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【9月:臨時】断水に備えて知っておきたいこと

(※トップ画像は、極東開発工業(株)HPより)

こんにちは。

先週は連休が多かったですね。楽しめましたでしょうか?…とお聞きしたいところですが、台風15号の影響を受けたエリアは、連休どころではなかったかと思います。

静岡を中心として台風15号が猛威を振るいました。被害に合われた方が一刻も早く、通常の生活へ戻ることができますよう願っております。

私はというと、この金・土・日は所用で長崎に行っておりましたので、なかなか被害の報道を追えませんでした。ですので今まさに、今回の災害の情報を、後追いで調べているところです。


〇台風15号の爪痕

後日報を見る限りだと、今回は暴風による被害よりも、大雨による水害が目立った被害になっているようです。各地の浸水被害に始まり、天竜区の土砂崩れ、川根本町の陥没部への自動車転落・横転…そういった被害が発生しています。

中心気圧はそこまで低くなく、洋上で温帯低気圧になりはしたものの、非常に多くの雨雲を引き連れていたこともあり、結果的には雨の被害が多くなってしまいました。

〇二次的な災害としての断水

さて、こういった大規模な災害では、直接的な被害のほかにも、間接的・二次的な被害も発生します。今回の台風15号においては、断水被害が象徴的であるように思えます。

今もなお、多くの地区で断水が発生しているようです。その主な原因は、取水施設の取水口を大量の流木等が塞いでしまったことと、浄水場から水を圧送する水道橋が流失してしまったことが挙げられます。もちろん、他の水源から迂回する送水もなされているようですが、満足な量が確保されていません。

この断水は、現在の見込みでは10月初旬まで続く恐れがあるとのことです。見込み通りだとしても、あと1週間~2週間はかかる計算です。流木などの撤去や、仮設水道橋の復旧に時間がかかることを考えれば…確かに最短でもそのぐらいはかかるのだろうな…と感じます。

それまでの間、水に関しては、給水車を頼りにするほかありません。生活用水を可能な限り節約し、飲用水を確保していく必要があります。

ここ近年の災害時では、断水が発生した場合、比較的早く(それでも翌日や翌々日ですが)給水所が開設されるケースが多いようです。必ずしも家の近くに開設されるかどうかは分からないという部分はあるものの、それでも、なんとかその給水を受け取ることが断水生活では重要となります。

こういった事態に備え、給水を受け取ることができるように、その「入れ物」をちゃんと準備しておきたいところです。

〇さまざまな「水タンク」

給水を受ける際の理想的な水タンクは、大きくわけて2種類あります。一つはポリタンク型の固いもの、もう一つは袋型の柔らかい(変形する)ものです。

例:(株)尾上製作所HPより
例:アイリスプラザHPより

ポリタンク型のものは、袋型のものに比べて、強度面で安心感があります。(※とはいえ、きちんとした防災用の袋型であれば、それなりの耐久性はあります)

また、設置した時の安定感は、ポリタンク型に軍配が挙がります。

しかしながら、平時の時でもスペースを食うため、置き場所に困るという点が最大の難点です。この点は、袋型のほうが圧倒的に省スペースで保管できます。

なお、ポリタンク型にも袋型にも、蛇口型のコックが付いているものが市販されています。タンク自体が小型であれば、コックが無くても水の取り出しにそう困りませんが、3L~5Lサイズぐらいから、抱えて斜めに向けるのにも、重さを感じるようになります。事情が許せば、コック付きのものを持っておくと便利です。(※全てにコックが無くても、詰め替える前提であれば、一つだけでも良いかと思います。)

ちなみに私の場合は、メイン用の20Lポリタンク(コック付き)を1つと、10Lの袋型のもの(コックなし)を10袋をストックしています。給水場所には、極力袋型のものだけを持っていき、持ち帰った後、必要に応じて使う分をポリタンクに移し替えて使用するという運用を想定しています。

(※なお、サイズ感は性別・年齢・体力等に応じて調整が必要です。私は10Lを両手に、計20L(20kg)を余裕をもって持てますが、体力に自信が無い人には、正直きつい重量です。その場合は、もっとコンパクトなもの(3Lとか5Lとか)にするべきです)


〇専用品が無い場合は?

上に挙げたような災害時用の水タンクを、ちゃんと持っていればいいのですが…持っていないご家庭も多いと思います。また、持ってはいたけれども、保管場所が被害を受けて取り出せない…という場合もあるかと思います。そういった場合は、とにかく有り合わせのもので給水を受けるしかありません。

2Lペットボトルや、焼酎などの4Lペットボトルなどを大量に持っていればよいのですが…そういうものをストックしてる人は少ないと思います。

そこで、苦肉の策として、代替案の一つにポリ袋(ごみ袋など)で給水を受けるという方法があります。全面的に推奨はできません(あくまで代替の方法です!)が、こういう方法もあるという事は、ぜひ頭に入れておいてください。

ポリ袋には、①破けやすい、②持ち運びにくい、③口が閉じにくい&開けにくい…といった泣き所があります。そこで、今かその点を可能な限りカバーする方法をご紹介したいと思います。

〇ポリ袋給水の欠点のカバー方法


①②破けやすい・持ち運びにくい
 → ケースに入れることで対応

ポリ袋だけのまま給水を受けると、形状が安定せず、ブヨブヨします。そこで、段ボールや洗濯カゴ、トートバッグのようなものに一度袋ごといれて、その中で給水を受けるという方法があります。同様の発想で、空のリュックの中にポリ袋をいれるという方法もお勧めです。(この場合、そのまま背中に背負える利点もあります)

こうしておくと、持ち運びがしやすくなり、かつ、下に置いた際の袋の破損を防止することができます。特に薄手のポリ袋で行う場合は、ほぼ必須の作業といえます。

注意点としては、持ち運びの際に段ボールの底が抜けないよう、ガムテープ等でしっかり補強しておいてください。また、洗濯カゴやトートバッグの場合は、取っ手の強度を過信せずに、必要に応じて、本体側をしっかり持つようにしてくださいね。

段ボールの場合の例:警視庁警備部災害対策課ツイッターより


③口が閉じにくい・開けにくい
 → 入れる量を控えめにし、しっかり捻じって結ぶ

あまりに水を入れすぎると、当然縛る余裕がなくなります。災害時には、少しでも多くの水を持ち帰りたくはなりますが、途中でこぼすと元も子もありません。また、袋自体を固結びに結んでしまうと、開ける時に苦労したり、破れたりしやすくなります。

結ぶ部分に十分な余裕があれば、引き解け結びという方法があります。水のような液体で行う場合は、最初のねじりを多めに行って、かつ最後の引き締めをしっかりめにことがポイントです。(かといって、あまりに締めすぎると、引き解けなくなりますので…このあたり、どうしても加減があります。事前練習をお勧めします)

また、輪ゴムがあれば、こういう方法で結ぶと、より水漏れしない結びを作ることができます。開ける時も比較的楽ですので、知っておいて損はないですよ!


〇+αできるだけ楽に運びたい

また、台車とロープを1セットもっておくと、色々と楽な場合があります。水を始めとした、重たい荷物の横移動が発生する場合は、何かと便利です。通販サイトなどではキャリーカートと呼ばれるような、小型の台車(冬に灯油のポリタンクを運ぶようなもの)でいいと思います。小型のものはどうしても荷が積みにくい・崩れやすいので、それを固定するためのロープ(100均で十分)もあると、引いていく際の安心感が違います。事情が許せば、ぜひ検討してみてください。


今回ご紹介したものは、災害時に限らず、普段の生活でも応用が利く知識と言えます。平時で、余裕があるときにぜひ一度チャレンジしてみてくださいね!(^^)


・・・おわり

※※※ ここからはお知らせ ※※※

いつもは、子どもにまつわる防災や応急手当、日頃気を付けたいことに関する記事を、月1(+臨時で不定期)で書いています!どれも、忙しいパパ・ママ向けの、サラッとライトな内容なので、ぜひ一緒に見ていってもらえると嬉しいです(^^)下に、過去の記事をマガジン形式で纏めましたので、ぜひご覧ください!


また、私の日々思っていることや、好きなことなど、私がどんなやつなのか、どんな考えをもっているやつなのかが分かりやすい記事については、下の【ただのつぶやき】シリーズが、わかりやすいかもしれません。少しでも「パパ防災士:牛尾崇彦」個人に興味を持たれた方は、覗いていただけると嬉しいです!

※※※ お知らせ終わり ※※※


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