日本語を少しだけ面白くする3種の文章。
多くの十代、二十代がぶつかる悩み「好きなことってなんやねん」。僕も絶賛その壁にぶち当たっているのだが、つい最近その糸口が見えつつある。
文章を書くこと。
絵も上手くなければ手先も不器用、おまけに字も汚い僕が辿り着いたことは日本語さえ知っていれば誰でも可能な「作文」だったのだ。
高校時代に数記事ではあるが当時所属していた生徒会のブログを開設し、そこで文章を書き始めたことをきっかけに、日記だったり、アフィリエイトだったり、知り合いの文字起こしを手伝ったり。気づけば小説を書いたりもしていた。
文章は写実性がないので、その文章の伝えたいことは読者の知識や経験、価値観に依存する。要はしっかり届いているかがわからない、「思考の余白」が存在するのだ。
作文が好きなのはその余白が好きだからなのだろうか。
ただ、我ながらちっぽけだなぁと呆れた。先述したように文字さえ知っていれば作文なんか誰でもできる。絵を描くとか、音楽をするだとかは専門の知識やセンスがものをいうが、作文はそういったものではない。
「なさけねぇ好きなことだなぁ」
そんなことを思って他の好きなことを探すor開拓してみたがどれもピンとこない。改めて「書くこと」について深ぼってみた。
すると面白いことに、作文には、というか文章には3つの種類があるようだ。
光る文章 照らす文章 消える文章
それらについて調べれば調べるほど「書くこと」という行為がどれだけ愛おしく、同時に難易度が高いことかがわかった。
さて本題だ。今回は書くことを生業にしたい僕が見つけた生活を構成する「3種の文章」についてお話ししていこうと思う。
本日も何卒。
01 光る文章
さて、三種類の文章をかっこつけて「光る、照らす、消える」の3つにカテゴライズしたわけだが、簡潔にいうなら、メイン アシスト ガイド と認識していただいて構わない。
まず光る文章について解説していこう。
こちらは筆者自身の空想がメインコンテンツとなるもの。小説や歌詞、脚本を指す。
筆者の思い描く世界観や、登場人物、その中における起承転結などを描写した文章だ。絵のない漫画に近いかもしれない。
筆者に必要なのは、空想や現実を正確に描写するスキル、適度な余白を作るセンス、登場人物の設定、憑依する能力、そして面白いと思われるようなストーリーを作る空想力だ。
僕自身、いくつか話を書いている。しかしその作業は思っている以上に過酷だった。妄想癖なので浮かんだ話や物語を –絵が壊滅的に下手くそなので– 文字起こすことはなんとなくできるが、それが客観的にどう見えるかが非常に不安な作業だ。
書き終えてから誤字脱字や、構成を見直せば見直すほど「この話おもろいんか」「主人公はほんまにこんな台詞吐くんやろか」とか。模範解答は自分の描いてしまった空想であり自分ではないので、授業中に変な妄想にふけてしまうような、謎の集中力が必要となる。
頭の中の有象無象を客観的に言語化する、それが光る文章だ
記事の下に僕の作ったお話し達を載せるので物好きさんはぜひのぞいてってほしいな。
02 照らす文章
こちらは登場人物や架空の世界が登場するものではない。現実的な文章だ。
自分の思想や相手の考え、作品の説明、企業理念…など。
エッセイやインタビュー、ノウハウ本、ビジネス書や自己啓発本、日記、料理本、ネット記事などが該当するだろう。
模範解答となる情景や事例が現実世界に存在していて、それを文章の力で、より存在感を与えるような文章のことだ。
光る文章は自分の頭の中から答えを模索する作業だったが、こちらは風景画を書く作業に近しい。…といってもこちらも難しいことに変わりはない。自分の目の間に答えはあるが、それをそっくりそのまま第三者に伝えることは容易ではない。
自分自身がその時感じた感情を分析し文章におとしたり、あいての持つ思想をこちらから話をうかがい、それを文章で表現したり。曖昧な企業のムードやゴールを言語化させたり。
ネタが既に存在していて、それを「これ面白いですよ!」とみんなに訴える文章。
それが照らす文章だ。
03 消える文章
さて、これは僕が昨日見つけた文章の新しいジャンルだ。まずこちらの文章を読んでいただきたい。
こちらはご存知、アイフォンのロック画面に映る、ロック解除を訴える文章。もちろんこれも立派な文章だ。
そのほかにも「これは食べ物ではありません」「メールアドレスでサインイン」など。
一見なんの意味もない、形骸化した文章に思えるがそうではない。これらはそのサービスやサイトを初めて利用する人たちに憑依し、尚且つデザインを損なわないための文章なのだ。
こういった文章のことをUXライティングというらいい。
僕自身こう言った文章を「文章」とも認知していなかったので「消える文章」と名付けさせてもらったが、正しくいうならば違和感のないような文章といったところだろうか。
例えば先述した「ホームボタンを押してロック解除」
これは「ホームボタンに指をのせ、指紋認証をすることで、端末のロック画面を解除することができます」
といった意味が含まれている。ただこれをそのまま画面に載せるととってもスクリーンがとっても窮屈になることは想像できるだろう。
消える文章はデザイナーさんから渡された所定の位置に、いかに少ない文字数で物事を誰でもわかるように伝えるかという能力が求められる。
僕自身こう言った文章は書いたことがないので感想などはないのだが、少なくとも意識してみたことがない。
使う人に憑依し、行動を促す忍者のような文章、それが「消える文章」なのだ。
まとめ
さて今回は、書くことについて、3つの種族を分析してみたが僕自身深さとプロの技巧に圧倒された。
文章を書く人もそうでない人も、この三つの視点で日本語と向き合うと少しだけ面白いかもしれない。
この文章が何を言いたいのか、どういった意味を持っているのか。
なんとなく読み過ごしてきた文章に少しだけ興味をもって生活してみてはどうだろうか。
あ、小説貼っておきます。物好きな方はぜひ。
いつもハート、コメント、フォローありがとうね。嬉しい。
明日も何かかきまーす!
K.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?