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アヤワスカの間違った情報と真実について。


◆流布している「間違った情報」

 ここではアヤワスカに関する、「日本で流布している間違った情報」を取り上げて、それらを訂正するとともに、正しい情報をお伝えしたいと思います。

 現在、日本で広く流布しているアヤワスカ情報は、娯楽(ドラッグ)の一種としてとらえられたトリッピーな面白体験談(ネタ)や、わずか数回体験した人による表層的な話がほとんどです。また、スピリチュアルを称した理解不足の人による発信や、体験回数が多くとも本質的な重要点を理解していない人による、バランスを欠いた発信など、問題ある情報が多くなっています。

 「責任をもって情報発信する」というレベルに達していない人が、安易に発信してしまっているのが現状であり、そのため、不要な勘違いや混乱が起こってしまっているのです。

 アヤワスカセレモニーの真意(真理)を、正しく汲み取り、体系的に理解し、深い体験を数多く経た上で、その情報を発信したものではないのです。そのため、間違った情報や中途半端な情報が、流布してしまっているのです。
 
 そのため、まずは、「そもそも、アヤワスカセレモニーとは、どのようなものなのか?」と 深く理解することが、誤った情報から、身を護る対策となります。

【アヤワスカセレモニーは、何のためにあるのか?】

 アヤワスカセレモニーとは、トライブのシャーマニズムの中で、古来より行なわれ てきた、人々の心身を癒すための手法のひとつです。そのため、アヤワスカセレモニー以外 にも、さまざまな癒しの技法があります(当スペースでも行なっています)。
 ただ、アヤワスカセレモニーは、もっともパワフルで、人々の心身の癒しと変容をもたら す、古来より伝承されてきた神聖なセレモニーなのです。
 特に、セレモニーで飲むアヤワスカには、強力なサイケデリック効果があり、 通常ではあり得ない深いレベルから、心身を癒し、解放する働きがあります。
 
 しかし、アヤワスカは、ただ飲むだけで、効果が出るというわけではありません。
 アヤワスカ(スピリット)のエネルギーを、シャーマンが、さまざまにエネルギー調整することで、「真の効果」を発揮することになります。

 そのエネルギー調整をするための、シャーマンの技法が、「イカロ icaro」というシャーマンが歌う歌です。

 それは、ただの歌ではなく、メディスンソングです。

 シャーマンは、イカロを使って、アヤワスカのスピリットに対して働きかけて、コンタクトを取りながら、癒しを促進していくのです。

 イカロがなければ、アヤワスカの効果は、限定的で表面的なレベルにとどまることとなります。
 そのため、トレーニングを積んだ人物(シャーマン)がいなければ、参加者は、本当に深いレベルで癒されたり、 心身の解放を得ることはできません。

 アヤワスカのポテンシャルを汲みつくすことはできないということになります。
 また、シャーマンが、どのようなスキルのシャーマンかによっても、効果はさまざまに変化するのです。

【アヤワスカは、ただ飲むだけで効果があるのか?】

 上で見たように、アヤワスカセレモニーは、参加者が、心身の解放についての明確な目的 意識を持ち、最低限の基礎知識と準備期間を経た上で、熟練したシャーマンや専門家のもと で受けなければ、然るべき効果が得られないことになっています。
 そのため、南米には、アヤワスカリトリートセンターが沢山あり、代替療法としての体系化された方法論の中で、また安全な使用法のもとで、開催されているのです
 アヤワスカセレモニーは、観光の一環として、興味本位で、気軽に受けるようなもの ではないのです。また、そのように受けたところで、それは、本当の意味での「真のアヤワスカ体験」にはならないのです。

【どこで、アヤワスカセレモニーを受けたらよいのか?】

 現在、アヤワスカセレモニーはさまざまなトライブやスペースホルダーによって開催されています。
 セレモニーと一言で言っても、主催者により方向性、コンセプトはさまざまに異なります。
 そのことは、得られる体験も、さまざまに異なるということを意味しているのです。
 
 アヤワスカセレモニーは、どの場所や国が優れているということではなく、主催者の方向 性、メディスンの知識、実践、方法論、経験の深さや多様さが重要なのであって、どのよう な人物のもとで、セレモニー受けるかによって効果や体験の質も変わってきます。
 ぜひ、ご自分の心によく向き合い、自分の方向性に合った団体を探してみていただければと思います。

【アヤワスカを飲むと神秘体験が起こる】

 アヤワスカにまつわる風説で、よく「神秘体験をした」「臨死体験をした」「 宇宙の真理がわかった」などの話があります。
 まず、前提としてご説明しますと、「神秘体験」と呼ばれているものにも、さまざまな質 やレベルがあるということです。
 古典的なサトリ(覚醒)のレベルに類するものもあれば、「ただそんな気になっただけ」と いうレベルまで、実にさまざまです。
 そして、今の世の中で言われているものは、大部分が後者のものです。
 
 そのため、人が「神秘体験をした」と言っている場合、どのレベルの体験をしているのか、 その人の姿をよく見て、見極める必要があります。
 真の神秘体験は、人間の存在を一新します。別の存在にします。結果は、その人の現在の姿に、そのまま現れているのです。
 そもそも、アヤワスカに限らず、神秘体験とは、その人の精神性に見合ったものしか起こってきません。

 そのことを前提として、ご説明しますと、アヤワスカで、神秘的な体験をすることはあります。
 ただ、それは、参加者の今までの精神的探求の反映(結果)としてあるということです。
 今まで人生で、なんの精神的探求も、心を深めることもしてこなかった人が、いきなり「真の神秘体験」を持つことはありません。
 ただし、アヤワスカセレモニーでは、その人に「必要なプロセス」が体験されます。
 それが、その人にとって「神秘的な体験」であることはよくあります。
 アヤワスカには、その力があるからです。
 その意味で、上に見たような風説が出てしまうのです。

 しかし、アヤワスカの体験は、いわゆる「神秘的な体験」でなくとも、非常に「価値ある体験」であることは間違いありません。
  そのため、アヤワスカが与えてくれる体験やメッセージを正しく汲み取れることが、重要となります。
  そして、普段から、自分の心の中を探求したり、精神的探求していることが必要です。
 そのことで、変容効果も、深く大きなものになるのです。
 
 

【アヤワスカを飲むと Vision を見る】

 Vision についても誤解が多くあります。
 Vision についても、さまざまなレベルの Vision があるのです。
 そもそも、サイケデリックス効果の一番表層的な浅い次元は、肉体の知覚的・視覚的生理に由来するVision体験です(幾何学模様の美しいVisionなど)。
 そのため、Visionを見たからと言って、特にそれだけでは、意味や効果があるというわけではないのです。単なる知覚反応です。
 逆に、Visionがないと言って、何かがうまくいっていないというわけでもないのです。
 実際、治療センターでの統計的研究の中でも、Visionと治癒効果との相関関係は特に認められていません。
 たしかに、Vision体験が、深い洞察体験のきっかけになることはありますが、Visionは、あくまでチャンネルのひとつでしかないのです。
 Visionがなくも、深い洞察、身体的浄化、感情的な深い解放という形で、大きな癒しと覚醒は起こってくるのです。
 そして、言うまでもないことですが、アヤワスカは、意識の変化やVisionを楽しむだけの娯楽的なものでもないのです。
 
 

【メディカルガイドラインの存在 肉体面】

 アヤワスカは、適切な飲み方や使用上の注意点という、メディカルガイドラインが存在し ます。誰もが飲めるという訳ではありません。
前提として、アヤワスカは心身の健康状態により、飲めない場合もあるということです。 特定の疾患のある方は、セレモニーを受けることはできません。
 また十分な効果を得るためには、食品の組み合わせ等、注意する必要のある禁忌もあります。
 MAO-I 混合物であるアヤワスカは、特定の薬物や薬物と薬理学的に禁忌ですので、セレ モニー前の 2 週間は、それらを断つ必要があります。
 また、アヤワスカを飲むと嘔吐や下痢をしますが、それは、メディスンが体質に合わない というわけではありません。
 アヤワスカは色々な作用がありますが、その中のひとつで浄化作用があります。
 嘔吐や下痢は浄化作用であり、メディスンが作用している、重要な効果のひとつとなって いるのです。

【メディカルガイドラインの存在 心理面】

 心理面でも、メディカルガイドラインがあります。誰もが飲めるという訳ではありません。
 心理面での重大な問題、精神疾患を抱えている場合は、慎重にスクリーニングが行なわれ ます。
 また、参加可能な場合も、その時の、ご自分の心理状態や病態水準を正しく理解し、予測される危険をきちんと把握した上で、参加していただく必要があります。
 アヤワスカを飲むことそれだけで、精神不調に陥ったり、鬱になるということはありません。南米のリトリートセンターでは、鬱病や薬物中毒の方への治療として、活動を行なっている場所も多いのです。
 
 アヤワスカ体験後に、支障が出る場合の可能性として、以下のようなものが考えられますので、参加に当たっては、自分の心理状態や病態水準を正しく理解し、判断しないといけな いのです。
〈支障が出る場合の傾向〉
・本来受けてはいけない心身の健康状態だった。
・飲んではいけない他の薬との併用をしていた。
・専門家の指示に従っていなかった。
・セレモニー終了後の心身のアフターケアが不十分であった。
等々となります。

 以上、現在、日本で流布している誤った情報について、色々と見てきました。
 いずれにせよ、アヤワスカセレモニーは、珍しい体験をするための娯楽的なものではなく、心身の大きな変容をつくりだす神聖なセレモニーであり、自分の心に向き合って、癒しを得たり、その可能性を探りたい人たちのものであるのです。

少しだけ補足として、サイケデリックの歴史についても触れていきたいと思います。

アヤワスカを含む、サイケデリックは今に始まった物では無く、昔から研究が行われていました。

しかし興味本位の乱用的使用の中で、さまざまな事故や事件が起こり、最終的(1970年頃)には、法的に使用が禁止されるという事態になってしまったのです。

 地道に研究を進めていた人々や、その恩恵に浴したクライアントにとっては、大変、迷惑な事態であったわけです。 
 このあたりの事情や経緯については、スタニスラフ・グロフ博士の興味深いインタビュー動画をご覧ください。

ICC | HIVE - ICC インタヴュー・シリーズ スタニスラフ・グロフ HIVE(ハイヴ)は,ICC館内とウェブで視聴できるICCの映像アーカイヴです.

このように残念な歴史が繰り返されない様に、本物の情報、知識をお伝えしていき人々の変容のサポートをしていきたいと思います。

アヤワスカは私自身の成長を飛躍させ、人生を大きく変えた素晴らしいメディスンなので、是非日本の方々にも、その素晴らしさを受け取っていただくようにこれからも真実をお伝えしていきたいと思います。

アヤワスカの歴史

こちらも日本では良く知られていない情報の一つですのでご参考下さい。


プロフィール

この記事は2名による共同記事となります。

Miyuki
これまで15年に渡りさまざまなモダリティーの学習、研究、実践を元に人々の変容をガイドしています。
2019年
ペルー、アヤワスカリトリートセンターで外国人のゲストのサポート活動経験。
その後、他のリトリートセンター、個人でシャーマンに師事しシャーマン修行をする。
150回以上のアヤワスカ経験、ディエタのマスタープラントのシャーマン修行。
南米(メキシコ、コロンビア、コスタリカ)でのさまざまなシャーマニックフィールドワーク(ペヨーテ、マジックマッシュルーム、ジョポ、サンペドロ、カンボ)経験。
2023年
4年間の実践経験を元に構成した日本人向けアヤワスカセレモニーディエタのプログラムの開催を始める。
2024年
これまでプログラムには日本や海外より32名の方々が参加されています。


松井雄

心理療法家。
30年以上にわたり、変性意識に特化した心理療法を行っています。
南米ペルー、メキシコによるサイケデリックシャーマニズムの実践者。
変性意識を活用したオリジナルの体験的心理療法は、アヤワスカ(サイケデリックセラピー)との親和性があり、多くのサイコノートの方がセッションを受けている。
ワークショップやオリジナルのセラピーの養成講座を開催。

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