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流星(ながれぼし)後編
※上記オリジナル曲を題材にした短編小説です。
↓前編↓
↓中編↓
流星
「メイ、少ししか生きられないの…」
ヨウスケの幼馴染・メイは、病気が見つかり、すでに悪化していた。そして、最期まで一人で生きると決めた。
「誰にも迷惑かけたくないから、メイのことは忘れなさい!ヨウスケさん!」
よそよそしい口調に、ただ事ではない様子のメイ。メイは、空に浮かぶ星々と、2人の将来を重ねた。
「すぐにいなくなる流星(ながれぼし)のことなんて、誰も覚えてられない。ほら、夜空にはたくさんの星がある。
そのうち忘れるよ、メイのことは。ヨウスケ、楽しみだね!これからどんな奥さんに巡り合うかな?」
「流星をバカにするな。」
ヨウスケが珍しくメイの話に乗ったため、メイは驚きを隠せなかった・・・
「メイ、流星だって必死に生きてる、その生涯は短くとも。」
「それが何さ?」
「俺はいつでもメイをバカにする。」
「ふざけないでよ。」
「でもお前は自分をバカにするな!」
「別にさー、好きにさせてよ、最期くらい自由に。」
会話のテンポが戻りつつあった。ただお互い、目を合わせず、星空を眺めていた。
「流星をメイと見たくて、俺は今まで時間を稼いだ。」
ペルセウス座流星群が間も無く夏の大空を駆け抜ける時。
ヨウスケは、今日の本当の目的を切り出した。
「時間稼いだって正直に言うところ好き(笑)」
「別にいいだろ?」
幾つも流れ落ちる星を、眺めるメイの目には涙が幾つも流れ落ちた。
「綺麗…。時が止まって、このままずっと二人で星を眺めてたい……」
ヨウスケの左肩が、メイの右肩に近づく。
「流れる星は消えるけれど、あの止まっている星、どんなに明るい星だって、寿命がある。明日の朝には沈んでいる。だから、人もいつか寿命を迎える。
俺がこれからどんなにたくさんの人に出会ったとしても、俺はメイ以外を好きになれない。なったとしても、メイのことは片時も忘れない。」
「メイのことは忘れて欲しいんだって!流星は夜空の星よりも一瞬で消えてしまうから!
ヨウスケは、1時間前に見たたった1つの流星の色を覚えてなかった。」
「あれは他人だったから。」
「他人?」
「流星群が降る夜は、沢山の人が窓を開けて見る。なぜだかわかるか?メイ?」
「…」
「流れる星には魅力があるってこと。でも、1時間前の流星には、『流星』ってメイが言ったじゃん。たった一つの流星は、通りすがりの美女ってことだよ(笑)」
「え、えぇ!?通りすがりなの?(笑)」
美女発言に思わず吹き出す2人。
「でもメイはメイなんだよ!」
地面に向かって言葉を吐き捨てたヨウスケ。そのままぶつぶつと話を続けた。
「どう言うこと?」
「メイが流星でも、そうじゃなくても、どんな姿でも、メイはメイなんだ。俺は、俺は…」
モゴモゴと口元だけが動く。ヨウスケは震える体をどうにか落ち着かせ、必死で言葉にした。
「俺は世界でたった1人のメイが好きだ。」
「ありがとう。…なんか涙出てきた。そんなの、言わなくてもわかってるよ。わかってたのに…」
ちゃんとした告白が、人生で初めてだったから、嬉しかった。これがメイの心情だ。
「だからもう、我慢するな。ずっとそばにいるよ、メイ。」
ヨウスケの言葉に、メイは嗚咽した。
ペルセウス座流星群が終わりを告げた。間も無くしてメイは長い眠りについた。
ヨウスケは数日間の忙しさから落ち着き、メイの日記を見て泣いた。ヨウスケにも言えない抱え込みが沢山あることに衝撃を受けた。そして、空白のページに、流星に願いを込めてつづった。
「君は流れ星のように儚く、美しかった。忘れるはずがない。どんなに明るい星よりも、綺麗だった…
生まれ変わったら、僕に会いにきて。ずっとそばにいるから。」と
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