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採血が怖いときに。

実は私は採血が怖い。

下の子を妊娠中、熱中症患者が多発していた7年前の8月、炎天下を歩いて病院に行ったのが悪かったのか、妊婦検診の採血後に気分が悪くなり、心臓が痛いほどドキドキしてシャッターが下りたように目の前が暗くなって、椅子から滑り落ちてしまった。よくあることなのか看護師さん達は「あらあら、ベットに行きましょうねぇ」という感じで妊婦の私を軽々と支え起こして介抱してくれて事なきをえたのだけど。


でも、私は普段は頑丈で採血で気分悪くなった経験なんかないからびっくりした。それ以来、採血がめっちゃ怖い。

で、今日は職場の健康診断だった。
もちろん採血もされる。

注射針を前にして私は怖さのあまり無意識に採血台から大きく体を離して腕を突き出してしまい、それを看護師さんに指摘された。笑って恥ずかしさを誤魔化そうと思ったら「実は採血怖くて。。。」とつい告白してしまった。そしたら看護師さんはくすっと笑ってめちゃくちゃ優しく気を遣ってくれた。

「いきますね。今大丈夫ですか?」「もうすぐ終わりですよ~」「今は気分どうですか?」「さぁ、もう平気だからね、抜きますよ。」何度も声掛けしてくれた。こういう時「ほらもうしっかりして!!」とばかりに叱り口調の看護師さんもいるのよね。だから怖がってるのいつも隠してたんだけど。

なんか、嬉しかった。怖いとか不安とか嫌いとか大人になったらあんまり許してもらえないじゃない?

大人として親として、しっかりしなさい、賢明でありなさい、強くありなさい。誰かが具体的にそう言うという訳でもないが、私の中にそういう声があって、それができないと思う時、なんと自分は孤独かと感じる時もある。

でも時に「弱虫を許してもらっちゃった。」となると嬉しいものだ。誰かに甘えることのできた時の嬉しさ。

通りすがりのような優しさに(たとえそれが職業的なものであっても)人は支えられる時がある。

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