メムノンの巨像の音とギリシャ神話
メムノンの巨像はエジプトのルクソールのナイル川西岸に建つ巨大な2体の像。
創建時は頭上には王冠も。
2体とも古代エジプトの新王国時代、第18代王アメンヘテプ3世(紀元前14世紀頃)の像。
だだっ広い場所に2体の巨像以外、めぼしいものがない少し不思議な光景。
元々はここに、アメンヘテプ3世が建てた大きな葬祭殿があり、その正面に建っていたのがこの2体の巨像。
しかし後の王たちが、新たな神殿等を建設する際に、石材等を持ち去り、葬祭殿は崩壊。
巨像だけがそこに残ることに。
ところでアメンヘテプ3世の像なのに、なぜメムノンの像と呼ばれるようになったのでしょう。
紀元前27年 地震が起き1体にひび割れが。
それが元で朝方になると奇妙な音を発するように。
おそらくは、温度差や夜露が蒸発したため。
この音とギリシャ神話が関係して、メムノンの像と呼ばれるように。
ギリシャ神話の中でトロイ戦争で亡くなった英雄メムノン
巨像が発する音が、メムノンを想う母エオスがむせび泣く声とか、母を思うメムノンの呼びかけに聞こえると噂に。
「唄う像」を見に来る人の中には、ローマ帝国のハドリアヌス帝もいたそう。
像は193~212年に修復。残念ながら音は聞こえなくなってしまいます。
像の近くに立っている人と比較すると、その大きさがよくわかります。
今は静かにそこに立っているメムノンの巨像。
その歌声、ちょっと聞いてみたかったかな。
メムノンの巨像は「古代都市テーベと墓地遺跡(ネクロポリス)」の構成資産として、世界遺産に登録されてます。
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