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大きなモールができること
私の実家のあるまちは、少子高齢化と過疎化が進んでいる。
駅前にあったスーパーが閉店してから、その次のスーパーが何年経っても入らない。駅前なのに。
ちょっと遠いところにあるスーパーも、古くなってあちこち建物自体にガタが来ているのに、満足に修繕もできないほど寂れている。
そこへ来て、まちの外れの国道沿いに大きなモールができた。
モールは全国区で展開する巨大なもの。
大抵の人が誰もが知ってる。
でも、そのモールに行けるのは、車に乗れる人だけ。一日に数本しかないバスに乗れる人だけ。駅前からしか出ないバスででも、買い物に行こうと思える人だけ。
県外から、市外からたくさんの人が来て、今は賑わっているらしいけど、市内からスーパーがなくなり、ユニクロが隣の市から消え(モールに入るから競合したくないらしい)、と地域は寂れる一方。
「あのモールが、(実家のあるまちに)できたらしいね!」
と、私は実家から離れて暮らしているのを知っている人が、簡単に嬉しそうに言う。
いいなぁ、あんなに大きなモールができて。市内に観光資源も少ないから、地元の人も嬉しいんじゃない?
と。
ものごとは、そう簡単な話ではない。
観光資源がないから、改めて言うまでもなく、市内に人は来ない。モールの周りの国道だけが混雑して、地元民は迷惑するだけ。モールが儲かるだけで、市内にお金は落ちない。
田舎だから、誰もが車を持っているとはいえ、高齢者ばかりのまち。モールができても、行きたい人ばかりではない。
近場の小さなスーパーはあおりをくらって、どんどん寂れていく。閉店ラッシュも続く。
市内は閑散としている。
モールができて嬉しいのは、ひと握りの人だけ。と私は見る。
モールの誘致をした人たちは、山をけずって、土地をならして、モールのための大規模工事をして、という土建屋さんの事業への貢献はできたかもしれないけど、市内の多くの人が恩恵を受けることはなく、市内の空洞化がどんどん進んで、スーパーがない、薬局がない、服屋もなくて困っているという事実をどう受け止めているんだろう。
誘致をした人は、お金の使い方を間違えたんじゃないかと思う。
しかも、田舎の巨大モールの需要は、どれほどあるんだろう。どれくらい持続するのだろう。
市外からもアクセスしにくい場所で、遠からずモールも撤退するんじゃないかと思う。そしたら、何が残るんだろう。
少子高齢化。市内の空洞化。実家のあるまちに通院のために帰る度、空きビルばかりの駅前を虚しい気持ちで歩く。
私は、実家のあるまちに帰ることを今のところ考えていないけど、帰っても暮らせる自信がない。車の免許は持っているけど、ずっとペーパードライバーだし、その前に、帰った時にモールを含め、どれほど生活必需品を売るお店が生き残っているのか、不安だ。暮らすための生活基盤がないかも。
政治家は地方創生とかすぐにいうけど、本当の地方の問題の解決方法って、巨大なモールを誘致することじゃないと思う。
実家のあるまちを思う時、なんとも言えない、厳しく寂しい気持ちになる。
【今日の英作文】
「この間の日曜日に30分の昼寝をしました。先週はとても忙しかったので、とても良い休憩になりました。」
"I took a nap for thirty minutes last Sunday. As I had been so busy during last week, it was a good rest.''
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