ジュース
職場の食堂には、ジュースやコーヒーの自動販売機が置いてあって、ビルに入っている会社の人だけでなく、時々掃除のおばちゃんも利用している。
掃除のおばちゃんは、食堂というより、食堂の階にあるトイレの掃除や備品の管理をしている。でも食堂に来たついでに、私たちの手の回りにくい、手洗い場のボウルや排水を掃除してくれたりする。机や椅子を拭いている私たちとちょっとした雑談や、自販機で買い物したりもしていく。
この間、おばちゃんが自販機でジュースを買うと、ぴぴぴぴ! と自販機から音が鳴って、「ねえねえ!」と呼びかけられた。
その自販機は、一本ジュースを買うと、時々無料でもう一本ジュースが貰えるというよく分からないシステムになっていて、おばちゃんはそれが当たったらしい。
私は居合わせたのが初めてだった。「これどうするの?」とおばちゃんに聞かれても、実はよく分からない。
「数字が揃ったら、お好きなボタンを押してね」
ポスターにそう書いてあると、おばちゃんに言うと、「うーん、どういうことなのかしら」と言いつつ、まさに適当に「午後の紅茶」のボタンを押した。
がこん。
「午後の紅茶」が出てきた。
わあ。こうやってやるんだ。お好きなボタンってお好きな飲み物のボタンのことなんだ。
「朝からよかったですねぇ」
机拭き・椅子拭きに戻ろうとすると、
「これあげる」
まさかの「午後の紅茶」のおすそ分けに与ることができた。棚からぼたもち。
コーヒーは飲めないので、貰っても困っていたけど、紅茶はウェルカム!!
やったー!
私はジュースをそもそも買わないし、自販機も滅多に使わない。
実は「午後の紅茶」と「紅茶花伝」の味の違いも知らない。種類がたくさんあるらしいということは知っていたけど、微糖や無糖が甘いのか酸っぱいのかも知らない。
わあい!
小躍りしながら、「午後の紅茶」をエプロンのポケットにどかーんと入れて、ロッカーに走る。エプロンが明らかに形がおかしいけど、まあ、仕方がない。
知らなくて、飲まなくて、買わないからと言って興味がないわけではない。
朝からいいことがあったー!
ロッカーに「午後の紅茶」をしまい、ホクホク顔をして、机拭き・椅子拭きに戻る。
次の日の朝に、ひんやり冷やした「午後の紅茶」を飲んだ。
なるほど。
自販機の紅茶はこういうお味なんだ。
その日は休みの日だったので、スーパーに買い物へ行った。
ペットボトル入りのみかんジュースが95円(税抜)で売っていた。
普段は絶対買わない。
おすそ分け「午後の紅茶」で、何かが緩んだらしい。気づいたら、お買い上げしていた。
そして、冷蔵庫で冷えている。冷えて、もう5日は経っている。
冷蔵庫で冷えて、というか一年以上奥の奥に押し込まれて、シャーベットのようになってしまったフルーツゼリーのようなことになる前に、飲まなければならない。
ジュースを飲む習慣がないから、普通にジュースが冷蔵庫でご臨終とかありそう。いつの間にか、ジュースが果汁と水分とに分離していたりして。。。恐ろしい!
ジュースってそんなにハードルが高いものだと思えないのに、飲む時がないと、飲まないのだよなぁ。。。
よし。明日の朝飲もう。
毎日思って、冷蔵庫を閉める。
毎日思って、飲み忘れに気づく。
ジュース!!!!
【今日の英作文】
「人生に必要なものは通ってきた道から、見つけることができる。」
I can find what I need for my life along the way.
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