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看護師歴38年。パーキンソン病歴15年。きれいごとだけでは生きていけない。 今日できる…

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看護師歴38年。パーキンソン病歴15年。きれいごとだけでは生きていけない。 今日できることが、明日できるとは限らないから。 今の思いをどこかに書いておこう。

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    EMSi(Essential Management Science institute)Fellow Communityの皆さんの記事を集めました。 EMSi Fellowとは、EMS(Essential Management School)本質行動学基礎原理コースなどの修了生のCommunityです。 多様な人、多様な考え、多様な日々、多様なビジネス、多様なアートが雑多に、ごった煮していく、本質追求マガジンです。

最近の記事

猫はできるけど、私にはできないこと

少し前、否だいぶ前、「メンタリスト」さんの発言がけしからんという事で、いわゆるエンジョウしていた。 まあぁ、確かに個人的価値観による発言だとしても世の中的には許されるものではない内容なのだろうことは、誰の目にも明白に思える。大方の部分では、私も「これは、まずいだろう」という気持ちになった。 しかし彼の失言に対して、私は大きな声で彼を非難することはできない。 何故なら、私の心の中には彼の意見に「ある意味共感できる気持ちがある」ことを少なからず自覚しているからだ 「メンタリ

    • 文字が書けない「不自由」

      皆さんの周りに、字が書けない人っていますか? 私は、ほぼ書けません。 自分の将来を思い描いたときに、年老いたり病で歩けなくなるかもしれないとか、食事ができなくなるかもしれないとか考えたことはありました。でも、まだ介護認定を受けていない状況で「字が書けなくなる」という将来は想定していませんでした。 特に日本では、杖をついていても一人で電車に乗っている人が「字が書けない」と思う人は皆無に等しいです。 パーキンソン病の症状でもあるこの「不自由」は、目立たないけど結構厄介な「

      • ヤドカリは医療を救う?

        「ヤドカリ作戦」2021・冬 「サイレントバレンタイン企画」 私がこの企画を口にしたきっかけは、感染症病棟に勤務する看護師が、周囲からの誤解により、理不尽なかたちでコミュニティから排除されたという事があり、その怒りや悲しみからでした。 ですが、おそらくは彼女に対する心無い言葉や態度は、意地悪な心や医療従事者に対する憎しみでもないはずです。理不尽と思える言葉を発した人も、身近なたいせつな人を守る行動としてやむに已まれず、目先の安全・安心のために誹謗中傷めいた言動に走ってし

        • パーキンソン病と生きる:娘にタコ踊りと言っちゃう母

          「あなた、身体がクネクネしていて、まるでタコ踊りみたいね。そんなんで爪が切れるの?」 ある日、実家に帰って家で爪を切ろうとしていたら、突然、母に言われた。 「タコ踊りって・・・」 さすがに娘でも、遠慮ってもんがあるだろうが! 私は黙って爪を切り続ける。 確かに、その時はジスキネジアが出始めて、気持ちを集中すればするほど、指先が思うように動かない時間帯だった。まぁ、爪切りに適した状況かどうかは、判断に迷うところではある。 マドパーが切れてくると途端に、プールから上がった

        猫はできるけど、私にはできないこと

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        記事

          「蜜月期」ってちょっとセクシー

          パーキンソン病になる予定の皆さん。こんにちは。 パーキンソン病の治療における「ハネムーン期」というのを知っていますか?今回は、「蜜月ハネムーン期」には2種類あるという、私の経験をお話します。参考になれば幸いです。 いわゆる、パーキンソン病の治療の段階における「ハネムーン期」って言うのは、診断がついてⅬ-ドパの内服が始まってから、3年から10年くらいだそうです。 今まで、パーキンソン病の初期症状に苦しんでいたのが、Ⅼ-ドパを内服することで、嘘のようによくなります。この時期

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          医師は裏切らない

          パーキンソン病になる予定がある方がいたら、参考になるかもしれないのでお教えしましょう。「私って、ひょっとしたらパーキンソン病かもしれない」と思った時の対応。 まず、予定がある方は、日ごろから「神経内科」という診療科を標榜している医療機関の情報を集めておくことをお勧めします。収集方法はいろいろありますが、お勧めはアナログな方法。こればっかりはGoogle先生よりも有効と思われる。 「誰誰ちゃんのお父さん(またはお母さん)がそうらしいけど、どんな感じの先生?」「仕事ぶりはわか

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          ジャンプ台で、心のテイクオフ

          「世の中は、欲しいもので溢れている」 そんなテレビ番組のタイトルに『カチッ』となる。 私が欲しいものは、何処にあるのだろう? 私が「パーキンソン病」と診断さた13年前。 病院の帰り道。 夫は、私を札幌の大倉山ジャンプ台に連れて行ってくれた。 5月の爽やかな風が気持ちよかった。 勿論、ジャンプ台には雪は無いが リフトで、スタート地点まで登ることができた。 そこから見下ろす景色は、 素人には、到底恐ろしい、 急こう配のスロープだった。 一瞬。 そこから、

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