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ヌシと夏生

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2020年 第10回ポプラ社小説新人賞1次選考通過作品を、少しずつ手を加えたりしながら公開します。ぜひ、読んでいただけたら嬉しいです。 【あらすじ】 編集プロダクションからIT…
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2024年9月の記事一覧

小説『ヌシと夏生』16_化け猫

「……ここ、ご主人様のお店だったの。私はそこのほら、端っこのイスに座って、ご主人様がお酒…

うさぎ坂
10日前
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小説『ヌシと夏生』15_化け猫

「遅かったな」 玄関を開けるとヌシが立っていた。お地蔵さまも玄関に立っている。 「何をし…

うさぎ坂
2週間前
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小説『ヌシと夏生』14_化け猫

原稿整理に飽きると、夏生は会社を出て電車に乗った。 夕暮れの街並みが、眼下を通り過ぎてい…

うさぎ坂
2週間前
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小説『ヌシと夏生』13_化け猫

「何しろ君は神の使いだからな。神がいなくなったらその神に恨みを持っていた輩が一斉に襲い掛…

うさぎ坂
2週間前
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小説『ヌシと夏生』12_化け猫

化け猫「ところでヌシは何の神様なんだ?」 龍の刺繍の入ったスカジャンを羽織って鏡の前で、…

うさぎ坂
3週間前
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小説『ヌシと夏生』11_ろくろ首

そう女が叫んだとき、ふっと首の力が緩んだ。思い切り引っ張っていた夏生の体がバランスを崩し…

うさぎ坂
3週間前
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小説『ヌシと夏生』10_ろくろ首

「……失礼しました。厚かましくて、すみません」頭を下げる夏生に「いえ。こちらこそお嬢さんにお酒を勧めすぎたかもしれません」と、返すものの不安そうな表情だ。 「ところで奥様は今日のことは?」 「もちろん首のことは黙っています。……ちょっと変わった仕事をしている昔の友人が来るって説明しています。それ以上のことは何も」 きれいで、料理も上手で、親切で。夏生だったら、こんな人と結婚できるのだったら、首が伸びるくらい、どうってことないように思う。なんとなく取り残されたような感じで

小説『ヌシと夏生』9_ろくろ首

返す言葉はない。まだ会社に籍を置いているとはいえ、完全な窓際だ。直属の上司である美津さん…

うさぎ坂
3週間前

小説『ヌシと夏生』8_ろくろ首

「ちょっと待て」と夏生がヌシを制する間もなく「初回のご相談は、つまり今ですね。こちらは三…

うさぎ坂
1か月前
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小説『ヌシと夏生』7_ろくろ首

ろくろ首「あなた……?」 会長室に入ったヌシを見て、美津さんが声をあげた。 いつも物静か…

うさぎ坂
1か月前
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小説『ヌシと夏生』6_地蔵

足が震えて、まっすぐに立てない。体全体が小刻みに震えて自分の意志では止められない。 券売…

うさぎ坂
1か月前
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小説『ヌシと夏生』5_地蔵

「懐かしい匂いがする」 突然、しゃがみこんだかと思うと、少女はベンチに置いた夏生のリュッ…

うさぎ坂
1か月前
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