忌憚のないご意見、はどのレベルで忌憚なく言っていいか[The culture map②]
このレベル感がよくわからなくて、
社会人一年目でインドの業務委託チームに忌憚なく評価をつけろと言われた私は70点をつけてポチッとフィードバックシートを送信した。
すると、上司がばびゅーんと飛んできた。
それはもう、ばびゅーんっと。風の如く。
100点満点中70点って悪くなくない?!
と思ったが、実は、
史上最悪の評価だったらしい。
インドとの円満な関係を保つべく今まで日本のチームは及第点となる71点以上を必ずつけていたようで、このとき初めて私が本気の忌憚のない意見を出してしまったのだ。
私は恵まれており、
当時の上司はそれを握り潰さず、理由を聞いてそのまま出してくれたが、
『同期のサクラ』という高畑充希主演の
忌憚なく忖度なく意見を言うちょっと変わった空気読まない女子社員
というテーマのドラマがあるように、やっぱり日本人は特にネガティブなフィードバックをする際、(匿名でない時はなおさら)本気で心の底から思ったことを言わない傾向があるわけで、
それは、空気を読むや忖度とニアリーイコールな価値観によるものだと私も思っていた。
が、これがどうも違うようだ、
と知ったのが、これから紹介する
各国気質を書いた激烈おすすめ本、
『The culture map (異文化理解力)』
第二章٩( ᐛ )و
フィードバックが間接的か否かは「空気を読む」とは関係ない(The Many Faces of Polite)
第一章の紹介では、
「どの国が一番空気読みがちでしょう」的な話を紹介した。
そして、最も空気を読みがちな日本人は皆様もよくご存知なように、コミュニケーション全般、もちろんネガティブなフィードバックも間接的。
というか、むしろ、空気で汲み取らせるという忍者的手段さえ使いこなす。ニンニン
例:
「このレストラン、雰囲気は素敵でした[訳:ご飯激マズ]」
それであればもちろん、空気読まないコミュニケーションの国は単純にガツーンと直接的にダメ出しをするであろうと思ってしまうが、
なんと、実はそうではないのだ。
以下をご覧ください↓
[上]Low context (低文脈): 言葉のまま受け取る文化。
[下]High context (高文脈): 言葉以外の部分を察して読み取る文化。
[右]indirect negative feedback: 間接的ダメ出し
[左]direct negative feedback: 直接的ダメ出し
日本の所属する右下のチーム以心伝心(A)はわかりやすいので省き、他のカテゴリーを簡単に解説していく。
チームB「はっきり言うのにダメ出しだけは間接的」
このチームのキャプテンはもちろんアメリカ。
彼らは言わずと知れた、世界一文脈を読まずにはっきりと言葉で伝える文化にも関わらず、
何故かネガティブなフィードバックになるとどちらかというと間接的よりの真ん中となる。
昔この本を読んだ時ははて?と思っていた私も、
アメリカ人の集団と仕事をした後は共感が止まらなかった。
作者Erinも本の中でアメリカ人はチアリーダーと言っているが、
常にexcellent ! you are the best!を連発
だいたい別にそんなにエクセレントでもないし、ベストなことはしてない
若干雰囲気悪い会議も最後には、
「でもwe are the best team !」と皆でお互い褒め称えて騒いで締める。
もはや、夜中0時のローテンションで冷静に聞いてると笑えるレベル
例えると沈黙が嫌いなみんなを盛り上げるお調子者って感じで、
え?そこ?!ってことでぎゃーぎゃー言い争うとこもあるが、言った後はスッキリ爽やか、最終的に「君は最高だよ!」なーんて笑い合って空気をちゃんと元通りにしてくれる。
慣れてしまえば仕事をしていて一番気分が良くて私は大好きだ。
そんな、彼らのフィードバック方法は必ず、
ポジティブポジティブポジティブ→ネガティブ
の順でポジティブのオブラートで包んでネガティブを伝える。
きっと重苦しくて悪い空気がたまらなく嫌いなのだろう。もう、なんかかわいい。笑
チームC「はっきり言うし、ダメ出しも直接的」
このチームのキャプテンはオランダ。
個人に対するネガティブなフィードバックもチーム全体の前でガツンと言い、
(日本の所属するチーム以心伝心ではタブー)
それがむしろ相手への親切心だと捉えられている。
本文中ネガティブなフィードバックに関して、
世界一直接的なオランダ人
vs欧州では最も間接的なイギリス人
の[表現の本心]翻訳チャートが出てくるのだが(今回は省略するがとても面白い)、
私も両者のやりとりでその差を体感したことがある。
例えば、オランダ人が何か同意できない事があると、
I do not agree with this approach due to following reasons....
(直訳: この方法断固反対!)
普通にこのように話し始めるし、話してみると分かるが結構強めにガツガツ、納得するまでガツガツ言う。
一方のイギリス人については、先程のオランダ人と議論を戦わせている最中、
I wonder if...
(直訳: もしかして、この方がいいかしら?)
で始める。
一見、超おだやか〜
と思いがちだが、私は個人的に「I wonderの恐怖」とよんでおり、ブチギレありえないテンションでもこのような言い方をするので本当に注意が必要。
そんな感じで、ある意味日本と真逆で一貫性がある態度なのがこのチームである。
チームD「文脈や空気を読むのにダメ出しは直接的」
こちらには、ロシア、イスラエル、フランスなどが所属している。
このチームは通常のコミュニケーションはふんわりと文脈を読んでするが、ネガティブフィードバックになると豹変するらしい。
言われてみればフランス人の同僚は結構言う時は徹底的に言うという感触はあるが、
ネガティブなフィードバックの態度の差を目の当たりにするほど濃密な時間を過ごしたことがなく、イケてるエピソードを紹介出来ない(陳謝
と思っていた矢先、先日上司が
フランス系ベルギー人に変わったので、
(本にベルギーのってなかったのでフランスカウントでいいですか?)
今後どんなビシバシネガティブフィードバックが来るか楽しみです(恐怖)
以上、第2章でした。ご参考までに。
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