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経験も経歴も多種多様! ソフトウェア開発チーム座談会<前編>

組み込み設計から完成品開発までこなすモノづくり企業ユー・エス・イー(USE Inc.)。
エンジニアにインタビューし、エンジニアの魅力や、エンジニアとしての仕事の流儀、今後の展望などをお届けします。


今回お話を聞いたのは、リーダーと3名のメンバーからなるソフトウェア開発チーム。座談会形式でのチームインタビューをお届けします。


チーム全員が中途入社、中にはエンジニア未経験者も

前職は設計エンジニア、WEBエンジニア、一般事務などまさに多種多様

―皆さん中途入社で、前職もエンジニアとしての経験も様々です。組み込みエンジニアになってみていかがですか?

MS「私はもともと組み込み志望だったのですが、実際に製品を開発している職場にはなかなか巡り合えず、3社目のUSE Inc.でやっと組み込み開発ができるようになりました

入社後はまずCarPlayの開発。その後、国内メーカーのヘッドフォン開発をしました。他のヘッドフォンと無線でつながって音を共有できる機能がついていたり、LEDで光ったりするもので、大変でしたが楽しかったですね。客先常駐という形でまたCarPlay開発に戻り、今はE-BIKE関連の開発をしています。」

TM「組み込みの難しさを今まさに実感しているところです。前職で扱っていたWEBページの修正は、自分が作っているページのデータを確認して完結することが多いのですが、組み込み開発の場合はもっと複雑なんです。システムのうち、自分が見ている範囲で不具合があったとしても、その原因が必ずしもその範囲内にあるとは限らないし、いくつもあるシステムそれぞれが動きながらお互いのデータを参照し合っているので、把握する必要がある箇所も確認する必要がある箇所も圧倒的に多いんです。修正する際も、他のシステムに与える影響を考えながら行うので、正直とても難しいですね。」

―同じエンジニアでも設計から組み込みエンジニアになったSSさんはどうですか?

SS「私の場合は作っているものが目に見えないのがもどかしいと感じています。前職で行っていた車の設計業務の場合、画面上で作っているものを明確に把握できますし、自分のイメージ通りに仕上がっているかの確認もしやすいです。組み込みはプログラムのどの部分の処理を行った結果が返ってきているのかが目に見えないんですよね。今無線を使った開発も行っていて、見えない電波でユニット同士を繋いで意図通りに動かそうとしているのも本当にもどかしいですね。

ベテランの方々は『そのうち見えるようになってくる。』とおっしゃっていますが、私自身はまだその次元に達していません。なにか確認する際は、いったん処理を止めて一つ一つ処理を行った箇所を追っていくやり方をしています。」

MS「慣れてくると、システム全体を把握することでおおよその見当をつけられるようになってきますよ。我々のチームで引き継いだのはもう作られている製品、つまり別の人が作ったものだったので、後追いでシステム全体を把握するのはまた別の難しさがありますよね。」

YA「私はエンジニアすら未経験で飛び込んでみて、コーディングは楽しいなと思っています。

組み込み開発では、経験の浅い私でも使ったマイコンに関してはとても詳しくなれるんです。逆にベテランの方でも初めて使うマイコンだと使い方や陥りやすいクセはわからないので、特定のマイコンに関しては私の方が詳しくなってアドバイスできるということもあります。そういうのが嬉しいですね。」

SS「経験した分のアドバンテージは取れますよね。最初使った時にわからなかったことやミスを解決してきているので、そこではもうつまずかなくなりますしね。エラーも基本的に英語で書いてあるので、なかなか一度では理解しづらい。だからこそ知っているかどうかの知識の差がアドバンテージになるのだと思います。経験一年半の私でも同じように感じています。」

多彩なバックボーンを持つメンバーで開発したもの

サイクリストには必須のサイコン。開発したのは別メーカーのもの。(写真提供:小山智也選手)

―この4名のチームで、E-BIKEのサイコンやスイッチユニットを作ったと聞いております。

MS「別チームが作っていた製品を2022年4月にこのチームで引き継ぎました。この4名で残っていた不具合対応や追加機能を行っていましたが、今は状況も落ち着いてきたので、それぞれ別の開発を行っています。」

―1年ほどのチーム開発だったのですね。開発中の大変だったエピソードなどありますか?

MS「サイコンもスイッチも機構としては単純なので基本的にそこまで大変になることはないのですが、ある不具合対応には苦労していましたね。」

YA「私が担当したんですが、2週間くらいハマって苦労しましたよ。不具合の内容からBLE周りにバグがありそうと狙いをつけて探していたのですが、どうしても見つけることができませんでした。後から合流したTMさんに業務を引き継いだ途端に解決したんですよ。正直悔しかったですね。」

TM「自分は後から合流したのでラッキーな面もありました。BLEに詳しいYAさんがそれだけ見て発見できなかったということは、別の箇所に原因があるのかな、という気持ちもありましたし、何より自分自身にBLEに関する知識があまりなかったので、まずは自分がわかるメインマイコンから確認していったらそこで発見できました。起こった現象からは考えられない箇所の不具合だったので、こういうのが組み込みエンジニアの難しさなんだなと改めて感じました。」

―最初の話と通じるところがありますね。MSさん、こういった不具合対応の時は『BLE周りを調べて』というように具体的に指示するのですか?

MS「いえ、そこまではやりません。不具合対応業務として投げて、あとは各担当者で考えてもらっています。もちろん行き詰った時などは相談に乗りますけどね。」

YA「そういう難しいことをやっていくのが楽しいですよね。難しいと思うことに取り組んでいる時に、一番自分の成長を感じます。」

SS「リーダーから振っていただいて経験していること全部が経験と知識になっていると思っています。」

TM「私はひたすら自転車を漕いで検証や評価業務をしていた時期も長かったのですが、そのおかげもあってE-BIKEのシステムに関しては誰よりも詳しくなったと思いますよ。私のアドバンテージですね。」

MS「誰よりも詳しくなりましたよね。最初はE-BIKEのシステムを把握してもらうためにやってもらっていたのですが、途中から人が足りなくなって検証や評価業務の期間が長くなり申し訳なかったなと思っています。」

チーム作りの話からも感じられるチームの雰囲気の良さ

チームメンバーの「良いところ」が次々に出てくる

―このチームでの業務の割り振りなどはどうしていましたか? 皆さん経歴も経験年数もかなりバラバラですよね。

MS「基本的に未経験の業務を振って経験を積んでもらい、知識の幅を広げてもらう事を意識していました。まずはやってみることが大事ですからね。とはいえ、納期が短いものなどは経験者に振るなど、状況に応じての判断はしていました。人によっては私のやり方は『雑』とか『適当』と感じているかなとも思っているんですが……。」

TM「悪い言い方をすると『雑』になるかもしれませんが、私にとってはフランクなリーダーです。気にかけてくださっていると感じることも多いですし、仕事もしっかりしていて人徳のある方だと思っています。」

SS「私もそう思います。席が近いのもあって日々の進捗を確認してくださるといった面はマメですよね。

『雑』というのはやったことのない業務を突然振って、それに関する情報をあまり言ってくれないというところなのかなと思います。でも、経験の幅を広げさせようと考えてのことだと思っていますし、先に情報を言わないのも自分で苦労してそこにたどり着いてほしいということだと理解しています

なにか困っている時に相談すると、こちらが考えられるようなアドバイスをいただけますし、つまずくこともある程度は想定済だと思うんですよね。話しかけやすい雰囲気ですし、良いリーダーに当たったなと思っています

話の要点をまとめるのも上手ですよね。顧客への報告の際など、私は取り留めなく話してしまうこともあるのですが、リーダーが要点をうまくまとめてくださっています。」

YA「私は今の部署で一番リーダーらしいリーダーだと感じています。リーダー自身が遅くまで仕事をしている時でも、私たちへの指示がきちんとあるし、常に気にかけてくださっているのを感じます。また、面倒なことも引き受けてくださるという場面も何度も見ていて責任感のある方だなと思っています。」

―MSさんの雰囲気や仕事の割り振りのおかげもあり、良いチームだったんだなというのが伝わってきますね。

SS「私は、リーダーの狙い通りに組み込みだけでなく、BLEや無線に関する知識なども習得できていると思っています。マイコン同士の通信間のやり取りについては、部署の他のメンバーよりも詳しくなれたと自信を持てるくらいの経験を積むことができたのは、リーダーの仕事の割り振りのお陰だと思っています。」

MS「そうですね、皆さん狙った通りに経験から習得して力をつけています。どんな業務でもまずはやってみるところからですよね。」

―MSさんは以前からPL業務を行っていたのですか?

MS「いえ、今回が初でしたね。自分自身がメンバーとしてPLの仕事を見てきていたので、ある程度の内容はイメージすることができました。PLもいろいろなタイプの方がいると思いますが、声をかける、こまめに気にする、アドバイスを求められたら明確に答えるなどに加えて、説明が得意ではないので、何か説明した後に相手に伝わっているかを確認することを心がけています。」

―リーダーから見て、チームメンバー3名の印象はいかがですか?

MS「SSさんは器用、YAさんはコツコツタイプ、TMさんは資料作りが上手ですね、細かいところまで調べてありますし自分よりも上手だと思います。」

TM「私はまだ経験が浅くドキュメントに求めるものが多いからこそ細かいところまで調べて書きたくなるのだと思います。組み込みに限らず、エンジニア業界ってちょっと言葉足らずなところがあると思うので、そこは補うようにしています。」

SS「TMさんの資料はよく調べて作っている分、顧客とのレビューなどの場面でも伝わりやすいし、質が高いなと思いますね。」

YA「SSさんの図は、とても見やすいですよね。」

SS「それは前職の影響もあるかもしれません。設計業務は1ミリのズレも許されないので、図形サイズを揃える、位置を揃えるクセがついているんですよね。説明が苦手な分、見やすい資料で補いたいという気持ちもあります。

YAさんの手順書は本当にわかりやすくて、その通りにやれば操作が完了するレベルですね。報告資料なども関数や変数、値なども細かく入れてあって情報量が多いと思います。」

MS「YAさんはやっていること全部メモっていて、最終的にまとめる時にはそこから情報を抜き出している感じですよね。」

YA「それはありますね。自分用メモは雑すぎて自分でもわからなくなることもありますが、細かく書いているのでコツコツタイプと言われるのかなと思います。」

―皆さんお互いの良いところがどんどん出てきますね、チームとしての雰囲気の良さが伝わってきます。

<後編へ続く>

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vol.1 歴37年のエンジニアが若手に求める3つのスキル
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vol.3 日本のモノづくりを支えてきたエンジニアが語る35年のエンジニア人生
vol.4 技術が代名詞になるほど専門性の高いエンジニアになる方法とは?
Vol.5 エンジニアとしての『プロフェッショナル』を極める
vol.6 エンジニアとして覚悟を決めた時
vol.7 技術もマネジメントも「伝える」「伝わる」エンジニア
vol.8 技術力はお墨付き 今も開発を楽しむエンジニアの原動力となるもの
vol.9 文系出身エンジニアがソフトウェア開発現場で活躍するには
vol.10 グローバル人材が活躍中 ベトナム出身のエンジニアにインタビュー


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