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さまざまな世代が集まり「災害支援×デジタル」をテーマに語り合いました

4月13日(土)に開催した、ウラシマあそびサロン・ワークショップ「災害支援×デジタル」の当日の様子のご紹介します。


現地動画で、能登半島地震の現状と課題を共有

ワークショップ前半は、サイボウズ株式会社フェローの野水克也さんによる能登現地からの動画を視聴し、能登半島地震の現状と課題を共有しました。

動画では、震災直後の家や道路の倒壊などの被災状況や、避難所生活の実態などが語られました。

避難所生活の実態として、被災直後は生きるために助け合っていた住民たちが、日が経つにつれ、さまざまな課題や問題に直面し、体力的にも精神的にもキツくなっていく様子を、生々しい体験談とともに教えてくれました。

災害支援におけるデジタルやICTの活用について、今回の経験を踏まえ、多くの課題や問題提起をしていただきました。
・情報伝達や確認は、スマホがメインだが、高齢者はスマホを使えない。
・役所職員のITリテラシーが低い、情報やデータを使えこなせない。
・地域のコミニュティや若い世代が、SNSを活用して情報共有も。

参加者の多くが、この野水さんの言葉に、大きく頷いていました。
「普段できないことは、被災時にはもっとできない」
日頃の避難訓練や練習はもちろんのこと、アプリやシステムは、被災時専用ではなく、普段から利用しているアプリやシステムを活用するのが有効であるとのことでした。

デジタルを活用すれば、離れていても災害支援ができる

次に、シビックテックウラシマにおける能登半島地震への災害支援の取組みを紹介しました。
シビックテックウラシマでは、「データ整備支援」として、能登半島の市町村マップや国勢調査の調査単位区マップを制作し、そのデータを現地の自治体やボランティア団体などに提供しました。

また、「情報提供支援」として、NHKがホームページで公開していた能登半島孤立地区等マップを、デジタルマップ化し、日々の変化をマップ上で重ねて確認できるようにした例を紹介しました。

シビックテックウラシマの能登半島地震関連マップやデータ活用の事例については、下記の記事をご覧ください。

データや情報を活用した「災害支援」をみんなで考えた

後半は、参加者が「役所の災害対策本部の情報管理部門の職員」になった想定で、災害支援に必要なデータや情報を、どのように入手し、どう整備し、どのように避難所や地域住民に伝達・提供していくか、グループワークを行いました。

・まずは、避難者や要支援者の名簿の整備が重要だ
・ライフラインの被災状況と復旧見込みの情報も大事だ
・そもそも通信・電波は通しているのか、そこから確認しよう
・道路や家屋の被災の状況を把握しないと物資を運べないだろう
・この情報って役所が持っているのか。あの情報は、どこが管理しているの
・確実に避難所に情報を届けるには、どうすればいいのか

などなど、実際に災害か発生した時を想定して、現実的かつ具体的な議論が真剣にかつ熱く展開されました。

各テーブルに展開された議論の結果を一覧表にて整理しました。

防災について改めて考える機会となった

最後に、今回のワークショップに参加いただいた皆さん1人1人から感想をいただきました。

・防災について、改めて考える良い機会となった。
・日頃からの備えや準備が大事であると再認識できた。
・自治会やマンション管理組合をはじめ、地域のコミニュティが「共助」には重要だと再確認できた。
・今の時代、通信やデータ、情報は、立派なインフラ・ライフラインであることを、社会全体として認識し、備える必要がある。

などの声をいただきました。

市民活動ならではのワークショップ

今回のグループワークは、世代も職業も、立場も経験値も違う方々が、「災害支援×デジタル」をテーマに、いろいろな意見やアイデア、経験談を話し合いました。
それぞれの方の背景や知識、経験値が違うため、さまざまな意見が出ましたが、各意見を尊重し、それらを組合わせ、よりよいアイデアをまとめていく参加者の姿にとても感動しました。

仕事の会議では、時間内に何らかの成果や結論を出すことが優先されますが、市民活動のワークショップでは、世代や立場の違うさまざまな方と協議することで、自分の中での新しい気づき、次の行動へのきっかけ、人とのつながりの広がりなどが、成果となります。
参加いただいた皆さんにとって、今回のワークショップが、自分の中での「気づき」「きっかけ」「広がり」になったことを、願っております。

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