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永遠の今~『シッダールタ』ヘルマン・ヘッセ(改訂)
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becomes a little different
as soon as it is spoken out loud.
ヘッセは、詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する作家です。
「シッダールタ」(1922)は、あるインドの求道者が悟りの境地に達するまでの体験を描いた作品です。
シッダールタ青年(釈迦とは別人)は、あらゆる師の教えに満足することができません。
釈迦にも会いますが、その教えにさえ一点の「隙間」を感じてしまうのです。
その隙間とは何なのか。
それは決してぬぐい去ることができない「自我」なのではないか、と彼は自問します。
彼はたまたま立ち寄ったある町に定住し、そこで俗世間の快楽におぼれます。女性の誘惑に負け、商売にも精を出し、酒と賭博にも身をやつします。
しかし彼はやがてこの町を去ることになり、ある「川」にたどり着きます。
そして長かった旅の末、その川の在り方によってシッダールタは、自分の魂が開かれていくのを感じるのです。
川には過去も未来もない。川に時間はない。「永遠の今」があるだけだ。聞こえるのは、死者の声、まだ生まれていない人の声、全ての人の声だ。(概要)
シッダールタは、自らの苦悩と経験によって世の中を学び、人間を学びました。そして、この世界は決して一面的ではないことを体感しました。
「解脱」を求めても、結局はさらなる大きな輪廻の中に留まる以外にないのかも知れない・・・善悪も清濁も時間さえも全て併せ呑む川の流れに、シッダールタは永遠の真理の姿を見るのでした。
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ヘルマン・ヘッセ(1877- 1962 ドイツ・小説家、詩人)
様々な職に就きながら著述活動を行い、穏やかな人間の生き方を描いた作品を数多く残した。代表作は他に「車輪の下」(1906)「デミアン」(1919) 「シッダールタ」(1922)「荒野のおおかみ」(1927)など。1946年にノーベル文学賞を受賞。
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