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福袋はお得なのか

お正月と言えば、初売り。初売りと言えば、福袋。

小さい頃、福袋を買ってもらえなかった私は、少し大きくなってから、お小遣いを貯めておいて、初売りの福袋をひとつ買うのがしばらくの楽しみだった。

福袋には、自分がすすんで買わないタイプの服も入っている。奇想天外な出会いがある。

2万円という福袋に、2万円のコートと他何着もの服が入っているという場合もある。

普通だったら出会えない服との出会いがあり、金額的にもお得感。まさに、福をもたらす福袋。

と、わくわくして福袋を買っていたのだけども、ふとその2万円というのは、本当に払うに値する2万円なのかと考えると、それはどうだろうかと分からなくなった。

普段すすんで買わないタイプの服。確かに目新しく、着てみるイメージが湧かない分、出会いに感謝できる。でも、目新しい、自分が似合うか分からない服、買わない服が、その後楽しく着て歩けるかというと、分からない。

ある時、萌え袖というらしい、腕の部分だけやたらもこもこした、スウェットタイプの服が入っていたことがある。「わーい、なにこれー!」と着てみたものの、いざ出かける時に、腕がもこもこしすぎて、コートの袖に腕が通らないということが分かった。時期は真冬。コートなしのスウェットは、冬の寒さが平気でもない限り、無理な格好。あえなくその萌え袖スウェットは、タンスの肥やしになった。

奇想天外な出会いだった萌え袖スウェット。自分でお金を出して買っていたら、泣くに泣けない。福袋でよかった。

その時ふと、福袋は本当にお得なのか、と思った。

2万円以上のものが入っていても、半分の値段分くらい、着ない服ばっかりの場合もあるわけで、それは、全くお得でもなんでもなく、要らないモノが増えるだけの、しょうもないお買い物に過ぎない。お正月に大枚はたいて買うべき「福」とは言えないかもしれない。みすみす福を逃している感じすらする。

ただ、宝くじも買わなきゃ当たらない。福袋も買わなきゃ新しい出会いもない、という面ももちろんある。

福袋に夢を託す人達の買い物に水を差したいわけではないけど、宝くじの夢分、文庫でもいいから、本を買おうかなと思ったり、福袋の分を、少し高い肉を買おうかと思ったり、いつか行きたいと思っている旅行費用にあてようかなと思ったりする。

何に福や価値を見出すかという話だ。

分からないものに、価値を見出してお金を使うか、分かるものだけにお金を払うか。

ギャンブルにも似た福袋。

今年は多くの人が初売りに並んだというニュースを見た。日本はまだまだ元気! という明るいニュースなんだろうけども、今のご時世で福袋どころじゃないという人も多い。

福袋は、本当にお得な買い物、必要な買い物なんだろうか。

今年は余計にそんなことを考えた。

【余談】
腕時計は無事、壮大な散歩から帰還しました。万歳!! 信じてた!

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