豊かな人生とは?
私が思う豊かな人生とは、
「 人とのつながりを深めること 」だと思っています。
コロナ禍で人と会えなくなっていたので、
もう一度、人生の豊かさを求めていくために、
つながり活動を始めました。
介護の仕事をしていることもあり、人生について考えることが多々あり、
自分の人生のことよりも関わる高齢者の方の人生について、
一緒に考える機会を頂くことが多いです。
介護は寄り添う仕事なので、
もちろん高齢者の方の人生についても、
ご本人の意向を尊重するのですが、
何かのご縁で関わらせて頂くのですから、
私自身の意見も提案させて頂くこともあります。
私の考えにおいては、
「 人とつながりながら、誰かの役に立つ 」
ということを、
日々の生活に反映させることが、豊かな人生に近付くと考えているので、
そんな過ごしができればいいのではないかと思います。
ただ、それはあくまで、
私の個人的な人生観や価値観であって、
もちろんそれが高齢者の方にとっての、世の中にとっての正解ではありません。
「 人との交流もなく、家の中で寝ているだけ 」
の状態であっても、
それが豊かな人生ではないということではないのです。
以前、関わる高齢者の方が肺がんの進行、転移により
主治医より、余命宣告をされました。
看取りプランにおいて、
私としては、
「 少しでも思い出に残るようなことをしてもらいたい 」
という思いが強かったのですが、
高齢者の方は、
「 人と会うのは面倒だ 」
「 家でタバコが吸いたい 」
「 スマホゲームがしたい 」
それが今、望むことだとおっしゃいました。
「 本当にそれでいいのか 」
私は複雑な気持ちになりましたが、
ご本人はお亡くなりになる寸前まで、
手に力が入りづらくなった状態でも、
自宅のベット上で、電子タバコを吸い続けておられました。
「 これがやめられへんのよ 」
と、私に笑っておっしゃっていました。
そして、その方はお亡くなりになられました。
肺がんでも、最後まで好きなタバコを吸えて
本人は幸せだったとご家族はおっしゃっていました。
私は、その高齢者の方に教えてもらいました。
望む暮らし、やりたいことなどの内容がどうかというより、
「 自分で選ぶこと 」
が豊かな人生なのではないかと。
最後まで自分の意思を伝えたり、貫き通せることが、
人生の醍醐味なのではないかということを。
誰が何を言おうと、
自分にとって価値のあることを選んで進めていく。
それは、自分の人生の中で培ってきたものだから。
それが生きてきた証でもあるから。
自分を理解して、今の自分の中の「最高」を選ぶ。
そこに他人の価値観など必要はない。
他人の価値観に共感し、取り入れることもあるが、
最終的にはそれも自分で選んで決めたものとなる。
そして、そのことについて理解してくれる
家族や仲間がいる。
ケアマネージャーやサービス事業所等もいる。
それが、豊かな人生なんだ。
私は担当させて頂いた方に、
大切なことを教えてもらいました。
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