20年目のファンレター・note版

プロフィールにもある通り、私は「超マニアックなオタクの手相」の持ち主らしいです。オタクとしてもおそらく趣味が偏り過ぎていて、その手相鑑定で「こんな変な人わからん…」と頭を抱えられてしまったほどです(笑)。

そんな私のゲームの趣味は、当然ながらマニア寄りでした。家にスーパーファミコンは無いのにメガドライブはあった、という環境からもだいたい想像つくと思います(笑)。

さらに、私はとてもこだわりの強いタイプで、ゲームもとことんやり込むことが多々ありました。ダンジョンの宝箱は全部開けるし、台詞もいろいろパターンを試して全部見てしまうタイプ。時には本編そっちのけでずっとアイテム集めたりミニゲームをやったりしてるという。
しかも、やり込むゲームのセレクトが自分でもちょっとおかしかった。私は親切設計の名作ゲームにはあまり興味がなく、「頑張ればギリギリクリアできてしまうくらいのクソゲー」にいちばん燃えてしまう人間だったのです。ええ、もう聞くからにヤバい臭いがしますね(笑)。

「これはひどい」というネットスラングの元となったとも言われているらしい伝説のクソゲー、セガサターンの『大冒険~セントエルモスの奇跡~』をいちいち攻略メモを取りながら何とかクリアして、あまつさえ「また最初から遊んでみたい」とかほざいてるアレさ加減。1フレーズが短すぎて気が狂いそうになるBGMとか、見ていて陰鬱な気持ちになるデザインのモンスターとか、違う意味で闇の成分が濃すぎるモンスターの台詞とか、よく耐えて最後までクリアしたな、としか言い様のない代物なのに(笑)。

面白くないゲームは面白くなさすぎると逆に面白いのです。クソゲーを力でねじ伏せた時、人は不可能を可能にしたカタルシスに酔いしれるのです。そう、クソゲーには夢があり味がある。レッツドリーム!←意味不明

…ええっと(笑)。とにもかくにも、ほとんどゲームを遊ばなくなってもう長いけれど、今振り返って思い出すのは、「世間的にはクソゲーだけどやり込むと味がわかってくる」ゲームだったりするのです。もちろん名作もたくさん大好きだったけど、今あえて語るなら、そして自己紹介の一環として語るなら、そういうちょっとマニアックなゲームの話がいい。

そんなわけで、2018年2月8日にはてなブログに書いた『Hop Step あいどる☆』の記事を加筆修正してnoteにも載せてみたいと思います。私が楽しいだけの記事ですが、私という人間がよくわかる記事でもあるかと思いますので、もしよろしければお付き合いいただければ。っているのかな、そんな人(笑)。

元の記事はこちら→「20年目のファンレター

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もう相当長い間ほとんど遊んでいないけど、私はかつてテレビゲームが大好きでした。しかもどっちかと言うと万人受けしない面白いゲームが好きでした。発売されたハードの影響などで万人受けしていないだけの面白いゲームはいっくらでもあって、そういうゲームの面白さに気付ける幸せというものはなかなかに得難いものだったのです。

そういったいわゆる「隠れた名作」が面白いのはある意味で当然なのだけど、私という人間は「隠れててもいい迷作」が時にむちゃくちゃ好きだったりするというどうしようもないマニアでもあったりしたんですねこれが(汗)。
世間的には「クソゲー」扱いだし実際その通りなんだけど(笑)、でも面白くなさすぎてやり込みがいがあったり(笑)、何故かすごく好きだと思えたりするそんな作品たち。どうせわざわざ時間を割いて語るならそういうゲームの方が楽しい。かもしれない(笑)。

そんな「世間がなんと言おうと私は好き」なゲームについて、今日は語ってみようと思います。

それは、セガサターンで発売されていた育成シミュレーション、『Hop Step あいどる☆』(発売/メディアエンターテイメント)。

…はいはいそこ、タイトル見ただけで帰らない。何故世間的にはクソゲー扱いだったのかもう滲み出てるじゃねーかというご意見には賛同いたしますがまあそう言わずにもうちょっと付き合ってくださいよ(泣笑)。


このゲームの目的は「素人の美少年を街で発掘して2年でトップアイドルに育て上げる」こと。ああそこ、「無理に決まってんだろ」とか言わない。不可能を可能にするのがテレビゲームだ!

プレイヤーの立場は弱小プロダクションのプロデューサー。まずは東京の街へ繰り出し、目をつけた少年たちをスカウトするところからゲームのスタートです。

スカウトできる少年は隠しキャラ1名を入れて10人。ベストなスカウト方法を取ることで育成モードに入ってからの友好度が多少アップするようですが正確なところは不明。
スカウトにはいくつかパターンがあり、諦めなければいつかはスカウトできる仕様なんじゃないのかなと思います。すみません、はるか昔に遊んだきりなのでうろ覚えです…。

スカウトが終了するといよいよ本番、育成モードに入ります。まったくスカウトしなくても自分から事務所に応募してきてくれる少年たちがいるので育成には移れます。いったん全員スカウトしておけばスカウトモードは繰り返さなくてもいきなり育成に入って大丈夫だった、はず。すみませんまたまたうろ覚え。

で、ここが面白いところなのですが、このゲーム、育成するアイドルの数を自由に選べるのですね。と言っても最大で5人までですが、ソロデビューさせてもコンビにしてもトリオにしてもいいのです。
ソロにすると仕事の調整やアイドルの管理は楽ですが、人気が出にくく、最悪の場合ライバルチームに勝つという最終目標が果たせなくなったりします。5人にすれば仕事の調整などはかなり大変になりますが、グループとしての人気は出やすいです。育成ゲームとして楽しむ場合は人数が多い方が断然やりがいがあると思います。

初期は当然ですが仕事は少ないのでレッスンに励むことになります。入ってきても「デパートの屋上でサイン会」などというしょぼい仕事だったりしますが、人気が出てくると受け切れないくらい仕事が入ってくるので、地味な仕事をのんびりやってた頃が懐かしくなったりします。

仕事には個人で受けるものとグループで受けるもの、曜日が決まっているものや自由に日にちを選べるものなど様々です。
育成モードは一週間単位で行われますが、レギュラーの仕事などは一度入れると最大で四週間はその曜日に仕事が入ることになるので、よく考えて受けなければその後入ってくるいい仕事が出来なくなったりします。
特にゲーム後半になると個人を指名した特別な仕事が入るため、なかなか調整が難しいです。

そのため私は出現したすべての仕事情報をメモし(能力が低いと依頼されない仕事もあるようなのでたぶん全部はチェックできてないが)、最大限にいい仕事が受けられるようシミュレーションしていました。特にグループで受ける仕事は意識しておかないと個人の仕事ばかり入れてしまって全然こなせなかったりします。

ちなみに特別な仕事は1枚絵が拝めますが、特定の能力が低いとやはりその仕事は入ってきません。なので、足りない能力を伸ばせるようバランス良くレッスンや仕事に励まなければならないのです。でないとせっかくCDを出してもお蔵入りになったりしますよ(泣)。


といった具合に、アイドルの育成こそがこのゲームの軸ですが、実は恋愛シミュレーションとしても楽しめるゲームでもあったりします。
休日にアイドルを遊びに連れ出しリフレッシュさせているうちに、だんだんと親密な雰囲気に…。恋愛エンディングにたどり着くには最初からそのつもりでゲームを進めなければなかなか厳しいので、私は恋愛エンディング狙いの時はソロでグループを組むようにしていました。

アイドルの好みを把握して食事をとったり誕生日プレゼントをあげたり、地道に好感度を上げていくと、そのうちアイドルが自分のことを少しずつ話してくれるようになります。この会話がなかなかにいいのです。
育てているアイドルたちはわりと普通の少年が多いのですが(時代遅れのヤンキーとかとんでもないのもいますが…笑)、なんつーかこの辺の会話もあんまりキラキラしてないと言うか、程よく等身大で、完全に「攻略対象」としてしか見ていなかった私にもだんだん彼らが可愛く思えてきてしまいました。

特に真也には参った…。稲田真也というキャラがいるのですが、バカで口も悪くて、あまり仲が良くない時などは「ぶん殴ったろうかコイツ」てなことを平気で言われたりもするのですけど(汗)、だんだん素の部分を見せてくるようになると…。うん、あれは殺し文句だった…。バカだけどね…。

私は「説明書に載っているキャラクター紹介の順に落とす」という夢のないことをやっていたので、真也を攻略したのは最後の方でしたが、最初に狙わなくて正解だったと振り返って思います。死ぬほど口が悪いんですよ…。何人かクリアしてゲームに慣れた頃に落とすのが安全かもしれません(笑)。このゲームをそんな何度も遊ぼうという気になる時点できっと大丈夫です(笑)。

そうね、最初に落とすなら川井君あたりがいいのかねえ。私は説明書の順だったので小坂が最初でしたが、最初に彼のエンディングを見たからこそこのゲームをやり込めたのかもしれないと思います。彼からの告白のセリフが「それを言われたら勝てんだろうな」と思わせるものだったのですよ。小坂君にまったく興味はなく本当に攻略対象としてしか見ていなかったのに。セリフの力は偉大です。

少年たちはほとんど10代なのにプロデューサーと恋愛って…、とは正直疑問に思うのですけど、そこはまあゲームだからってことで流すしかないですね(汗)。もしかしたら若くしてトップに登り詰めた超敏腕プロデューサーとかそんなんかもしれんですし(笑)。プレイヤーの情報は性別と名前くらいしか設定しないので、その辺は自由に想像できるのです。
しかし、当時は何とも思ってなかったけど、すっかり年を取った今は「お前を育てるためにどれだけ苦労したと思ってるんだい。アイドル辞めるなんて言わないで続けなよ、付き合ってるの黙っといてあげるから」とか言っちゃいそう(笑)。時代ゆえなのかゲームだから「恋愛か仕事か」しか選べないせいなのか、アイドル辞めちゃったのかな?と想像させるエンディングもいくつかあったんですよ。

アイドルにガチで惚れたことがある人なら言わせてみたいかもしれないセリフで告白してくれるアイドルもいますので、一度は恋愛エンディングを目指してみてもいいかもしれません。もちろん好感度が基準に達してないとフラれます。

ところで、プレイヤーの性別は男女どちらにも設定できます。つまり、男性同士のエンディングも存在するらしい、です。実は結局そのパターンは見てないので詳しいことがわからないのですよ。
プレイヤーを男性にすると確かプレゼントの内容や会話が一部変わり、より少年たちが自然な感じで普通に遊んでても面白かったですが、性別を女性にした時よりも友好度が上がりにくい?ような…。男性で遊んだ時は育成に力を入れていたのでそのせいかもしれませんが。あ、女性主人公での恋愛エンディングは一応全員見てます。


ふふふ、どうですか面白そうでしょう。何故クソゲー扱いなのかわからないでしょう!でもね、クソゲーって言われたら確かにそうなんですよねこれ(泣)。

わりと頻繁に起こるバグ、謎の水玉が跳ねるだけの長いロード画面、地味な育成、売れ線からはかけ離れていると思われる絵柄…。もうちょっと、もうちょっと何とかなれば絶対に名作になれたと思うだけに痛過ぎる(泣)。
絵柄はそのうち見慣れるし、この絵柄だからこその良さもあったのかもなと思えてきましたが、独特過ぎるおへその描写だけは最後まで慣れなかったわ…。

でもそれらの欠点は、ゲームを最後まで遊んだ時の何とも言えない達成感を一度味わうと、確かにどうでも良くはないんだけど、でもそんなにたいした問題じゃないように思えてくる。最後のコンサートへと送り出す、この手で育てたアイドルたちの晴れがましい姿には予想以上の感慨深さがありました。

何よりも、このゲームには作った人たちの愛情がある。確かにゲームは売れてナンボだからそういう意味では失敗だけど、しっかり味わえばこだわって丁寧に作られているのがちゃんとわかるので、クソゲー扱いなのは正直表面しか見てない人の意見だよな、もったいないな、と今でも悲しく思っていたりします。
システム的には基本洗練されてないのであまり親切じゃないところも私は好きなんですけどね(笑)。ゲームはちょっと骨がある方が好きなので。
そう、私はやり込み派。ダンジョンの宝箱は絶対に全部開けないと気が済まない派←言いたいことがわかってもらえれば

しかもこのゲーム、ハードがセガサターンという時点でお気付きになった方もいらっしゃるかと思いますが、発売は1997年、実に20年以上も前です。当時は女性向けのゲームは数も少なく、目の付け所は非常に良かったのですが、あまりに早すぎたために埋もれてしまった名作と言えるかもしれません。迷作の部分もまあ大きいですけど(汗)。

ゲーム中に登場する番組名などは当時の人気テレビ番組や雑誌名をもじったものが大半なので、20年と少し前の記憶がある皆様には懐かしく感じるんじゃないかと思います。年がバレますけど(笑)。
ちなみにライバルチームは某超人気アイドルグループをモデルにしているとしか思えないのですが、20年後には既にこのグループが存在していないと当時のプレイヤーたちに言っても絶対に信じないだろうな…。


私にとっての「もう一度遊びたいゲーム」の筆頭が実はこれです。前述したメモを元にエクセルの練習と称して2年分の仕事の一覧表まで作成する始末で(汗)、次回以降の攻略に役立てる準備も出来ているのですけど、実家がカオス過ぎて肝心のソフトもサターンも探しに行けないという絶望的な状況(泣)。
実家の家族にも探してくれとお願いしているのだが漏れなくガン無視されてます(泣)。絶対にあるはずなのにー(泣)。サターンはもうこと切れてる可能性が高いですけどね…。
うう、ソフトとサターンとともに引っ越せば良かったなあ。公式ガイドブックだけは何故か手元にあるんですけど(泣)。

そんな実情なので、溢れ返る程の財力を手に入れたら「Hop Step あいどる☆専用マシーン」を作りたい。Hop Step あいどる☆しか起動しないゲームウォッチ(たとえ古っ)みたいなやつ。どうせこれしか遊ばないから(笑)。
バグを無くしてロードを早くして、エンディングや一部の仕事の絵を見られるイラストギャラリーを追加してくれたらあとは当時のままでいい。イラストギャラリーはそれがあればコンプリート出来たかどうか確認できるしコンプリートへのモチベーションが上がるから、というだけのことなんですけど。

リメイクは漏れなく元の作品を越えられないのであんまり好きじゃないんだよね。元の作品を知らなければ面白く遊べるんだけど、面白いゲームっていうのは絵が綺麗だとかシステムが整理されてるとか、それ以外のところに結局魅力があって、そこに惹かれて隅々まで遊び尽くしたゲームは、どんなに欠点があっても古くさくても、その時に遊んだものが土台だから、結局それ以外のものは蛇足になってしまうんじゃないだろうか、たぶん…。それが「味」ってやつなのかな。うまく説明できないんだけど。

とは言っても名作なので、多くの人に遊んで欲しいなあ、という気持ちはやっぱりあったりします。ホントにもうちょっと何とかなれば絶対面白いんだよこれ。でもあの味わいは20年後の今の流行に合わせたらきっともう出せないんだろうなと思うと、当時のままがやっぱりいいかな…。
前述の専用マシーン作ったら欲しい人にはタダで配りまくりたい(笑)。寝言ってね、目が覚めてても言えるんですよ(笑)。

主題歌も好きだったけど、CDは見つけられなくて結局持ってなかったりして。確か8cmだったような…。時代を感じる…。今でも突然真夜中に歌い出してしまうくらい私は好きなんですけど(笑)。って近所迷惑(汗)。
たぶんもう10年以上聞いてないけどいまだにイントロから何からぜーんぶ覚えてるよ…。何故か中毒性があるんですよね、あの歌(笑)。


うーむ、もう一度遊んでから記事にしようとずっと思ってたんだけど、長年触ってもいないのに意外としっかり書けてしまった。そこそこやり込んだからなあ…。よく覚えてるものですよこれだけ。本当はもう一度遊んで詳細な攻略記事とか書いてみたいんですけど、まず間違いなく需要はないですね(笑)。私が楽しいだけ(笑)。
もし万が一「大好きだったよこのゲーム!」という方がいらしたら是非コメントを残していってください。こんな世界の果てを見つける方がいらっしゃるとも思えないけどさ(汗)。

そう、誰が何と言おうと私はこのゲームが好きだった。友達に「何でそんなゲーム買ったの」と馬鹿にされても好きだった。遊んでもいないのに文句しか言わないなんてゲーマーの風上にも置けぬわ貴様。
もはや入手は困難かと思われるので是非遊んでみてくださいとは今更言えませんが、何となくでも熱い想いが伝わったのなら私は嬉しい。今回ネタに出来てたいへん楽しかったです。加筆修正版とはいえnoteにももう一度書けて楽しかったです(笑)。

ああ、やっぱりこれだけはもう一度遊びたい!ロード長くても耐えるから!(泣)

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主にフィギュアスケートの話題を熱く語り続けるブログ「うさぎパイナップル」をはてなブログにて更新しております。2016年9月より1000日間毎日更新しておりましたが、現在は週5、6回ペースで更新中。体験記やイベントレポート、マニアな趣味の話などは基本的にこちらに掲載する予定です。お気軽に遊びに来てくださいね。

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