レンタル博士されてみた話 クエスト4
博士の知識を丸一日独り占めにすることができる「レンタル博士」。対面式のスタイルが好評であるが、新型コロナの感染拡大を受けて緊急事態宣言が再発令されるなど、2021年は年明け早々から不穏な雰囲気が漂っていた。依頼が来ても実施は慎重に検討しないといけないなと考えていた矢先、マンボウ研究者としては、それどこではないとんでもない話が飛び込んできた。
2021年1月29日、志摩マリンランド公式twitterが、施設老朽化のため3月31日で営業休止するというのだ。(公式twitterは削除予定のため、リンク先が消えても見られるようスクショしています)
営業再開は未定とのことで、事実上の閉業となる。志摩マリンランドは「マンボウの泳ぐ水族館」とキャッチコピーがあるように、マンボウの飼育展示に力を入れている水族館だ。マンボウ研究者としては営業休止前に絶対に一度は行かねばならないと決意(今まで行ったことがなかった)。幸か不幸か、3月末で仕事を辞めて関西圏の実家に帰る予定だったので、実家に帰ってから行こうと思っていた。
私が活動拠点を東海圏から関西圏に移すとのことで、一緒に志摩マリンランドに行って欲しいといくつかレンタル博士の依頼があった。都合が合わず実施できなかったものもあるが、実施できたクエスト2つを実施日順にお話ししよう。ここでは前編としてクエスト4の話をする。
【レンタルされた博士の自己紹介】
マンボウを研究しながら生活費を稼ぐ方法を模索しつつも、とうとう無職になってしまった。健康保険と年金と住民税とスマホ代と生命保険を月々払う収入は何とか得なければならない・・・と人生ハードモードの新生活スタート。詳しいプロフィールは以下。
【依頼者の紹介】
薬学者(仮称「フォースさんA」)・東京在住・50代 + 化学者(仮称「フォースさんB」)・大阪在住・40代。フォースさんAが水族館好きで、志摩マリンランド営業休止の話を知り、せっかく行くなら同館の推しであるマンボウの話を詳しく聞きたいと思い今回依頼。フォースさんAが、仲の良いフォースさんBも急遽誘って、2名でレンタルすることに。
【レンタルされるまでの経緯】
twitterユーザーの方から2021年3月26日に志摩マリンランドでレンタルしたらいくらかかるかと相談が来た。
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私は志摩マリンランドでレンタルされる場合のおよその金額と、実施する場合の都合の良い日にちを先に伝える(31日にもレンタルされる予約が入っていたので、30日で実施できれば現地に滞在できると考えた)。
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フォースさんAが実施日を3月30日で了承されたので、3月27日に即ホテルを予約。30日→31日は志摩マリンランドファイナルイベントで予約取れないかと思ったが、幸運にも数件空席があった。帰りの交通費の代わりに、ホテル代を半分負担して頂くことを提案 →フォースさんA了承。
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最初は開館時の9時前に賢島駅に集合する予定だったが、朝一が一番混むことを考慮して、10時集合を提案 →フォースさんA了承。
特にマンボウのこれが知りたいとの要望がなかったので、適当にマンボウアイテムを詰め込んで準備を済ませる。
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当日初対面。
【レンタル当日の様子】
レンタル当日、5時前起床。電車に乗るための準備を済ませる。家を出て、予定より少し早い電車に乗る。奈良から三重まで3時間以上かかる小旅行のスタートだ。既に3月17日に一度志摩マリンランドを訪問して、スタッフの方から捨てられるかもしれないマンボウ資料を受け取っていた(下記リンク)。
何度か乗り換え、近鉄線で賢島まで向かう。電車は山の中を進んでいく。太陽は黄砂の影響かぼんやりとにじんで見え、非日常感を醸し出していた。twitter上では、モルカー13話を見たという集団幻覚に掛かっている人が多く、志摩マリンランドファイナルイベントに向けた非日常感を盛り上げてくれているような気がした。
乗り換えの駅に着くと、志摩マリンランドのチラシがあり、二日後には消えるのだろうなと感傷に浸った。
電車に貼られている近鉄路線図からも志摩マリンランドとマンボウの絵は消えるのだろうか。
電車に乗っているうちに志摩マリンランドは開館の時間を迎える。子連れが多いので、もしかして志摩マリンランドに行く人達かなとシンパシーを感じたのだが、鳥羽駅で降りていくのを見て、そっちだったか・・・と何だか切ない気分になった。
電車は予定通り10時頃に到着。駅前のコンビニが18時に閉まってしまうので、閉館(18時)まで居ると想定して、まずは夕飯を購入。その後、依頼者のフォースさんらが待つ志摩マリンランドへ急いだ。
車は多いものの、入館前で人はそれほど待っていなかった。マンボウのモニュメントと向かい合うマンボウ型の木がイイ感じだ。サイズ的にモニュメントに吸い込まれそう。
売店で待っていたフォースさんらと無事合流して、いざ、営業休止前日の志摩マリンランドへ。何も見えない干潟コーナーとペンギンコーナーを流し見し、手を消毒して入館すると、手書きのウェルカムボードがまず目に付く。毎日描かれている内容が違うので、リピーターには嬉しいコーナーである。営業休止まであと1日と明確に書かれているのがエモさを感じさせる。
志摩マリンランドがどんなところかは3月17日に行った時にざっと歩き回って撮影したので、下記動画を見て欲しい。
最初から順番に館内を回りたいところだが・・・入館してまず一番最初に行くべきおススメスポットがあった。それが「タオルガチャ」である。無くなってしまうともう入荷はないので、売り切れる前にゲットしておきたかった。3月17日に来館した時は残念ながらタオルが品切れ状態だったのだ。というのも、志摩マリンランドのオリジナルグッズは非常に少なく、スタンプラリーの缶バッチか、マンボウ館にある記念メダルか、このタオルガチャのタオルかのほぼ3択と言っても過言ではない。非常に残念なことに、缶バッチと記念メダルは既に完売していたので、残るオリジナルグッズはこのタオルしかない。朝ならまだ売り切れてはいないだろうと思い、売り切れる前に欲しいと、入館してすぐガチャを目指したのである。
1回300円の今治産のタオル。タツノオトシゴのカプセル入れも味が出ていて良い感じだ。まだたくさんあったので、一安心。フォースさんらに先にガチャを回してもらう。なお、フォースさんAは顔出し厳禁との話で、片方だけぼかしを入れるのもあれなので、フォースさんら両方ともにぼかしをいれることにした。記事では人物ではなく、レンタルの雰囲気を楽しんで頂きたい。
おそらく久々にガチャガチャを回しただろうフォースさんらは楽しまれていた。マンボウのタオルがある以上、私もやらねばならない・・・でも他の来館者もやりたいだろうからあんまりたくさんは回せない・・・でもマンボウのタオルは欲しい・・・と悩んで2回やろうと決心。すると・・・
!!! この!!! 青色は!!! 一発目でマンボウタオルキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! なんというグッドラック!! まさか一発目で出るとは!!! やりましたよ!!! もう志摩マリンランドでやりたかったことの9割は達成したようなものである。テンションが爆上がりした瞬間だった。2回やろうと決めたのでもう1回も・・・マンボウキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! ありがとう志摩マリンランド!!! ちゃんとマンボウ研究者にマンボウのタオルを引かせてくれるあたり優しみが深い!!! 大満足のガチャであった。オリジナルグッズが欲しいと言っていたフォースさんにオリジナルグッズを買ってもらえて良かった。
ガチャガチャを終え、改めてエントランスにも戻り、順番に館内を進むことにした。入館してすぐ右手にあるパンフレットコーナーで、フォースさんらに「パンフレットは今ゲットしておかないと二度と入手不可能ですよ」と入手することを薦めた。そこで、スタンプラリーの缶バッチが売り切れであることに気付く。それなら、スタンプラリーをするだけでもいいだろうと、台紙を取り、喜々して大人3人でスタンプを押して回ることになった。特にフォースさんBはスタンプは「スタンプ押すのは結構楽しんだよね」とノリノリであった。フォースさんBは水族館自体に入るのが10年ぶりくらいとの話だった。
スタンプを探しながら、まずは化石コーナーへ。水族館で化石が展示されているのは珍しいよねと話しながら3人で順番に見ていく。3月17日に来た時はほぼ飛ばした場所なので、今回改めて閲覧して新鮮味があった。部屋の真ん中には、化石とその化石の現生魚類が一緒に展示されてあってなかなか凝っているなぁと感じた。例えば、チョウザメの化石とチョウザメが一緒に展示されている。
フォースさんAにマンボウ以外の魚類も詳しいのかと聞かれ、一般の人よりは詳しいと思うがマンボウ以外はそんなに詳しくないと返した。化石を見ていく中で、マンボウの骨格の話をする。マンボウの骨格は肋骨がなく、背鰭と臀鰭が長く伸び、尾鰭がなく、代わりに背鰭と臀鰭の一部が変形してできた舵鰭があるのが特徴である。マンボウ類はこの背鰭と臀鰭を同時に動かして泳ぐ。マンボウの泳ぎ方はペンギンと似ているが、ペンギンは左右の同じ器官であるヒレを動かして泳ぐの対し、マンボウは背鰭と臀鰭という異なる器官の鰭を使って泳ぐのでかなり特殊な魚類なのだ。マンボウと同じように背鰭と臀鰭を同じように動かして推進力を得ている魚類はシーラカンスしか知られていない。この話をすると、フォースさんAは衝撃を受けたと楽しそうだった。
化石コーナーから出てくると、海女の実演コーナーの水槽をチラ見する。フォースさんらは水槽と水槽の間でやる気無さそうにしている魚が面白かったとのこと。
入口前に展示されている、この日おススメの魚・アオギハゼも観察する。確かに上を向いている個体が多いが、下を向いている個体も若干いた。何故上を向ているのかとフォースさんらに聞かれ・・・浮袋が大きいから?と私も理由はよくわからなかった。その流れでタチウオも上を向いているとの話になった。
暗い通路の水槽展示を少しずつ見ながら、スタンプを回収しながら進む。我々だけでなく、他の大人の方々もスタンプを押して回っていたので、みんな大好きなのだ。
フォースさんBがお気に入りになった水槽はウツボがぎゅーぎゅー詰めにされている水槽だ。入れ過ぎだろ!というツッコミは最早定番である。あと、カクレクマノミがいるイソギンチャクだらけの水槽もお気に入りだった。
何となくチラ見してスルーしそうになったオニオコゼ水槽で、フォースさんらを呼び止め、色彩変異の話をする。オニオコゼは通常黒褐色だが、アルビノなどで色素が足りないと黄色など他の色になる。
私が個人的に気になったのはキッシンググラーミーである。しかし、どの水族館で見てもいつもキスしてくれない。
上皇陛下が命名したアケボノハゼ、志摩マリンランドで和名を提唱したニシキアナゴといった分類学的な展示も閲覧する。
個人的に少し驚いたのが、乳母車に乗せられた犬も入館していたことだ。他の水族館でも飼い犬を見たことは記憶にない。
階段を上って、回遊水槽に出る。ちょうどタイミングよく、海女の実演の時間だった。「魚を採る海女が魚に餌をやるのはどんな気分なんだろう」となかなか鋭い疑問を呟くフォースさんら。魚達は慣れているようで、円形水槽を回って泳いでいたはずが、何とか餌を食べようと、ショートカットして海女の体の周りをぐるぐる回る。大人気で人が多かった。
フォースさんBがお気に入りの密集したタツノオトシゴ。これは私も何となく気になってしまう水槽だ。
また、近くにある変態したウーパールーパーの水槽も面白かった。ググってみると、甲状腺ホルモンの影響で陸適用の成体に変態させることができるらしい。
特別展ザ・ファイナルは手書きのPOPが魅力的なコーナーで、飼育員の熱い思いが感じられた。営業休止の発表から1ヶ月足らずで特別展コーナーを作り上げてしまうとは。また、来館者からのメッセージもエモすぎて読めば読むほど目頭が熱くなる。
タッチングプールは子どもが多いのでチラ見してスルー。背比べコーナーはフォースさんらも記念に一枚を撮っていた。
そして、いよいよメインのマンボウ館へ。マンボウ水槽では3月17日に来た時と同じ4個体がまだ飼育されてた。ちゃんと生きててくれて嬉しい。こちらの記事で書いたように、珍しい背鰭・臀鰭短縮の奇形個体に注目してもらう。背鰭短縮個体は私が人生で初めて出版したマンボウ論文でも取り上げている。
マンボウの泳ぐ様子を三人で観察する。マンボウの複数飼育する水族館は非常に少ないので、減ってしまうのは悲しい。背鰭・臀鰭を同期させて泳いでいること、開いたままの口だが中に水止膜があってそれで呼吸していることなどを解説した。
また、マンボウ水槽の周りにいくつもある看板やPOPも読みながら、マンボウに詳しくなって頂く。
記念メダルはもう完売していた。フォースさんAは買えなくて残念がっていた。これは無念である。
マンボウ水槽の周りで30分ほど過ごした。12時半頃、水族館の食べ物屋に行き、ありがたくご馳走して頂いた。伊勢うどんとてごね寿司のセットだ。
ランチを食べ終えて、少し休憩している時に、持ってきたマンボウアイテムを展開する。マンボウの脊椎骨は実際に触って頂き、サメの脊椎骨よりもスカスカで軽いことを実感して頂いた。
マンボウの肝油は実際に臭いを嗅いで頂き、マンボウ臭を嗅いで頂いた。フォースさんらは医療系も齧っているので、そっち方面の話で、マンボウの肝油を切り傷に付けると治りが早いと言われる合理的根拠を教えて頂いた。切り傷は乾燥させるより少し湿っていた方が治りが早いとのこと。これを考えると、マンボウの肝油は傷口を乾燥させない役割と、油なので水を弾く役割が考えられるので、傷の回復に貢献するとの考察だった。傷口が魚臭くなるけど、マンボウの肝油は水仕事である漁師の知恵が詰まっていたのだ。
そして同人誌。マンボウ水槽で飼育されていない、ヤリマンボウ、ウシマンボウ、カクレマンボウ、クサビフグに関する解説をした。続いて、探偵ナイトスクープに出現した時のマンボウの軟骨ボールに関する解説を行う。フォースさんらにその実物を見て頂いた。
いろいろ解説していたら、また人が込み始めたので、場所を展望台に移すことにした。展望台は湾を一望でき、風通しもよく、椅子と机がいくつかあるので、マンボウアイテムを展開するには最高の場所だった。ここでフォースさんらにマンボウの干物を見て触って頂く。マンボウの形態的特徴、骨格、種の識別法などを解説。フォースさんらマンボウの歯に気付いたので、マンボウの歯は歯骨と癒合していることをお話しした。
同人誌を使って、まだ話していなかった古文献の話、寄生虫の話、都市伝説の話などを解説する。マンボウの本の話になったので、私の著書2冊を見て頂く。
著書を見て頂いている間に、レンタル博士恒例のマンボウ一筆書きの準備をする。比較的単純な形態のマンボウの絵と言えど、人によって描かれるものは違うので味がある。これがまた面白い。
こちらがフォースさんAに描いて頂いた絵。真横ではなく、斜めのアングルに挑戦された。上手い。
こちらがフォースさんBに描いて頂いた絵。マンボウの特徴を捉えている。矢印は肛門の位置を示したとのことだが、正確には臀鰭の前なので、これは間違っている。干物の解説をする時に肛門の位置の話もしたらよかったと少し反省。
描いて頂いた絵は私の宝物だ。
続いて、マンボウに助けられた人の話、乾燥したマンボウの眼に蛍を入れる話、私が使っている調査シートの話など、資料を展開していく。
楽しい時間はあっという間に過ぎてゆく。レンタル博士の魅力は実物の標本や資料を並べて、その場で議論ができることだと思う。私も解説出来て楽しいし、聞いている方も気になることを聞けて楽しいと思う。私は既に知っている情報を話すのだが、人によって持っている知識が違うので、同じ話をしても反応は人によって異なる。そこからまた新しい知識が生まれることもあるのだ。
一通り持ってきた資料を紹介し終えて、パソコンを使ってさらに資料を見せようか、館内を回ろうか迷った時、フォースさんAのタイムリミットが16時半頃と発覚。それなら館内をもう一度見て回った方がいいだろうと考え、館内に戻った。私が解説をしている最中、後ろでは職員の海女さんがテレビの取材を受けていた。
マンボウの知識を付けて頂いたので、再びマンボウ水槽に戻り、マンボウの観察をして頂く。この間、私はタイムラプス映像を撮りたかったので、マンボウ館入ってすぐのアングルで設置した。のんびり泳いでいるイメージがあるマンボウだが、タイムラプスにすると結構世話しなく動き回っていることがよくわかる。
解説パネル前にちょうどやって来たので記念に一枚。
マンボウ水槽でじっくり眺めていたが、15時半になり、いよいよフォースさんらの人生最後の志摩マリンランド滞在時間が1時間を切った。他に見ておきたい場所はないかと聞き、再度本館へ。マンボウとはここでお別れした。この日はマンボウの餌やりは見ることができなかった。
館内を歩き見てて、私がビックリしたのがキッシンググラーミーの水槽だ。初めてキスしているのを見ることができた。結構厳つい感じでお互いにメンチ切っている。見たかった行動なので見ることができて嬉しかった。
また、各水槽で餌やりが行われたようで、魚が活発に動いていた。個人的にはコバンザメが泳ぎ回っているのが新鮮だった。
順路を逆に回り、ちょうど海女の餌やり実演が見られる水槽の前に来たところで、再び海女さんの餌やりを見ることができた。こちらの水槽側はほとんど人がいないのである意味、近場でショーを見ることができた。結構魚が海女さんにぶつかっていた。
16時が過ぎ、いよいよ電車に乗る時間が迫る。志摩マリンランドの良い所は、駅まで徒歩2分であることだ。名残惜しくも志摩マリンランドを後にした。
「楽しい休日になりました」とのことで、フォースさんらに楽しんで頂けたようだった。レンタル博士の第一モットーは楽しんで頂くことにある。志摩マリンランド最後の想い出を共有することができて光栄である。twitterでは繋がっているし、また会うこともあるかもしれない。それぞれ研究業界は異なるが、コラボできる機会もあるかもしれない。また機会があれば会いましょう!とのことで、フォースさんが電車に乗るのを見送った。
家を6時半に出て、賢島でレンタル開始したのが10時~16時半。6時間半、濃厚なマンボウ・志摩マリンランド時間をお楽しみ頂けたのなら、私も嬉しい限りだ。
【感想】
今回、研究者二人の方にレンタル博士されたのだが、前回同様、他の研究者の方からも需要があることに驚いた。レンタル博士は一般の方からの依頼がメインで、研究者からは来ないと思っていた。分野は違えど、同じ研究者なので、初対面でも研究者あるあるは共感しやすい。大人三人ブラブラと水族館を見て回る。童心に返ったようでとても楽しかった。志摩マリンランドの想い出が濃く刻まれれば嬉しい限りである。
この活動をより多くの人に知ってもらいたいので、面白いと思った方は広めてくれると私は嬉しい。私を個人レンタルしてみたいという方がいれば、twitterか下記ホームページからご依頼お待ちしていまーす!
過去のレンタル博士
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【余談】
フォースさんらを見送った後、まだ閉館まで時間があるので、志摩マリンランドに戻ろうか、賢島を散策しようか考えて、明日も志摩マリンランドに行くから今日は賢島を散策しようと決めた。志摩マリンランドと逆方向、賢島駅を下って海側を歩くと・・・閑散としていた。開いている土産屋に行くと、昼は開いているが15時くらいままで多くの店は閉まり、17時以降はほぼ開いている店はないとのこと。地元の特産品を聞き、アコヤガイの貝柱の酒漬けを買った。私が土産屋を出るとすぐにシャッターが閉められた。17時を回ったのだ。
海岸沿いを歩いていくと残酷料理という看板が目に飛び込んでくる。何だろうと思ったが、その答えは唯一開いていた賢島駅前の料理屋でわかった。夕食を食べようと店に入り、イセエビの刺身を頼むと活造りで出てきたのだ。頭はまだ動いてギチギチと鳴いていた。命に感謝しながら体の方を頂く。甘くて美味だ。頭の方は体の方を堪能した後、みそ汁にしてくれるとのことで頼んだら、真っ二つに勝ち割って出てきた。さっきまで生きていても食べ物は食べ物だと割り切って美味しく頂くのが礼儀である。イセエビは2500円かと思っていたら5000円で、かなりリッチな夕食になってしまった。一生の思い出にしよう。
夕食後、賢島に唯一ある駅中のコンビニに行くと、もう閉店寸前だった。18時で閉まるというネット情報は本当だった。一度ホテルでチェックインし、その時にフレンドリーな受付スタッフにいろいろ話を聞くと、賢島の店がほぼ閉まってしまうので、夕食は賢島の外にある食べ物屋まで車で送迎してくれるホテルサービスがあったとのこと。これはミスった。
荷物を置いた後は、再びマンボウのモニュメントに向かう。夜の姿を撮影したいと思ったのだ。さすがにもう来観客は誰もいなかった。志摩マリンランドの職員が帰っていくのが見える。モニュメントはライトアップされていた。誰もいないので、モニュメントに接近して、いろんな角度から写真を撮る。明日は夜の姿を撮影できなかもしれないと思ったので、満足するまでたくさん撮った。
触ってみると材質は割とツルツルしている。さすがに本物のマンボウの鱗のようにまでは再現されていなかった。蚊らしき虫がモニュメントにとまっていた。そう言えばサンプリング時に解剖していたらマンボウにも蚊がとまっていたなぁと思い出した。だいたいイラストやフィギアでは省略されがちな鰭基部にある「帯」がしっかりと描かれているのはこのモニュメントの再現度の高さを示す好感ポイントだ。
眼も接近してみると手のひらくらいの大きさがある。
下部を見ていたら何やら穴を発見。これが肛門のつもりだったら、場所は間違っている。マンボウの肛門は臀鰭のほぼ直前だ。
水族館の方を見ると、マンボウ型の木が目立っていた。閉館後、スタッフは最終日の準備として館内を装飾していたのだろう。
真っ暗な夜に浮かび上がるマンボウのモニュメントが撮りたい・・・まだ完全には暗くないので、一度ホテルに戻る。ホテルの受付で、一番近いスーパーを聞いてみた。三重県は今の時期マンボウが漁獲されるので、スーパーに並んでいる可能性があるのだ。話をいろいろしてみると、賢島でもマンボウは食べるみたいだが、めったに市場には出ないらしい。もっと南の方に行かないとダメとのことだった。それでも一応見ておきたい。近くのスーパーまで送迎車が使えるか聞いてみたところOKとのことだったので、車が返ってきたらイオンまで運んでもらった。ザっと確認してみたが、残念ながらやはりマンボウは売っていなかった。帰り道にマンボウのモニュメント前で降ろしてもらう。最高だ、真っ暗な闇の中にマンボウのモニュメントが浮かび上がっていた。
強面のマンボウもイイ・・・
記念に一枚。
いろんな角度から撮影していると、モニュメントの影がマンボウ型になっていることに気が付いた! これは夜ならではのマル秘撮影スポットだ! 喜々して写真を撮りまくった。
写真を撮りまくっていたら雨がポツポツ降ってきたので、傘を持っていないのでヤバいと思って、ホテルまで走って行った。夜はコンビニで買った地元特産のクラフトビールを飲みながら写真データのバックアップを取り、この日は眠った。
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