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「ウルだけ行かなくてずるい!」

トラは言った。

「ウルの学校はね、男の子のトイレのうんちの方に入るとドンドン!と壁を叩いたり、覗いてきたりする子がいて、嫌なんだって。」

母は言った。(色々な理由が同時多発していたはずだが、その中の1つ、ウルが伝えてくれたこと)

すると、トラは言った。

「ウル、そんな学校行かなくていいよ!家にいなよ!」

母はそれだけで、ウルッときてしまった。

当時ウルは溜まったストレスをこれでもか!と弟のトラにぶつけていた。それはもう、止めに入らないとまずいレベルで…

にも関わらず、兄の存在そのものを、いとも簡単に肯定していた。トラおそるべし。

そして、トイレの大の冷やかしくらい、どこに行ってもあるし、それくらい交わせないでどうするだーなんて心の奥底で思ってた自分に気づき、恥ずかしくなった。

大人からするとそんなこと、でも、子どもからすると、とんでもなく不快だ、ということがたくさんあるんだろうな、と。そして、大人にその感情を否定したり、成長するいい機会だなんて正当化していい理由なんて少しもないのだ。

子どもの気持ちは大人が考えているよりもずっと深く神聖なのだ。子どもの気持ち軽んじるなかれ、と、肝に銘じる日々。


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