雇用に関する諸問題

今回は、労働分野の法律の主なルールを書きます。

労働分野の仕組み( 雇用制度)は、時代の流れに従って変わりますが、労働者の保護という基本的な理念はいつも同じです。労働者の保護は、様々な法律などにより、主に、雇用主の権利や自由を制限(規制)し(つまり雇用主に有利過ぎるやり方は認めない)、反対に労働者に権利を与えるという方法により実施されます。

では、なぜ労働者が守られるのでしょうか。労働者は会社のために一生懸命働いているのだから、守ってあげないと可哀想というイメージはあるかもしれません。しかし、労働条件は労働者と雇用主の契約により決まります。契約というのは、どんな内容であっても本来は自由です。自分の意思で条件に納得して会社に入った人達全員が可哀想というわけではありません。

労働者が守られるのは歴史的な理由があります。もし何も規制がないと、

① 労働者は給料を貰わないと生活できない。

② 生活できないと困るので、雇用主の言うことを聞くしかない。

③ その結果、常に雇用主の立場が強く、不公平な契約をさせられる。

④  不公平な契約になると労働者は安い給料で大変な仕事をやらされる。 

⑤ そうすると、労働者は不満をため、いつか暴動やストライキに発展する。

このようなことになってしまい、社会が大混乱に陥ります。

労働者を守るということは、このような状態を解消することです。本来は、どのような契約をするのも自由ですが、これを放置すると社会の大損失につながります。そうならないように、自由な契約に法律が介入し規制をする必要があるのです。

そのために、雇用主の権利や自由を制限する必要があるのです。 それでは、今の法律の中では、具体的にはどのような規制があるでしょうか。比較的問題になりやすい事項について、いくつか書いていきます(順不同)。