小説『ヌシと夏生』13_化け猫
「何しろ君は神の使いだからな。神がいなくなったらその神に恨みを持っていた輩が一斉に襲い掛かる。野良の使いは格好の餌食だ」
「そんな……。ヌシはそんなにあちこちで恨みを買っているのか?」
「わざわざ恨みを買うつもりはなくても。強い力を有していれば、存在するだけで弱きものをつぶしてしまうこともある。悪気はなくても。私を倒して名声を上げたいという輩もいるかもしれない」
確かに、ヌシは強い。それはもう夏生自身、何度か目にしている。しかし、ヌシを倒して名を上げたいという輩がいるほ