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夢日記418 ~ 熱き清掃魂 ~

 芸能人たちが大きなスタジアムを貸し切って、スポーツ大会をおこなうことになった。私は、そのスタッフとしてスタジアムに行ったのだが、楽屋や観覧席などは、大会の開始前から大量のゴミであふれかえっていた。にもかかわらず、芸能人たちは自分たちが出場する競技のことなどに夢中であり、まったく掃除をする気配がない。

 以前に勤務校で美化を担当していた私は非常に腹を立てて、勝手にひとりで清掃活動をおこなうことにした。しかし、清掃をするといっても、分別をするためのゴミ袋が大量に必要だったうえ、「燃えるゴミ」・「燃えないゴミ」・「カン」・「ペットボトル」などのゴミ袋をかついで移動するだけでもひと苦労であった。しかし、私は自分が正しいと信じて、清掃活動を続けようとした。

 そして、いよいよ私は、グラウンドに散らかったゴミも片づけるため、大勢の芸能人が談笑している中、堂々とグラウンドに出ようとした。そんな私のようすに、女性芸人「ゆりやんレトリィバァ」が気づいた。ゆりやんは、私のしようとしていることに感銘を受けたらしく、「いけー!! やったれー!!」というふうに激励のことばをかけてきた。どうやら、ゆりやんは、グラウンドのド真ん中で私がマイクを使って「ゴミだらけの状況がいかにおかしいか」を芸能人たちに主張することを期待しているらしい。しかし、私には、そこまでする気はなかった。

 私は、淡々と、無言でグラウンドの清掃活動をおこなった。すると、ゆりやんを始めとする数名の芸能人たちがさらに感銘を受けたらしく、私の清掃活動を手伝ってくれるようになった。一部の芸能人たちは、勝手に清掃活動を始めた我々に対して、冷たい視線を向けてきた。そんな中でも、清掃ボランティアスタッフは少しずつ増えていき、グラウンドや会場はどんどんキレイになっていった。

 しかし、もとがあまりに汚なすぎたために、どう考えても競技の開始時間には間に合わない。とはいえ、「間に合わないから清掃をやめる」というのは、おかしな話である。私は、「ただその場所をキレイにするのだ」という信念をもって、淡々と清掃活動を続けた。

 そうするうちに、いっしょに清掃をしてくれている約10名の芸能人とも強い絆で結ばれてきた。その後、体重が百数十kgほどと思われる巨漢の男性芸人も、我々の活動に感銘を受けて、いっしょに清掃をしてくれることになった。彼は異様に気分が高揚し、ついには服をも脱ぎ捨てた。そして、彼は、大興奮して叫び声をあげながら、ほぼフンドシ一丁の状態でダッシュし始めた。

 私は、彼がどこにダッシュしていくのかを見守っていた。最終的に、彼はフンドシ一丁のまま、グラウンドを見下ろすことができる観客席の一角におそろしくカッコいい姿で立ち、髪を振り乱しつつ月明かりに照らされながら、グラウンドを見下ろし始めた。そのようすを眺めながら起床。

                            < 完 >

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