留学中の珍事件簿
留学中に実際に体験した、日本では考えられないような出来事について書き記しておきたいと思う。時間が経過するにつれ、忘れていってしまうものなので。
滞在許可証の引き換えに3カ月以上かかり(シェンゲン協定超え)、引換証にまさかの「トルコ市民」と書かれる
9月のセメスター始めに間に合うように渡航し、まずやらなくてはいけないこと。それはビザの確保。8月に日本のハンガリー大使館で言われた通り「1カ月以内に現地の移民局に行き、ビザを取得する手続きをしてね」との言いつけをきちんと守り、移民局に行ったところ、「まだできてないから2週間後くらいにまた来て」というやり取りを何度か繰り替えされ、ついにシェンゲン協定の3カ月超えた11月下旬になってやっと、ビザが入手できた。移民局で受付してもらうのも大変で9月~11月の時期は大変込み、開館する時間になるまで早朝5時くらいから並び、寒い中何時間も移民局の開門を待たなくてはいけないという修行付きだった。2023年になってからオンラインの申請が始まったらしいが、私が行った2022年はかなりアナログで、手書き記載した申請書を出すと、引換券のような受取証が印刷されて渡された。その受取証になんと「Turkish Citizen(トルコ市民)」と私のことが書かれていた。どっからどう見ても黒髪のアジア人の私をなぜ。窓口の人は受け取った申請書から何を確認していたのか、、?この国大丈夫か?と本気で思った。
それからしばらくして、日本に帰国し、転入手続きを区役所でした際は、ものの10分程度でミスなくスピーディに処理されたときは「なんてすごい国なんだ」と思った。日本の事務手続きのミスなく迅速に進む感じ、まじですごい。
先生が授業に来ない
私は日本で育ち、高校も大学も日本で卒業している。また、日本での社会人経験もあるが、こういう体験をすることはなかった。履修登録が30人程度されている1セメスター目(つまり新入生が受講するような科目)の先生で、2-3回目の授業ですでに授業ブッチされた。授業を休講するというアナウンスもないまま先生がただただ来ないため、授業が行われるパソコンルームの前で生徒が待ち続け、予定の時間から30分以上経過しても来ず、先生にチャットしても反応がないため、徐々に諦めて生徒が帰ってゆくという現象が数回繰り替えされた。セメスターが始まって1カ月半程度経過し、中間テストを控え、別のクラスの友達と話すと同じ科目を履修しているはずなのに、自分のクラスは科目の進行が50%くらい遅れており、このままだと中間試験の日までにテスト範囲の指導が終わらないということが判明した。このようなことはこの大学ではよくあることらしく、だんだんと学生は大学に対する教育品質の期待値が下がっていく。日本でオンラインで学べるコースを受講した方がよっぽど良かったかな、と思った。
オーナーから家を追い出される
これはハンガリーに滞在している中で最もキツかった経験。Airbnbを通して一時期住んでた家のオーナーがかなり神経質で傲慢なタイプで、11月になっても暖房を使わせてもらえず、昼間は部屋の電気をつけるな、などということを細々と指摘してくるタイプで、毎週部屋を訪問してきて使い方をチェックしてきたりした。
「こっちはお金払って家借りてんのになんで使わせてもらえないんだろう」という日本ではありえない種類の人間に出くわした。
お金払っているから自由に設備を使う権利はあるのでは?という至極普通の論理がマジで通じなく、挙句の果てには家を留守にしている間にドアに追加の鍵をかけられて、二度と入れなくなってしまった。文字通り追い出されたのだった。その後、荷物はどうにか回収できたが、20万円近く払ったお金は帰ってこなかった。Airbnbもオーナー側の方に立ち、Airbnbは二度と使わないと誓った。この経験は今でも遠い日本から呪っている。
大学院の生徒が先生をしている
この学校はとにかく先生不足で、猫の手も借りたい状態で学校運営を進めている。日本だったら基本的には大学教授が授業をするものでは?と思ってしまうが、まあこの学校なら普通にありえてしまう。まあでも、普通の先生と違って酷く授業が劣るか?というとそんなことはない。むしろ当たりの場合もある。ほかにも平日は普通に会社で働いていて、週に1度非常勤でこの大学で先生をやっているという人のパターンもある。ただこの学校における「当たりの先生」は日本で遭遇する普通の先生レベル。ほんと残念な学校である。
13歳くらいの子供がバッグを盗もうとしてくる
これはハンガリー滞在の最終日に起こった出来事。お気に入りのスパに行った帰り、ご機嫌な気分でトラムの窓側の席に乗って、ドナウ川に沈む夕日を見ながら「色んなことがあったな・・・」とエモい気持ちで眺めていた。駅に停車して、ドアが閉まりかけたその瞬間、ドアの近くに立っていたまだ幼さの残る小太りの少年が急に私の肩にかけていたトートバッグの底の隅を掴み、そのままトラムを降りて逃走しようとしてきた。幸い私がしっかりとバッグを掴んでいたため、盗られてしまうことはなく、諦めたその少年は走ってトラムを降りた。車窓からその少年を目で追うと、その少年の友達と思われる5-6人の少年と輪になって話していた。13歳の子供に完全に舐められたこと、こういう犯罪に簡単に手を染める子供が普通にいること、色々ショックだった。ハンガリー滞在最終日に起きたこともあり、まるで「この国から早く逃げろ」という暗示のようにも感じ、この国に来ることはもう二度とないだろうと思った。
この国での経験は日本がいかに素晴らしい国かと再確認するきっかけになった。国民にきちんとした教育が行き届いているかどうかというのは、その国の人たちのモラルのレベル、治安にも影響するんだな、というのも身をもって知った。
また、留学先は下手に日本よりも経済水準・教育水準が低い国を選ばない方が良いと思った。
以上!