南原四郎

昔、月刊OUTとか、ALLANとか、月光とか、牧歌メロンなどの雑誌を、自分の興味のおも…

南原四郎

昔、月刊OUTとか、ALLANとか、月光とか、牧歌メロンなどの雑誌を、自分の興味のおもむくまま、つくってきました。それらのテンテンバラバラな文章も、いま、振り返ってみると、一本の糸でくくれそうなので、きりがなくなりそうだが、やってみたい。

最近の記事

九月十四日の深夜

 ……ということは、九月十五日ということになるが、今日から、 日記を書くことにした。  NHKのBSの深夜放送で、現在、ジャズピアニストになった大江千里がメンフィスで「駅ピアノ」を披露するという趣向の番組をやっていた。  私の主観、つまり思い込みに過ぎないが「駅ピアノ」が始まってから若者が街頭でバンド演奏をする風景がぱったり消えた。ピアノのある家は少なくないと思うけれど、ピアノは結構、大きな音がするので、練習もできずに、タケモトピアノに売り払うことになる。ギターにボーカルだ

      • 『ポセイドン・アドベンチャー』について、あれこれ……

         『ポセイドン・アドベンチャー』を見る。劇場で見た記憶はないので、テレビで見たのを、再びテレビ(今回はNHKのBS)で見たことになる。  印象を一言で言えば、面白かった。二度目に、がっかり……という映画は少なくないが、そんなことはなかった。それだけシナリオが綿密に作られているということだが、不満がないわけではない。  ハリケーンか何かが発生したという情報が無線で届く。レーダーにも、あまりはっきりしたかたちではないけれど、写っている。それを見てスピードを落とそうとする船長に対し

        • ある、発見

           一昨日だったか、電車に珍しく、電車の網棚に日経新新聞があったので読んたら、面興味深いことが書かれていた。日経がリニア新幹線推進派かどうかしらないけれど、静岡県の元知事、川勝平太は、知事に就任早々、開港したばかりの静岡空港へ就航した日本航空に対し、前知事が約束したらしい「搭乗率が目標以下なら県が負担する」とした支援金の支払いを拒んだ。日航は路線を撤退し、法廷闘争に発展したが、こうした混乱辞さない川勝氏の姿勢は県民の一定の支持を集めた——という記事。  客が少なかったら、客(静

        九月十四日の深夜

          ハドソン川の奇跡

           という映画を見た。  鳥の群れを吸い込んだアメリカの旅客機が航空不能になる。機長は近くの空港に着陸許可を求めたものの、燃料が残りわずかなり、空港への着陸を断念、ハドソン川に強行着水して乗客、乗員が全員助かったことで機長のサリー(「サリー」は映画の原題になっている)は英雄になった。しかし安全委員会が、水中から引き上げたエンジンを調べたところ、完全にダメになったわけではなく、空港に着陸することも可能だった。だとしたら、サリーの判断は危険な冒険だった可能性があるとして、安全委員会

          ハドソン川の奇跡

          ゴジラマイナスワンを見て……あれこれ、考えたこと

           「ゴジラマイナスワン」を見た。確かに特撮はすごい。タイトル写真としてジオラマの写真を載せたけど、実際はもっとずっとすごい、アカデミー賞にふさわしい……とは映画全体の出来として、ちょっと……。  それは冒頭のシーンに凝縮して表われている。特攻隊の敷島浩一が出撃した後、零戦が故障したと偽って大戸島(小笠原諸島の一つだそうだ)の基地に戻ったところに、大戸島の島民が「ゴジラ」と呼んでいる怪獣が襲う。整備兵は小銃しか持っていないので零戦の二十ミリの機関銃で怪獣を撃退してくれと言うが、

          ゴジラマイナスワンを見て……あれこれ、考えたこと

          時空を行き交う西部劇――『クイック・アンド・デッド』

           後期高齢者としては全くめでたくないのだが、おかげさまでまた一つ、馬齢を重ねてしまった。  それはそれとして『クイック・アンド・デッド』という映画を見た。  「氷の微笑」で有名になったセクシー女優、シャロン・ストーン主演の西部劇。当初、本当にあのシャロン・ストーンが?……と思ったが、まだ名前の知られていなかったラッセル・クローと。若手のホープ、デカプリオを、自ら口説いたそうだ。おまけに日本の衛星放送の会社がが出資したそうで日米合作という意外な作品だった。  日本の出資者がマカ

          時空を行き交う西部劇――『クイック・アンド・デッド』

          ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト

           マカロニ・ウェスタンの元祖、セルジオ・レオーネの「ウェスタン」を見る。原題は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」で、「ワンスア。ポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、「ワンスア。ポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の三部作の最初の作品。事情がよくわからなくて「ウェスタン」にしたのかも知れないけれど、タイトルは大事なんでもっと真面目に考えろといいたい。  マカロニ・ウェスタンをヒットさせたレオーネとしては西部劇はこれまで、次は「ワンスア。ポン・ア・タイム・イン・

          ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト

          年末の朝生だけど……

          田原総一郎は九十歳だそうで、流石にボケて……と言うのではない、最初からボケているから、相変わらずボケていると言うべきだろう。今回はおきまりの「宮沢総理って知ってる?」は、出て来なかったが、パーティー券問題に触れて、「羽生田が云々」と言ったら、どこかのNPO法人の代表者だという若い女性が「はにゅうだって、だれ?」と言って田原の腰の骨を折っていたが、本当に自民の政調会長のことを知らなかったら、「朝生」に出て来る資格はないと思うけど……。それは兎も角、話がどんどん飛んで、一瞬、だけ

          年末の朝生だけど……

          メロドラマとしての『東京物語』

           数日前、小津の『東京物語』の後半部分、つまり笠智衆(平山周吉)と東山千栄子(とみ)が尾道市に帰ってからの話を見た。もちろん、『東京物語』は全部見てるけれど、ドラマが本格化するのは後半なので……都合がよろしかった……というか。  東京では元気だったとみが気分が悪いと言ったまま、昏睡状態になってしまう。医師は回復不能という厳しい見立てに子どもたちが尾道に集まる。とみは、結局、意識を戻さぬまま葬式となり、それを終えると、紀子一人を残し、子どもたちはみな東京に帰る。  一日遅れで

          メロドラマとしての『東京物語』

          小津安二郎と、山田洋次

           Eテレの「小津安二郎は生きている」を見たが、小津の戦争体験に注目していたようだった。例えば映画監督で戦場に召集されたが、映画監督として広く知られていたので、新聞記事にもなり、さらにそれを小津の母親がスクラップ・ブックにまとめている姿を紹介されていた。その小津は徐州作戦に送り込まれたが、入隊早々、訓練なんか即席だと思うが、それで激戦地に放り込むなんて無茶だと思ったが、いずれにせよ、そのことが『麦秋』に現れていると番組は言う。  『麦秋』は原節子が「紀子」という名前で出てくる「

          小津安二郎と、山田洋次

          愛のシャワー

           クリント・イーストウッド、主演、監督の『ガントレット』を見る。  荒唐無稽とも言える警官の一斉射撃が話題になった。銃撃ロボットと化した警官の中身もまた似たようなもので、女性蔑視も甚だしく、黒人男性を職務質問の形で殺したジョージ・フロイト事件を彷彿させる、と見ていて思った。ただ黒人は登場しないが、警官たちの女性蔑視が甚だしい、というか、今、気がついたのだが、女性蔑視がテーマになっている。  今回は、冒頭からビデオにとっておいたのだが、冒頭から見ないと本質がわからない映画なので

          愛のシャワー

          衝撃的な……

          衝撃的な二つの数字と、一枚の写真。 理由はうまく言えないけど、関係があるように思えてならない。

          衝撃的な……

          『ビューティフルマインド』と『リオ・ブラボー』

           ゲーム理論として経済学にも貢献した「ナッシュ均衡」でノーベル賞を受賞した数学者、ジョン・ナッシュが統合失調症に基づく、奇怪な妄想(夢想と言ってもいいかも)に悩まされたことを描いた映画『ビューティフルマインド』を見る。録画しておいたビデオを再度、見たので、二度目なのだが、三分の二近く見た時点で「あ、これは一度、見たがある!」と気がついた。見た記憶が消えてしまっていたのだ。しかし一般的に言って、映像は見た瞬間にわかるはず。ましてアカデミー賞をとった名作なのだ。それなのに三分の二

          『ビューティフルマインド』と『リオ・ブラボー』

          『ゲッタウェイ』に見る、ペキンパーの語り口

           『ゲッタウェイ』を見る。NHKのBSPでやっていて、でも、一度、見た映画だし、と思ってスルーしようと思ったが、どのテレビを見ても、ジャニーズ問題と汚染水問題と、なぜか、今頃になって、また統一教会問題を持ち出している。何を言うかわかりきっているので、改めて『ゲッタウェイ』を見たら、面白いこと、面白いこと。慌てて録画した。  録画したのは、スティーブ・マクイーンのドクが、大金を詰めたバッグを置き引きに盗まれ、あとを追って列車に乗り込むころだった。ドクは盗んだ男を見つけ、隣の席に

          『ゲッタウェイ』に見る、ペキンパーの語り口

          『ドライビング・ミス・デイジー』の小ネタ

           老齢の未亡人。ミス・デイジー(ジェシカ・タンディ。高齢の女性でも、未亡人なら〝ミス〟なのか、それとも〝愛称〟なのか……いや、これは小ネタではありません)は、夫が残した大きな屋敷に住んでいて、なおかつ運転手を雇っているのだから、それなりの金持ちのはずだが、他人、特に同年輩の女性には、「贅沢な生活をしている」とは思われたくないという意識の持ち主のようで、スーパーマーケットにも、自分が歩いていくと運転手のホーク(モーガン・フリーマン)に言い張る。ホークは自分は運転手として雇われた

          『ドライビング・ミス・デイジー』の小ネタ