脱・夜行性生物ー雑事記⑤ー
あの音を、最近聞いていない。
シンと静まった真夜中、締めきったカーテンの内側で煌々とした蛍光灯のもと、筆記具を置く音と紙が擦れる音だけがひそやかに響く室内。
「ガチャン!」
いきなりの音にビクッ!!思わず肩を強張らせ、私はそ~っと玄関ドアに目をやり、次に時計を見て「ああ」と思う。
朝刊が配達された音である。
ウチのエリアは順番が早いのか、午前4時40分くらいに朝刊が届く。しかもアパートだから直接玄関の新聞受けに届くため、ドアを隔てて約3メートルという近距離にある仕事机にか