見出し画像

After(With)コロナ時代の教育を探る -①経済の現状と変化を捉える-

はじめに

※この記事は視聴したNews Picksの動画や記事コンテンツの内容をベースに、個人的に整理したいと思った情報を自身の備忘録としてまとめるために作成しています。(良質なコンテンツを編集・発信し続けてくれるNews Picksに感謝。)

従って、他者に対して「こうすべき」と啓蒙するような特定のメッセージを発信する意図はない記事ですが、情報整理は自分だけのものとして閉じておくのではなく、知人と共有しコミュニケーションを介しながら発展的に考え学びを深めていきたいと思い、書き進めていった結果記事っぽい仕上がりになりました笑。
大まかな理解をざっくりとまとめているため、枝葉末節の突っ込みはご容赦いただければ。大きな問題箇所があればすぐに訂正します。

さて、タイトルは「After(With)コロナ時代の教育を探る」と置いているのですが、ここを考えていく上で、まずそもそもコロナショックによって経済がどのような状況にあり、今後どう変化していくのかをマクロで捉える必要があるなと考えました。

※企業とZ世代の共創による価値創造(を通じた世代を超えた双方の自己成長)を一つのコア事業としている弊社では、教育と経済の距離を近づけるという挑戦をしている側面もあり。

そこで、この記事ではNews Picksの以下視聴動画内容をまとめながら、コロナショックが経済に与える影響を整理していきたいと思います。

参考・引用元動画:コロナショックは小売り業界をどう変えるか?
(マザーハウス代表取締役:山崎大祐氏)
※有料動画コンテンツ

動画では、元ゴールドマンサックス証券のエコノミストでもある山崎さんがコロナショックの今とこれからを非常にわかりやすく分析し、説明してくださっていました。小売業界を中心とした話ではありますが、広く社会や経済全体に当てはまる内容だと思います。

1.東日本大震災とコロナショックの違い

▼インパクトリージョンと自粛の「あり方」の違い
16,019名と多くの死者を出した東日本大震災は我々の心に大きな爪痕を残し、経済にも大きな影響を与えましたが、主に東北を中心とした立て直しがベースでした。この時も過度な外出や消費・浪費は控えようという自粛ムードが漂いましたが、これは一部地域での放射能被曝という物理的影響を恐れての自粛と、「今は楽しむ時じゃないよね。。」という心理的な影響を鑑みての自粛の2つが主だったとおもいます。どちらにせよ、自粛の選択有無は個人の裁量余地が大いにありました

例えば関西圏は当時放射能から逃れようと移動した関東圏からの流入などもあり?、個人の消費動向でいうとほぼ下がらず2011年4月時点では改善したというデータもあったようですが、地域も時間軸も結果としては限定的だったと。

対して今回のコロナショックは言わずもがな世界規模であり、逃げ場は世界のどこにもありません。また「自分も、周りの大切な人の命も奪ってしまうかもしれない」という物理的影響が大きすぎるが故の自粛で、心理的な影響が云々の話ではありません。日本は現行の法制度上、個人の行動選択余地は残されているものの、世界各国の取組みや実態ベースで見れば、個人の自粛する/しないの選択肢は震災と比べるとほぼ無いという状況です。

2.リーマンショックとコロナショックの違い

ヒト・モノ・カネの観点から大まかに言えば、両者の違いは

リーマンショック=信用不安  :カネが動けない状況が問題
コロナショック =実体経済不安:ヒト、モノが動けない状況が問題

であると山崎さんは述べられています。

リーマンショック
(=信用不安)

[課題]
 サブプライムローン問題からカネの動きがstack
[結果]
 金融市場でリスクを取らなくなる
[対策]
 金融当局が金融市場にカネを投入
 →リスクを小さくし、良い企業からカネの流れを作り直していく
 →全体の信用不安を解消、と信用の期待値調整で解決。

これに対し、今回のコロナショックを比較すると

コロナショック
(=実態経済不安)

[課題]
 コロナウイルスにより、ヒトやモノの動きがstack
[結果]
 ヒト・モノが動く→カネが動くという経済の前提が成立しなくなる
[対策]
 単純にカネを投入するだけではNG。ヒト・モノの動きを止めている
コロナウイルスとの付き合い方を定めていく必要あり

と、両者には上記の明確な違いがあると。金融資本の投入だけではリーマン時のような解決は望めません。

外出不可でヒト・モノも動かず、この状況がいつまで続くかもわからないという危機的状況を冷静に考えれば、今回のコロナショックが医学的にも経済的にも戦後最大の危機という表現に落ち着くのも納得です。

3.コロナショックのこれから

インバウンド需要もなくなり、小売りや飲食、観光業などは軒並み経営危機に立たされている状況で、こうした危機を政府が打ち出す財政政策でどこまで下支えできるかが肝の中、山崎さんは下記状況がさらに進むだろうと説明しています。

1.マインドの悪化
現状はいま何が起こっているのか、あまりはっきりとデータ整理できていない状況。統計データは2ヶ月遅れで出てくるので、今の状況が2ヶ月後に冷静に分析され、経済の悪化状況が明示されると、消費者心理もさらに落ちこむだろう
2.雇用調整の加速
特に小売り(就業者数:1000万人)や飲食・ホテル(450万人)はヒトの割合/影響が大きいため、ヒトが持たず、失業者の増加や給与削減といった機会に直面
基本的にはズルズル下がっていくだろうが、大企業の雇用調整がどこまで踏ん張れるかはひとつポイントになるのでは
企業の内部留保は時間軸で見ても過去最大規模
・beforeコロナ時はヒト不足で、むしろ人材確保に資金積極投入フェーズ
→この資金をどこに、どう活用するのかで大きく変わる
 1.会社をガラガラポンして変えるのか?
 2.雇用を守っていくのか?
(震災時は2.を選択し、顧客や雇用を守りに入る企業の方が多かった)
3.海外需要の低下
TOYOTAの豊田社長も「需要が蒸発した」とすでに表現するレベル
4.サプライチェーンの分断
どこのメーカーも生産ができず、生活必需品など消費マインドが上がっているものですら供給できない問題に直面。リーマンの時のような中国の下支えも今回は期待できない。
5.資産効果
株式や不動産などの価格下落は投資家の財布を締め付け。
6.スタートアップバブルの停滞
基本的に投資の多くは新しい挑戦から10倍になるような事業を作ろうという事に対して資金が集まっていたが、今後は消費が10倍になるような絵が描けるモデルを作りにくくなる。危機的状況はヒトがリスクをとる選択を少なくするため、投資家の数や投資額は減少し、結果としてスタートアップ環境は相当厳しくなるだろう

これでもかと連続コンボで経済に致命傷クラスの打撃を重ねてくるコロナの凶悪度はアベンジャーズで言えばまさにサノス、史上最凶の敵です。

この最凶の敵に打ち勝つもしくは共存する(withコロナ)ため
①:ワクチンの開発・提供(までの時間稼ぎの感染者増加の抑制)
②:免疫獲得者のホワイトリスト化→経済活動への参画可能者を増やしていく
③:オンラインで回す経済へデジタルシフト可能な領域へのテコ入れ
④:①〜③の施策アクション中に伴う事業者支出への財政補償

といった施策を全人類が束になって知恵を出し、身を削りながら頑張っている訳ですが、①は長期戦、②も中〜長期戦になることは避けられないため、短期戦(〜中長期戦)が望める③を各領域でどこまで伸ばせるかが重要だよなと、デジタルシフトへの重要性に対する理解が改めて進み、グッと腹が据わりました。

新型コロナウイルスとの医学的な戦いという側面では、限られた一部の専門技術・資格を有する方々に辛い戦いのほとんどを任せるしかなく、我々一般人は個人として3密を避けた行動を取ったり、うがい手洗いを徹底するといったことでしか協力できません。自らの命を天秤に賭けながら、患者の治療や感染者の抑制・調査などの最前線に立っている医療/行政関係従事者のみなさんの努力や苦労は想像を絶するとともに、心からの感謝と敬意しかありません。

が、経済(消費や生産)的な戦いにおいては、私を含めた多くの人たちが、その人に合った様々な戦い方で貢献できる部分がたくさんあるはずです。

山崎さんはこうした未知の強大な敵と永い戦いを強いられる中でこそ、前向きなリーダーシップが何より重要だと語られていました。動画で一番シビれたのがこの部分でした。

4.必要となるリーダーシップとは

「リーダーシップ」について山崎さんは以下のように語っています。

危機的状況には後ろ向きのリーダーシップと前向きのリーダーシップがある
後ろ向きのリーダーシップ
我慢や制限を強いる、守りのリーダーシップ。
→例:「3密を避けましょう」「外出は控えてください」
前向きのリーダーシップ
→例:「(こういう理由で)リモートワークを推進します!そのために法改正もします!予算もつけます!」
宣言されたら、民間やその他がそこに向けて一斉に動きだすもの。しかし現状ははっきり誰も宣言できていない。
・TOPが明確に道や希望を示すことで周囲が動いていき、そこを起点に経済は回っていくはず。
・ビジョナリーな未来志向のコンセプト、政策、メッセージを具体的に発信していくことが重要になる。これは行政、企業セクターどちらも同じ。
・いまこのタイミングでどこに力を入れて、何をやっていくのか、明示する内容自体で組織の動き方は大きく変わる。この難局をどう乗り切っていくのかを考えていく必要がある。
そこにチャレンジするためのお金の不安を取り除いていくことが大事

いやぁ、、ごもっともすぎるなと。。。ハートにグサグサきました。
全然できていないと反省です。身が引き締まりました。
思考や覚悟をアップデートしないといけないと改めて感じた次第です。
山崎さん、ありがとうございます!

※山崎さんの新時代のリーダー論が4/5に公開されています。
↓↓ 

私が事業領域としている教育領域も同様、③のデジタルシフトについてどのような価値創出ができるかが問われています。個人としては下記に対してどのような課題があり、そこに対してどのような打ち手が従来プロセスとのメリデメを比較した時に考えられるか、を丁寧に考えていき、できることをやっていきます。

▼Input機会のデザイン:対個人/チーム
 ・知識の獲得機会(学習→実践→リフレクションのループ支援)
 ・興味の獲得機会(探索→実践→リフレクションのループ支援)
▼Output機会のデザイン:対個人/チーム
 ・テーマ設定
 ・ペルソナ/課題設定
 ・アイデア創造
 ・プロト創造
 ・テスト
 (上記プロセスの実践→リフレクション/フィードバック支援)

手段としてZoomやMiro、Remoなどを活用したオンライン授業の実施、レポートも様々なところで展開されていますが、この辺りは次の記事で教育業界・各事業者の動きや、Z世代との対話を交えながら、自己の考えにも触れていきたいと思います。

(4615文字)

▼弊社HPはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?