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【対談前編】マインドフルネスの第一人者吉田昌生氏が瞑想をはじめた理由

日本のマインドフルネスの第一人者であり、Upmindアプリの瞑想音声ガイドの作成にもご協力頂いている吉田昌生先生に、色々とお話しを伺いました。

マインドフルネスについて、始めたきっかけから、魅力やおすすめの実践の仕方まで、色々とお伺いしましたので、ぜひ今後マインドフルネスを実践していく際に参考にしてください。

大変勉強となる話が多く、前編と後編で分かれますが、まず前編では、始めたきっかけから伺った内容をご紹介させて頂きますね。

プロフィール
吉田 昌生(よしだ まさお)
マインドフルネス瞑想講師、作家。
一般社団法人マインドフルネス瞑想協会 代表理事
企業研修、「Upmind」をはじめとする瞑想アプリの監修多数。
瞑想講師の養成講座を開催し、マインドフルネス瞑想の指導者を国内外で育成している。

左:吉田昌生先生、右:弊社代表箕浦


マインドフルネス瞑想を始めたきっかけ


箕浦:マインドフルネス瞑想をはじめたきっかけを教えてください

吉田:20代中頃、大学で演劇を専攻していて、卒業後は俳優をやっていましたが、生活ができなくて。掛け持ちでバイトをして昼夜逆転の生活になり、自分の好きなことをやることの大変さを身をもって痛感していました。

生活が不規則になると食生活が乱れます。食生活が乱れていくとメンタルが落ち込み気味になって、人間関係も合わないなと思うことが増えました。

孤独や自分自身の人生に対しての不安、親の期待を裏切って就職しなかったことに対する劣等感や罪悪感。元々、哲学的なことを考える性格ではあったんですけど、うまくいかないと反芻思考というか、ずっと同じことを考え続けて生きづらくなってきていました。これを何とかしないとと思って、そこからいろんな心理学の本を読むようになりました。

読んでいく中で心の安定を保つ上で、また脳科学的な効果エビデンスがあるツールとして「瞑想」があるということを知りました。


箕浦:具体的にどのように瞑想をはじめてみましたか?

吉田:試しに瞑想をやってみようと思い、瞑想会に参加をして本も買いました。地橋秀雄先生の「ヴィパッサナー瞑想の理論と実践」という本です。

人は無意識にいろんなことを考えて、捉え方も人によって違います。例えば雪を見て、すごく嬉しいと思う人もいれば、すごく不快な感情になる人もいますよね。

同じ出来事を自分はどう感じていて、それをどう捉えてどういう気持ちになっているんだと意識してみると、自分の気持ちに気付くことができるということを知りました。


箕浦:不安なことや後悔するようになっているのは、自分がその感情を生み出しているということに気づいたんですね。

吉田:はい。なかなか雑念というのは止まらなく、自分が妄想していて、勝手に自動的に起こっているということに気づきました。

瞑想会に参加したときは時間がゆったりと流れている感じでした。せわしなく駆り立てるような思考がちょっと静かになり落ち着き、呼吸も肌でゆったりしていることに気づいてすごいなと思いました。

瞑想が終わった後、30分と短い間だけれど整った自分に気づき、いろんな瞑想CDブックを買いあさりました。そして綿本彰先生のCDで「瞑想」を始めました。


どうマインドフルネス瞑想を身につけたか


箕浦:吉田先生がどのようにマインドフルネス瞑想を身につけていったのか教えてください

吉田:当時はiPodに色んな先生のCD音源をうつして毎日聞いていたのですが、センスがいいなと思った先生の教室へ行き、解説してもらいました。養成講座にも参加していろんな資格も取得しました。

その後はバックパッカーですね。インドに行ってちょっと本場で「瞑想のまねごと」をやってみようと。ネパールやお釈迦様が生まれたところ、お寺や綺麗な海や山。こういう自然があるところで「瞑想」を10分、15分行った後に目を開くと、世界が綺麗で輝いていて、涙があふれてきたんです。世界が本当に綺麗だと感動して自然に癒されたという体験が何回もありました。

帰国後は音声を繰り返し再生をして自分で瞑想を行なったり、ヨガ教室に通いました。当時は瞑想スタジオみたいなものはなく、ヨガクラスの中で瞑想が組み込まれているのが一般でした。ヨガの中で瞑想も指導している先生のところで2009年、29歳の時にヨガアライアンスの資格を取りました。そこから「瞑想」の指導を始めました。


箕浦:そこから本も出版されたり、活動を広げていかれましたよね

吉田:指導と同時に情報発信を始めました。YouTubeやブログなどで発信していたら出版社さんから声がいいので、CDを出しませんかとお話をいただきました。そして、CDつきの入門書マインドフルネスに関する実践を盛り込んだものを2015年に出版しました。


箕浦:2015年というと、ちょうどマインドフルネスが世の中に認知ができはじめた時ですね

吉田:そうですね。2015年からマインドフルネスがTVで紹介され始め、それがきっかけでヨガをこえて、マインドフルネスのクラスや企業研修などを行うようになりました。

「マインドフルネス」を行うとこんなに変化して不安やストレスに効果があるということが、NHKでもエビデンスとわかりやすいスライドと共に取り上げられ、怪しさみたいなイメージだったのが、少しずつなくなってきました。

ビジネスの世界に安定を求める人や生きづらさを感じる人たちが長期的に本質的に変わっていくようなストレス対処法として「マインドフルネス」が注目されるようになりました。


瞑想を教えるようになっての変化


箕浦:瞑想を教えられる中でのモチベーションは何ですか

吉田:来てくれる生徒さんの変化を感じる時です。最初の生徒さんが印象深かったです。体験瞑想会に顔色も悪く、体調不良で仕事も休職しているという生徒さんが1人でお越しになりました。

体験後、彼は涙を流して感動してくれ、続けるうちに仕事ができるようになり、自身の友達も連れてきてくれるようになりました。最初は、瞑想のクラスを開いてもあまり人は来ないし、全然お金になっていませんでしたが、生徒さんがそうやって変わってくれたり、瞑想を教える空間での適度な緊張感と集中、生徒さんとの繋がりが心地が良かったです。


箕浦:なるほど、とても素敵なお話ですね。吉田先生自体も、瞑想を教えられるようになってから変わったことはありますか?

吉田:自分自身も教えるようになってからも、他の先生の合宿などに参加をしていく中で、涙を流して、深い気づきを得たことがありました。

周囲への感謝やこれまでの生き方に対する反省などの気づきだったり、マインドフルネスのコミュニティの場では、弱い自分を自己開示しても受け止めてもらえたり、共感してもらえたりします。

教えていく中で、より気づきと自己受容(ありのままの弱い自分でもいい)ができるようになって、生きることが楽になり楽しくなりました。これはたくさんの人が知った方がいいし、あるいは義務教育で教えた方がいいと感じています。使い方をちょっと知るだけで楽になる人は大勢いると思っています。


箕浦:瞑想の文化が広がっていくといいですね。吉田先生にとって、マインドフルネスとは何か、分かりやすく伝えるとしたらなにですか?

吉田:自分自身の理解者になってあげる、ということです。もう1人見つめている自分がいて、自分の悩みやダメな部分を理解してあげたり寄り添ってあげる。まずは一旦理解してあげることが大切です。少し止まって聞いてあげる時間を自分にとることで、自分自身と親密になるのかなと思います。自分自身が自身の最大の理解者になってあげられるっていうところが一番いいところですね。

(対談は後編へつづく)

今はマインドフルネス瞑想を多くの方に教えられて第一人者である吉田昌生先生も、最初は本を読んで色々なクラスに参加されるなど、自身に合う方法を色々試されていたというのが印象に残りました。マインドフルネスは、気づくことがベースですが、自分の状態への気づきに対して優しさを向けて、”自分自身の最大の理解者になってあげる”というのは、良い言葉ですね。

吉田先生がおすすめするマインドフルネスの実践の仕方については、後編となります。是非、後編も合わせてお読みください😌


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皆さんと一緒に、日本でもマインドフルネスを広めていけますと大変嬉しいです。

また、このような方々は、ぜひお声がけいただけますと大変嬉しいです👇

・Upmindの法人プログラムにご興味のある経営者・人事総務の責任者の方
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今後とも引き続きUpmindをどうぞ宜しくお願い致します。

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代表取締役(箕浦 慶)
2015年に東京大学工学部を卒業、チームラボに入社。2016年までスマートフォンアプリのエンジニアとして開発業務に従事。2017年に米Bain&Company(戦略コンサルティングファーム、東京支社)に転職し、経営戦略の立案に従事。2021年にUpmind株式会社を設立。瞑想歴はゴア(インド)で体験してから10年以上。


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