、出国はしない。乗り換えでの利用だった。となると、ビザは不要のはずだ。しかし、私のような『自己乗り継ぎ』であり、『同じ空港会社の乗り継ぎではない(ベトナム航空からインディゴに乗り換える)』という旅行客は、ビザを取得していた方が良さそうだった。ネット検索の結果からはそう感じたし、周りの旅行慣れしている知人たちからも『ビザを取っていた方が良いと思う』というアドバイスをもらっていたからだ。そのため、念のため日本でインドビザを取得していた。


ベトナム航空 搭乗手続きカウンター
Noi Bai International Airport, Vietnam

ベトナムエアの搭乗チェックインカウンターで、『インドのビザを見せてください』と言われた。『やはり必要だったんだ、ビザを取っておいてよかった』と安堵したのも束の間。日本から持参した印刷済みの紙を見せると『これではありません』と言われてしまう。私が印刷していったものは【ビザ申請に使用した回答フォーム(PDF)】だった。
提示するものがこれだと信じて疑っていなかった私は、一瞬にしてめちゃくちゃ焦った。そもそもこれしか印刷してきていないし、これでないということは、私はビザが取れていないのでは?!と思ったからだ。
プチパニックになっていたら、カウンタースタッフの方が『あっちにあるうちの搭乗カウンターの、奥にあるパソコンを使っていいよ』と言って、そこまで連れて行ってくれた。

ベトナム航空のカウンター
(この手前の椅子に座り作業させていただいた)

滅多に入れないカウンターの中。貴重な体験だと喜びたくなったが、そんなこと言っている時間はない。
カウンターの中のパソコンで、ビザを申請した回答フォームにアクセスしても、「どれ」を印刷したら良いかがわからない。念のため支払いが済んでいるか、決済したクレジットカードサイトで確認する。こちらは問題なく支払われていた。何度も回答したサイトを見直すも、全くわからない。時間が迫り、焦り続けていた。なぜなら次のインドは経由なのだ。この後はナイロビが待っている。絶対に乗り遅れるわけには行かない。
確認作業をしている最中、ベトナム航空のお姉さんがカウンター作業の合間をぬって、数回様子を見に来てくれた。「大丈夫?時間はまだあるから」という、優しい声がけとともに。

そうこうしているうちに、ベトナム航空のお姉さんの協力の元、「ビザの申請が完了しました」というメールを印刷すればよいということがわかった。正解は、メールを印刷だったらしい。この時は、「ああなるほど」と思ったし、その後のインドトランジットも無事にそれでパスしたのだけれど、どうやらそれも正解ではなかったらしい。帰国後に知った。一体なんだったのか。
その後、無事に印刷し、チェックインが完了した。

乗車した飛行機
Noi Bai International Airport, Vietnam(2023)

後にも先にも、空港のカウンターの中で作業することはないだろう。もう何が正解だったのかわからなかったけど、無事に乗れたのでそれが正解でそれで良し。なんだかいろんなことがある。ありがとうベトナム航空。あの時のお姉さん。

そして、やっとの思いで無事に搭乗した便では、インド人乗客達がやりたい放題で、ベトナム航空の客室乗務員さん達がほとほと手を焼いて困っていたのは、また別のお話。


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